オオヒシクイ
オオヒシクイは主に冬鳥として日本に越冬にやってきます。田んぼや湖沼でよく見られ、毎年決まった場所で越冬し、生息地が限られているため観察は比較的容易です。
越冬地には主に群れで飛来し、体も大きいため田んぼや湖沼にいると、とてもよく目立つので見つけるのは簡単です。ただし、越冬地にいるオオヒシクイでも昼間は餌を探すために越冬地の周囲や場合によってはかなり遠くに行くこともあるので、飛び立つ前の早朝か帰ってくる夕方の方が観察できる可能性が高くなります。
オオヒシクイはヒシクイの亜種でヒシクイに比べて少し大きく顔の形が少し違いますが、野外で見分けるのはかなり難しいため、オオヒシクイの有名な越冬地で観察するのがいいでしょう。
稲波干拓【茨城県】
稲波干拓は茨城県の霞ヶ浦に注ぐ小野川沿いに広がるオオヒシクイの一大越冬地です。
毎年越冬にやってくるオオヒシクイの群れは100羽を超え、関東地方でオオヒシクイの群れが定期的に観察できるのは稲波干拓のみとなっています。
稲波干拓にはオオヒシクイの越冬時期に観察小屋が設置されており、稲敷雁の郷友の会のメンバーの方が常駐しています。オオヒシクイの観察を始める前に観察小屋で飛来状況などの情報を収集してから観察を始めるのがおすすめです。
稲波干拓ではオオヒシクイの観察は100m以上離れることが推奨されているため、観察には高倍率の望遠鏡やフィールドスコープがあるといいでしょう。
福島潟【新潟県】
新潟県新潟市にある福島潟は日本一のオオヒシクイの越冬地です。新潟県内でも有数の探鳥地で、多いときには数千羽の大群で越冬にやってきます。
福島潟の周囲には田園地帯が広がっており、オオヒシクイは田んぼで採食していることが多く、数が多いため福島潟の周りを一周すれば高確率でオオヒシクイの群れを見つけることができるでしょう。
オオヒシクイはマガンと混群を形成していることが多く、時にはシジュウカラガンなどの珍しい野鳥が混ざっていることがあるのでオオヒシクイの群れを見つけたら1羽ずつチェックすることをおすすめします。
冬、福島潟周辺は一面雪に覆われるため、車で行く場合、雪道の運転に慣れていない方はオオヒシクイが飛来し始める秋に行くのもおすすめです。
また、福島潟沿いにある水の駅ビュー福島潟や野鳥観察小屋雁晴れ舎では野鳥情報を掲示しているのでオオヒシクイを探す前にチェックしてみるといいでしょう。