
ベランダの手すりにとまった鳥。名前を調べたいのに、飛び去ってしまって「黒っぽかった」「スズメより大きかった」しか覚えていないこともあります。
ベランダに来る鳥の候補には、スズメ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、イソヒヨドリ、ハトの仲間などがいます。黒や灰色の鳥なら、まずくちばしの色・頬の模様・尾の長さを確かめると、名前に近づけます。
ここでは、住宅地で見られ、ベランダに立ち寄ったときにも候補になる12種類を紹介します。来る鳥は地域・季節・周囲の緑地などで変わるため、色だけで決めず、見えた特徴を二つ以上組み合わせてみましょう。
ベランダに来る鳥の名前を調べる早見表

まずは体の大きさと、目についた色や模様を照らし合わせてください。名前を押すと、この記事内の見分け方へ進めます。
| 鳥の名前・全長の目安 | 最初に確かめる特徴 |
|---|---|
| メジロ約12cm | 黄緑色の背中。目の周りに白い輪。 |
| シジュウカラ約14cm | 白い頬。胸からお腹の中央に黒い縦線。 |
| スズメ約14.5cm | 茶色い頭。白い頬に黒い斑点。 |
| ジョウビタキ約15cm | 翼の白い斑点。オスのお腹はオレンジ色、メスは灰褐色。 |
| ハクセキレイ約21cm | 白黒で細身。長い尾を上下に動かす。 |
| ムクドリ約24cm | くちばしと足がオレンジ色。尾は短め。 |
| イソヒヨドリ約25cm | オスは青い体と赤茶色のお腹。メスは灰褐色で細かな模様。 |
| ヒヨドリ約27cm | 灰色の体と茶色い頬。くちばしが黒っぽく、尾が長め。 |
| ドバト約32〜33cm | 丸みのあるハトの体形。灰色・白・茶色など色には幅がある。 |
| キジバト約33cm | 翼に茶色いうろこ模様。首の横にしま模様。 |
| ハシボソガラス約50cm | 全身が黒く大きい。くちばしは比較的細く、額の出っ張りが小さい。 |
| ハシブトガラス約56cm | 全身が黒く大きい。太いくちばしと、出っ張った額。 |
全長はくちばしの先から尾の先までの長さです。尾が長い鳥は、数値ほど胴体が大きく見えないことがあります。この表は来訪頻度の順位ではありません。
ベランダに来る黒い鳥・灰色の鳥は?

黒っぽい鳥を見たら、ハトより大きいか、小さいかを確かめます。ハトより小さく、スズメより明らかに大きい鳥なら、ムクドリ、ヒヨドリ、イソヒヨドリなどが候補です。逆光では青や茶色も黒く見えるため、顔や足に色が出る向きを待ちましょう。
ムクドリ|オレンジ色のくちばしと足を見る

暗い灰褐色の体に、オレンジ色のくちばしと足が目立つ鳥です。顔には白い部分があり、尾は短め。手すりにとまっているときは、体色よりも足とくちばしに注目すると判断しやすくなります。
床などを左右の足で交互に歩く動きも手がかりです。飛んだときには、尾の付け根にあたる腰の白さが見えることがあります。若い鳥は色や模様がはっきりしない場合があるため、一点だけで断定しないようにしましょう。
ヒヨドリ|茶色い頬と長めの尾が目印

灰色の体で、目の後ろから下にかけて茶色い部分があります。ムクドリに比べると尾が長く、くちばしと足は黒っぽく見えます。頭の羽が少し立って、ぼさぼさした印象になることもあります。
「ピーヨ」「ヒーヨ」と聞こえる高い声も特徴です。ただし、声の聞こえ方には違いがあるので、頬の色も合わせて確認してください。
イソヒヨドリのメス|灰褐色の体に細かな模様

「青い鳥」の印象が強いイソヒヨドリですが、メスは灰色がかった茶色です。胸からお腹に細かなうろこ状の模様があり、ヒヨドリのような茶色い頬は目立ちません。
くちばしや足がオレンジ色でない灰褐色の鳥を見たときは、この候補も残しましょう。光の具合だけでなく、オスとメスの違いで色が変わる鳥がいることを知っておくと、見落としを減らせます。
ハシボソガラス|細めのくちばしと、なだらかな額

ハトより大きく、全身が黒い鳥ならカラスの仲間が候補です。ハシボソガラスは、ハシブトガラスよりくちばしが細く、額の盛り上がりが控えめ。「ガー、ガー」と濁った声で鳴くことが多い鳥です。
ハシブトガラス|太いくちばしと、出っ張った額

横を向いたときに、くちばしの太さと額の出っ張りが目立ちます。「カー、カー」と比較的澄んだ声で鳴くことが多く、人家の近くでも見られます。大きさだけで両種を分けるのは難しいので、顔の横姿も確認しましょう。
なお、ドバトにも黒っぽい個体がいます。首が短く丸みのある体形なら、ハトの見分け方もチェックしてください。
ベランダに来る茶色い小鳥・お腹がオレンジ色の鳥

スズメ|頬の黒い斑点を確かめる

茶色い頭と背中、白い頬にある黒い斑点が手がかりです。くちばしは短めで、床では両足をそろえて跳ねる動きが見られます。「チュン、チュン」と聞こえる声もおなじみでしょう。
幼鳥は頬の黒い模様が薄く、成鳥と違う印象になることがあります。「模様が薄いから別の種類」とすぐに決めず、体形や一緒にいる鳥も見てください。
ジョウビタキ|翼の白い斑点とオレンジ色の尾を見る

スズメほどの大きさで、オスは黒い顔、銀灰色の頭、オレンジ色のお腹が目立ちます。メスは灰褐色で、翼の白い斑点と腰・尾のオレンジ色が識別の手がかりになります。
主に秋から春に見られ、1羽でとまって、おじぎのように体を動かしたり尾を震わせたりします。冬の手すりに来た茶色い小鳥は、体全体の色よりも翼と尾を確認してみましょう。国内で繁殖する例もあるため、夏という理由だけで候補から外すことはできません。
ベランダに来る白黒の小鳥は?尾と胸の模様に注目

シジュウカラ|胸からお腹に黒い縦線

スズメくらいの大きさで、頭は黒く、頬は白い鳥です。正面を向くと、胸からお腹の中央を通るネクタイのような黒い縦線が見えます。背中には黄緑色もあり、白黒一色の鳥ではありません。
植木の枝を移動していると胸の模様が隠れるため、手すりなどで正面を向いた瞬間が確認の機会です。
ハクセキレイ|細い体と長い尾、歩く動き

シジュウカラより尾が長く、全体に細身です。床を歩き、止まっているときにも尾を上下に動かします。白い頬と、目を通る黒い線がよく見られる特徴ですが、地域によっては目の線がない亜種もいます。
背中の色は性別や季節で変わり、黒く見えるものも灰色に見えるものもいます。「背中が灰色だから違う」とせず、長い尾と歩き方も組み合わせましょう。
ベランダに来る緑色の小鳥は?

メジロ|目を囲む白い輪が目印

スズメより小さく、背中が黄緑色で、目の周りに白い輪があるならメジロが有力です。植木の葉と色が重なると体が見えにくいため、横顔を向けたときに目元を確かめてください。
緑っぽい小鳥をウグイスだと思うことがありますが、ウグイスはより落ち着いたオリーブ褐色で、メジロのように目をぐるりと囲む白い輪はありません。花のそばにいたという状況だけでも決められません。
マンションのベランダに来る青い鳥は?

イソヒヨドリのオス|青い体と赤茶色のお腹

頭や背中が青く、お腹が赤茶色で、スズメよりかなり大きいならイソヒヨドリのオスが候補です。もともと海岸の岩場などで見られる鳥ですが、市街地でも見られます。海から離れたマンションだからといって、候補から外す必要はありません。
日陰では青さが目立たず、黒っぽい鳥に見えることがあります。手すりで横を向いたときに、背中とお腹の色の違いを確認してみましょう。メスは同じ青色ではなく、前述の灰褐色の姿です。
ベランダに来るハトに似た鳥は?

キジバト|茶色いうろこ模様と首のしま模様

翼に茶色いうろこ状の模様があり、首の横に青灰色と黒のしま模様が見えます。体は灰褐色からぶどう色がかった印象で、低い声を一定のリズムで繰り返すことがあります。
1羽や2羽で見ることも多い鳥ですが、羽数だけではドバトと区別できません。幼鳥では首のしま模様が薄い場合もあるため、翼の模様も見てください。
ドバト|灰色だけでなく、白・茶色・黒っぽい個体も

公園や駅前などでも見かけるハトです。カワラバトをもとにした飼育鳥が野生化したもので、灰色、白、褐色、黒っぽいものなど羽色には幅があります。
原種に近い灰色の個体では、たたんだ翼の2本の黒い帯や、首の緑・紫色の光沢が手がかりになります。ただし、すべての個体に同じ模様があるわけではありません。黒い鳥として探していた場合も、丸い体と短めの首ならドバトを比べてみましょう。
窓越しでも見分けやすくする3つのコツ

1.手すりにとまったら、顔・くちばし・足を見る
全身が黒く見えても、くちばしと足の色、頬の白や茶色は残ることがあります。鳥が横を向いたら顔の模様、正面を向いたら胸の模様を確認しましょう。窓の反射や逆光が強いときは、見えない色を無理に判断しなくて大丈夫です。
2.床に下りたら、歩き方と尾の動きを見る
ハクセキレイの長い尾、ムクドリの交互に歩く動き、スズメの跳ねる動きなどは、色がわかりにくいときの助けになります。1回の動作で断定せず、止まった姿と移動する姿を合わせて見てください。
3.見えたことと、まだ見ていないことを分ける
たとえば「スズメより大きい。くちばしはオレンジ色。尾は短め。足の色は未確認」と残すと、次は足を見ればよいとわかります。窓を急に開けず、室内から自然な向きの変化を待つと観察を続けやすくなります。
表に合う鳥が見つからない場合は、鳥の名前を色・大きさ・動きから探すガイドで候補を広げられます。庭木や地面にいる鳥も一緒に調べたい方は、庭に来る鳥19種類の写真と特徴も参考にしてください。
ベランダに来る鳥についてのよくある疑問

冬だけベランダに来る小鳥の名前は?
スズメほどの大きさで、翼に白い斑点があり、尾にオレンジ色が見えるならジョウビタキが候補です。冬には鳥の分布や行動範囲が変わるので、普段見ないメジロやヒヨドリなどに出会うこともあります。「冬だけ」という条件に、顔・翼・尾の特徴を足して調べましょう。
高層階のベランダにも鳥は来ますか?
鳥が立ち寄ることはあります。建物を利用するドバトや、市街地でも見られるイソヒヨドリなども候補ですが、階数だけで種類は決まりません。何階に来たかよりも、大きさ、くちばし、尾、お腹の色を優先して確認してください。
鳥が何度も来るのは、なぜですか?
とまりやすい場所として利用している、周囲で食べ物を探している、といった可能性があります。来た理由を考えるには、ただ休んでいるのか、植木や床をつついているのかなど、行動を見ることが手がかりです。見た目が似ていても、毎回同じ個体とは限りません。
鳴き声だけで鳥の名前はわかりますか?
候補を絞る手がかりにはなります。「チュン」ならスズメ、「ピーヨ」ならヒヨドリ、低い声で繰り返す「デデッポポー」ならキジバトなどが候補です。ただし、鳥には複数の鳴き方があり、似た声を出す種類もいます。姿が見えたときに模様や大きさも確認すると、取り違えを減らせます。
写真が1枚しかなくても名前を調べられますか?
顔、くちばし、翼、尾などの特徴が写っていれば、候補を絞れることがあります。拡大しても見えない模様は「ない」と決めず、未確認としておきましょう。全身の印象だけで合わないときは、メスや幼鳥の姿も比べてみてください。
参考資料

- 日本野鳥の会 BIRD FAN「野鳥の見分け方『フィールドガイド日本の野鳥』より」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「スズメ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「メジロ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「シジュウカラ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ヒヨドリ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ムクドリ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ハクセキレイ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「イソヒヨドリ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ジョウビタキ」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「キジバト」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ハシボソガラス」
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「ハシブトガラス」
- サントリーの愛鳥活動 日本の鳥百科「ドバト」
- 国立環境研究所 侵入生物データベース「ドバト」


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