アオサギとゴイサギを見分けるなら、まず体の大きさ、背中の色、顔の特徴を見比べましょう。成鳥では、アオサギは大型で灰色の背中、ゴイサギは小柄で黒っぽい背中と赤い目が目印です。
最初に押さえる、2種類の違い
- アオサギ:全長約93〜95cm。背中と翼が灰色で、首と脚が長い。
- ゴイサギの成鳥:全長約57〜58cm。頭頂と背中が黒っぽく、翼は灰色。赤い目とずんぐりした体形が特徴。
- ゴイサギの幼鳥「ホシゴイ」:褐色の体に白っぽい斑点が散る。成鳥とは羽色が大きく異なる。
ただし、アオサギも首を縮めます。首の見かけの長さや、昼・夜という時間だけで決めず、複数の特徴を合わせて確認するのがコツです。
アオサギとゴイサギの違いを比較表で確認
次の表は成鳥どうしの比較です。茶色く斑点のある鳥は、後半の幼鳥・ホシゴイの比較をご覧ください。
| 見るところ | アオサギ | ゴイサギ |
|---|---|---|
| 全長の目安 | 約93〜95cm。日本で繁殖するサギでは最大 | 約57〜58cm。カラスくらいの大きさ |
| 背中・翼 | 背中と翼が灰色 | 背中が黒〜暗い紺色、翼は灰色 |
| 頭の模様 | 白い頭に、目の上から後頭部へ伸びる黒い帯 | 黒っぽい頭頂と白い頬 |
| 目の色 | 黄色系 | 赤色 |
| くちばし | 長くまっすぐ。黄色〜黄橙色が目立つ | 黒っぽく、厚みがある |
| 後頭部の冠羽 | 黒い飾り羽 | 白く細長い飾り羽 |
| 首・脚・体形 | 首と脚が長く、背が高い。休むときは首を縮める | 首を縮めるとずんぐり見え、脚も比較的短い |
| 活動の傾向 | 昼間も夜間も採餌する | 夕方から活動することが多い。昼にも見られる |
全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。立ったときの高さではありません。羽色やくちばしの色、飾り羽の目立ち方は、年齢・季節・光の当たり方で変わります。
画像で見る、顔・羽色・首の違い
大きさはアオサギ、背中の濃さはゴイサギが目立つ
2羽が近くにいれば、大型のアオサギと中型のゴイサギの体格差がわかります。ただし、1羽だけを遠くから見たときは距離や姿勢の影響を受けるため、大きさだけで判断するのは難しくなります。
そこで、横や後ろから背中と翼の色の組み合わせを確認します。アオサギは背中から翼にかけて灰色が広がります。ゴイサギの成鳥は背中が黒っぽく、灰色の翼との色の切り替わりが目立ちます。
正面からだと両種とも胸や腹の白さが目につくことがあります。水辺で見た灰色の鳥を広く比べたいときは、灰色の鳥18選と見分け方も候補を絞る手がかりになります。
顔が見えたら、頭の模様・目・冠羽を確認する
アオサギの成鳥は、白い頭と黒い帯の対比がはっきりしています。目は黄色系で、くちばしは長く伸びています。ゴイサギの成鳥は頭頂が黒っぽく、白い頬と赤い目が目立ちます。
後頭部から伸びる飾り羽は冠羽(かんう)と呼ばれ、アオサギでは黒色、ゴイサギでは白色です。小さな羽なので遠くでは見えにくく、見えないことだけを理由に種類を決めるのは避けましょう。
首を縮めたアオサギは、ゴイサギに見えることがある
「首が長いならアオサギ、短いならゴイサギ」は、最初の目安にはなります。しかし、アオサギも休むときには長い首を折りたたみ、丸く見えることがあります。
首が見えにくいときは、脚の長さ、体の大きさ、頭頂と背中の色へ視線を移してください。首を縮めていても、大型で灰色の背中と長い脚が見えれば、アオサギを考えます。小柄で黒っぽい頭・背中と赤い目がそろえば、ゴイサギの成鳥が有力です。
アオサギ幼鳥とゴイサギ幼鳥「ホシゴイ」の見分け方
ホシゴイは別の種類の鳥ではなく、ゴイサギの幼鳥・若鳥の呼び名です。褐色の羽に白っぽい斑点が散り、黒い背中と赤い目を持つ成鳥とは違う姿に見えます。
| 見るところ | アオサギの幼鳥 | ゴイサギの幼鳥・ホシゴイ |
|---|---|---|
| 全体の印象 | 大型で首と脚が長い | 比較的小柄で、ずんぐり見える |
| 頭・首 | 灰色〜灰褐色で、成鳥ほど頭の白黒が明瞭ではない | 褐色系。首や胸には縦方向の模様が見える |
| 背中・翼の模様 | 灰色主体。羽の縁が白っぽいことはあるが、ホシゴイのような大きな白斑は目立たない | 褐色の地に、白〜黄白色の斑点が散る |
| 目・冠羽 | 成鳥のような長い黒い冠羽は目立たない | 目は黄色系から成長に伴って変化。成鳥の長い白い冠羽は目立たない |
黄色い目でも、ホシゴイの可能性がある
ゴイサギの赤い目は成鳥で使いやすい特徴です。幼鳥の目は黄色系で、成長につれて赤くなっていきます。「目が黄色いからアオサギ」と決めず、翼の斑点と体形を優先して確かめましょう。
若いゴイサギは、すぐに成鳥と同じ羽色になるわけではありません。斑点が残り、幼鳥と成鳥の中間のように見える個体もいます。白斑の多さだけで年齢を細かく判断するのは難しいため、複数の部位を見比べてください。
茶色いサギを見たら、ササゴイの幼鳥も確認する
アオサギ幼鳥とホシゴイを比べる場合、背中や翼の大きな白っぽい斑点はホシゴイの手がかりになります。ただし、茶色く斑点のあるサギが、すべてホシゴイとは限りません。ササゴイの幼鳥も似ているため、翼の模様や体形まで確認します。詳しくは、ササゴイの特徴と幼鳥の見分け方をご覧ください。
飛んでいるアオサギとゴイサギの違い
飛行中は、目や冠羽のような細かな特徴が見えにくくなります。まずは体全体の大きさ、翼と背中の色、後方へ伸びる脚を見ます。
- アオサギ:大型で翼が広く、長い脚が後ろへ伸びます。灰色の翼と、黒っぽい風切羽の対比が見えることがあります。
- ゴイサギ:アオサギより小柄で、全体がまとまって見えます。成鳥の上面が見えれば、黒っぽい背中と灰色の翼も手がかりになります。
アオサギのゆったりした羽ばたきは印象的ですが、飛び方は場面によって変わります。羽ばたきの速さだけで判断せず、着地後の姿も確認できると見分けやすくなります。
鳴き声・活動時間・水辺での行動の違い
鳴き声は似ているため、文字の聞こえ方だけで決めない
アオサギは「グワァー」「グワッ」などと聞こえる声を出し、ゴイサギは飛びながら「クワッ」と短く鳴くことがあります。どちらも濁った声なので、遠くで聞くと似て感じられます。
鳥の声を文字で表す方法には幅があります。「グワッなら必ずアオサギ」「夜の声なら必ずゴイサギ」とは判断できません。姿が見えた鳥の声と結び付けて覚えると、次の観察で役立ちます。
声や行動をさらに知りたい方は、アオサギの鳴き声・食べ物・特徴と、ゴイサギの鳴き声と幼鳥ホシゴイの特徴へ。実際の声は、記事末尾にある日本野鳥の会の図鑑でも確認できます。
昼間のゴイサギ、夜のアオサギもいる
ゴイサギは日中に草や木の茂みで休み、夕方から餌を探すことが多い鳥です。ただし、幼鳥や若鳥などが昼間に行動することもあります。
アオサギは日中の水辺で見かけやすい一方、夜に餌をとることもあります。活動時間は補助的な手がかりとして使い、羽色や体形と合わせて考えましょう。
川や池にいること、魚を待つことは共通している
両種とも川や池などの水辺で魚を捕らえます。じっと立って獲物を待ったり、木の上で休んだりする姿だけでは区別できません。同じ水辺にいても不思議ではないので、場所の印象より鳥そのものの特徴を確認してください。
アオサギとゴイサギの見分け方でよくある質問
首が短い灰色の鳥なら、ゴイサギですか?
首を縮めたアオサギの可能性もあります。成鳥なら、ゴイサギの黒っぽい頭・背中と赤い目、アオサギの白い頭・黒い帯と灰色の背中を見比べてください。
ホシゴイとゴイサギは、別の鳥ですか?
同じ種類です。ホシゴイは、褐色の体に白っぽい斑点を持つ、若いゴイサギの呼び名です。成鳥の赤い目や黒っぽい背中が、幼鳥でも必ず見られるわけではありません。
アオサギとゴイサギに、オス・メスの見た目の違いはありますか?
どちらもオスとメスの羽色はよく似ています。野外で1羽を見ただけでは、性別を判断しにくい鳥です。まずは種類と、成鳥・幼鳥の違いを確認しましょう。
白いサギを見たのですが、アオサギですか?
アオサギは正面からだと首や胸が白く見えますが、横や後ろから見ると背中と翼が灰色です。全身が白いなら、ダイサギ・チュウサギ・コサギなども候補になります。白いサギ3種類の見分け方で、くちばし・脚・体格を比べてみてください。
迷ったときは、体形・背中・顔の3つをチェック
- 体形を見る:大型で脚が長いならアオサギ、小柄でずんぐりした姿ならゴイサギを考える。
- 背中と翼を見る:灰色主体ならアオサギ。黒っぽい背中と灰色の翼ならゴイサギ成鳥。褐色に白斑が散るならホシゴイを含む幼鳥の比較へ。
- 顔で確かめる:頭の模様、目の色、冠羽を合わせて確認する。幼鳥には成鳥の特徴をそのまま当てはめない。
アオサギとゴイサギの違いは、ひとつの特徴よりも、複数の特徴を組み合わせるとつかみやすくなります。首を縮めた姿や、幼鳥の羽色で迷ったときは、比較表に戻って見直してみましょう。