チョウゲンボウとコチョウゲンボウの違い|メス・幼鳥の見分け方を図解

チョウゲンボウとコチョウゲンボウは、オス成鳥なら背中の色、メスや幼鳥なら尾羽の模様と体形を組み合わせて見分けます。チョウゲンボウのオスは赤茶色の背に黒い斑点があり、コチョウゲンボウのオスは背が青灰色です。

チョウゲンボウ自体の鳴き声や雌雄の特徴を確認するなら、チョウゲンボウの鳴き声・オスとメスの見分け方もあわせてご覧ください。

過去の観察例として、北印旛沼の野鳥 コチョウゲンボウ タゲリ ハイイロチュウヒ トモエガモ 他(2019年掲載の観察記録)もご覧ください。現在の出現状況とは異なる場合があります。

難しいのは、どちらも茶色く見えるメスと幼鳥。「尾の縞はどう違う?」「白い眉があればコチョウゲンボウ?」「ホバリングで判断できる?」という疑問を、比較図とともに確認していきましょう。

チョウゲンボウとコチョウゲンボウの姿を並べた比較図
チョウゲンボウとコチョウゲンボウ。まずは背中の色と尾の見え方に注目。

最初に見るのは、この3点

  • 背中:オス成鳥は「赤茶色+黒い斑点」か「青灰色」か。
  • 尾羽:メス・幼鳥は、尾の長さと暗色帯の幅を見比べる。
  • 飛び方:繰り返すホバリングか、素早い羽ばたきで小鳥を追う飛び方か。
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チョウゲンボウとコチョウゲンボウの違い早見表

両種ともハヤブサ科の小型猛禽です。名前の似た別の種類で、コチョウゲンボウがチョウゲンボウの子どもというわけではありません。

比較する点チョウゲンボウコチョウゲンボウ
大きさの目安オス約33cm、メス約38cmオス約28cm、メス約31〜32cm
体形・尾の長さ尾が長く、すらりと見える尾は比較的短く、まとまった体形
オス成鳥の背中赤茶色に黒い斑点青灰色
メス・幼鳥の上面褐色で、背中の暗色の横斑が目立つ暗めの褐色〜灰褐色。幼鳥は羽縁の淡色も目立つ
メス・幼鳥の尾羽細かい暗色の横帯が並ぶ傾向暗色帯が比較的太く見える傾向
狩りの飛び方ホバリングから地上の獲物を狙う姿が目立つ素早い羽ばたきで小鳥を追う姿が目立つ
日本で見られる季節通年見られる地域があり、秋冬は平地でも見つけやすい主に冬鳥として渡来する

大きさは全長の目安です。雌雄差や個体差があり、距離によっても印象が変わるため、「小さく見えた」だけでは決められません。コチョウゲンボウのメスの全長は資料により31cm、32cmなどの表記があります。

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オスの違いは背中の色|赤茶色か青灰色か

成鳥のオスで最も確認しやすいのは背中の地色です。チョウゲンボウは赤茶色の背に黒い斑点が散り、頭と尾が灰色に見えます。コチョウゲンボウは背中まで青灰色なので、横向きや後ろ向きに止まっていると比較しやすくなります。

オス成鳥の比較図:チョウゲンボウは赤茶色の背、コチョウゲンボウは灰色の背
オス成鳥は、灰色の頭だけでなく背中まで見て比べます。

「頭が灰色だからコチョウゲンボウ」と判断すると、チョウゲンボウのオスを取り違えることがあります。頭と背中を一続きで見て、色が切り替わるかを確認してください。逆光で色がわからないときは、尾の長さや別の角度の写真も手掛かりにします。

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メス・幼鳥の見分け方|尾羽と背中を優先する

メスや幼鳥は両種とも褐色が基調で、オス成鳥ほど色の違いがはっきりしません。尾羽、背中、顔、胸の順に、見えた特徴を照合すると整理しやすくなります。

図中で「メス」と表記された個体には幼鳥の可能性があるため、ここではメス・幼鳥に似た褐色個体の比較例として扱います。図だけで性別や年齢まで確定するものではありません。

尾羽の違い|先端だけでなく、途中の帯を見る

両種の褐色個体には尾羽の横帯が見られます。チョウゲンボウでは細い暗色帯が繰り返し並び、コチョウゲンボウでは暗色帯が比較的太く見える傾向があります。

メス・幼鳥に似た褐色個体の尾羽を比較した図:横帯の太さの違い
尾の途中に並ぶ帯の幅を比較。先端付近の太い帯だけを見ないようにします。

ここで見たいのは、尾の途中に繰り返し現れる暗色帯と、その間の明るい部分のバランスです。チョウゲンボウも尾の先端付近に太い黒帯があるため、「太い帯が1本ある=コチョウゲンボウ」ではありません。

尾羽の重なりや開き方で、帯の本数・幅は違って見えます。翼に隠れた部分を無理に数えず、尾全体が写った写真や、向きを変えた場面で確かめましょう。尾の長さも一緒に見るのがポイントです。

背中の違い|茶色の明るさと横斑を比べる

チョウゲンボウのメス・幼鳥は、褐色の背に暗色の横斑が目立ちます。コチョウゲンボウのメス・幼鳥は、上面が灰褐色〜暗褐色に見え、チョウゲンボウより落ち着いた色合いに感じられることがあります。

チョウゲンボウとコチョウゲンボウの褐色個体の背中を比較した図
褐色個体の背中の比較例。色の明暗だけでなく、模様の入り方も確認します。

ただし、日なたと日陰、写真の明るさや色調でも印象は変わります。別々の光の条件で撮られた写真では、茶色の濃さよりも、尾の形や帯など複数の特徴を重視してください。

白い眉斑や「ハヤブサ髭」だけで決めない

目の上の白っぽい線は眉斑(びはん)、目の下から頬へ伸びる暗色の模様は、ひげ状の斑です。チョウゲンボウでは目の下の暗色斑が手掛かりになりますが、コチョウゲンボウにも顔の模様には変化があります。

白い眉が目立つかどうかは、個体や見る角度で違います。「眉が白いからコチョウゲンボウ」「ひげが薄いから別種」と一つの模様で決めず、尾羽と背中を確認した後の補助に使いましょう。

胸・脇腹の模様は補助的に確認する

胸から腹にかけては、両種とも暗色の斑が見られます。コチョウゲンボウのメスや幼鳥では、褐色の縦斑と、その間の淡色部分が目につくことがあります。

チョウゲンボウとコチョウゲンボウの胸と脇腹の模様を比較した図
胸・脇腹の比較例。白っぽい部分の有無だけを決め手にしません。

胸や脇の模様は姿勢や羽の重なりにも左右されるため、この図は観察する位置を知るために使ってください。正面の写真しかない場合、胸の模様だけから種類・雌雄・年齢をすべて決めるのは難しく、横や背中が写った別のカットが役立ちます。

コチョウゲンボウの幼鳥はメスとどう違う?

コチョウゲンボウの幼鳥はメスに似ていますが、上面の羽の縁に淡い黄褐色が目立つことがあります。ただし、成鳥と幼鳥では羽の摩耗や換羽の状態も異なるため、遠くの姿や小さな写真で年齢まで決めるのは簡単ではありません。

種類の識別と、性別・年齢の判定は分けて考えましょう。尾や背中からコチョウゲンボウと判断できても、雌雄や年齢がわからなければ「コチョウゲンボウ、性別・年齢不明」と記録できます。茶色い個体をすべてメスとする必要はありません。

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飛び方の違い|ホバリングと小鳥を追う動きに注目

チョウゲンボウは、空中の同じ場所にとどまるように羽ばたくホバリング(停空飛翔)をしながら地上を見下ろし、獲物に向かって降りる姿がよく見られます。止まり場から地面を見て、飛び下りることもあります。

コチョウゲンボウは、素早い羽ばたきと短い滑翔を交え、小鳥を追って方向を変える飛び方が特徴的です。飛翔中は尾が比較的短く、体がまとまって見える点も参考になります。

「ゆっくり飛べばチョウゲンボウ、速ければコチョウゲンボウ」とは限りません。移動中か狩りの最中かでも飛び方が変わります。速度の印象だけでなく、空中にとどまる動作を繰り返すか、何を追っているか、翼と尾の形を合わせて見ます。

なお、コチョウゲンボウもまれにホバリングすることがあります。「一度ホバリングした」という場面だけで断定せず、止まった姿まで観察すると判断材料が増えます。

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見られる季節と生息環境の違い

チョウゲンボウは、日本では一年を通して見られる地域があり、秋冬は農耕地や河川敷などでも観察しやすくなります。地域によって季節的に移動するので、同じ場所に必ず一年中いるわけではありません。

コチョウゲンボウは主に冬鳥として日本へ渡来し、開けた農耕地や干拓地、草地などで見られます。チョウゲンボウと生息環境が重なり、冬には同じ地域で両種に出会う可能性があります。

冬の田んぼにいるという情報だけでは、両種を区別できません。季節と環境は候補を絞る手掛かりにして、最終的には姿や動きを確かめましょう。

コチョウゲンボウ自体の特徴や食べ物を知りたい方は、コチョウゲンボウとは?オス・メスの特徴と見られる季節もご覧ください。

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写真や野外で迷ったときの確認手順

  1. 背中の色を確かめる。赤茶色に黒い斑点があるオス成鳥か、青灰色のオス成鳥か。褐色なら次へ進みます。
  2. 尾全体を見る。体に対して長く見えるか、途中の暗色帯は細かく並ぶか、比較的太いかを確認します。
  3. 背中と顔の模様を照合する。尾から考えた候補に、背中の斑や目の下の暗色斑が合うかを見ます。
  4. 飛び方と季節を補助にする。ホバリングの頻度、小鳥を追う動き、観察した季節を記録します。
  5. 見えなかった部分は保留する。尾が隠れていたり逆光だったりした場合は、別の写真・別の角度が得られるまで無理に決めません。

写真を確認するときは、正面の顔だけを拡大するより、背中から尾まで写ったカットを先に探すと効率的です。飛んでいる写真では、羽ばたきの瞬間によって翼の形が変わるため、可能なら連続した数枚を見比べてください。

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チョウゲンボウとコチョウゲンボウのよくある質問

一番わかりやすい違いは何ですか?

オス成鳥なら背中の色です。チョウゲンボウは赤茶色に黒い斑点、コチョウゲンボウは青灰色。メスや幼鳥では色だけに頼らず、尾の長さと帯の模様を併せて確認します。

コチョウゲンボウは珍しい鳥ですか?

日本では、チョウゲンボウより観察機会の少ない冬鳥です。ただし、地域や環境で出会いやすさは異なります。「珍しい鳥だから違うはず」と候補から外さず、羽の特徴で判断してください。

チョウゲンボウとコチョウゲンボウはどちらが小さいですか?

全長はコチョウゲンボウの方が小さく、尾も比較的短い傾向があります。ただし、両種ともメスの方が大きく、離れた鳥の見かけの大きさだけでは比較できません。

メス・幼鳥の個体は、尾羽だけで種類を見分けられますか?

尾羽は有力な手掛かりですが、それだけでは断定できません。帯の幅や本数の見え方は、尾羽の重なりや年齢でも変わります。背中の模様、尾の長さ、顔の特徴まで照合しましょう。

ハヤブサやチゴハヤブサと迷ったら?

尾と翼の比率を確認します。チョウゲンボウは尾が長く見え、チゴハヤブサは翼が長く見えるのが手掛かりです。ハヤブサはよりがっしりした体つきで、体に対する尾は短めに見えます。飛翔写真1枚では雌雄や年齢までわからないこともあります。

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迷ったら、背中・尾羽・飛び方をもう一度

オス成鳥は背中の色、メス・幼鳥は尾羽と背中の模様を中心に見ると、確認すべき場所が整理できます。眉斑や胸の模様、季節、飛ぶ速さは補助に使い、一つの特徴だけで決めないことが大切です。

ほかの鳥の識別も調べたい方は、似ている野鳥の違いと見分け方・比較記事一覧から、気になる組み合わせを探せます。

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参考資料

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