アオゲラとヤマゲラの違いは、成鳥のお腹の模様と顔の赤い線を見ると分かりやすくなります。アオゲラは腹側に黒い横じまがあり、くちばしの付け根から頬の下へ伸びる線に赤色が入ります。ヤマゲラの成鳥はお腹がほぼ無地で、同じ位置の線は黒色です。
過去の観察例として、三ツ池公園の野鳥 アオゲラ アオジ モズ 他(2023年掲載の観察記録)もご覧ください。現在の出現状況とは異なる場合があります。
見つけた地域も大きな手掛かりです。日本では、本州・四国・九州などならアオゲラ、北海道ならヤマゲラが基本の候補。どちらも緑色のキツツキですが、「頭が赤い」「背中が緑」という特徴だけでは区別できません。比較イラストを見ながら、お腹・顔・地域を順番に確認しましょう。
アオゲラとヤマゲラの違いが分かる比較表
次の表は、主に成鳥を比較したものです。種の見分けにはお腹と顔、オス・メスの見分けには頭の赤い部分を使います。
| 見るところ | アオゲラ | ヤマゲラ |
|---|---|---|
| お腹の模様 | 腹側・脇に黒い横じまがある | 成鳥はほぼ無地の灰緑色 |
| 頬の下の線 | 赤色が入る | 黒色で、赤色は入らない |
| オスの頭 | 前頭から後頭にかけて広く赤い | 額付近に小さな赤い部分がある |
| メスの頭 | 後頭部に赤い部分がある | 頭に赤い部分がない |
| 日本の主な分布 | 本州・四国・九州、屋久島・種子島など | 北海道 |
| 全長の目安 | 約29cm | 約30cm |
| 鳴き声の例 | 「ピョー、ピョー」と響く口笛のような声 | 「ピューピョピョピョ」と尻下がりになる声 |
大きさはほぼ同じです。遠くの鳥をサイズだけで見分けるより、お腹の模様と顔の線を確かめるほうが役立ちます。
お腹・顔・オスとメスの見分け方
お腹に黒い横じまがあるのはアオゲラ
アオゲラは、腹側から脇にかけて黒っぽい横じまがあります。幹にとまった鳥を横から見ると、翼の下やお腹の脇に模様が見えることがあります。胸の一部分だけで判断せず、お腹の下側まで確認してください。
ヤマゲラの成鳥は、腹側が灰色を帯びた緑色で、アオゲラのような目立つ横じまがありません。枝や幹で隠れている場合は、「しまが見えない」と「しまがない」を区別することも大切です。
背中の緑の濃さは、日なた・日陰や写真の明るさによって印象が変わります。体色の鮮やかさだけを決め手にしないようにしましょう。
顔は「頬の下に赤い線があるか」を見る
くちばしの付け根から後ろへ伸びる、ひげのような線を顎線(あごの線)と呼びます。アオゲラではこの線に赤色が入り、ヤマゲラでは黒色です。顔が横を向いたときに探すと分かりやすい目印です。
ヤマゲラのオスにも額付近に赤色があるため、「頭が赤いからアオゲラ」とは言い切れません。赤い部分が頭のどこにあるのか、頬の下にも赤色があるのかを組み合わせて見ます。
アオゲラとヤマゲラのオス・メスの違い
| 種類・性別 | 頭の赤い部分 | 頬の下の線 |
|---|---|---|
| アオゲラのオス | 前頭から後頭にかけて広い | 赤色が入る |
| アオゲラのメス | 主に後頭部 | 赤色が入る |
| ヤマゲラのオス | 額付近の小さな範囲 | 黒色 |
| ヤマゲラのメス | 赤い部分はない | 黒色 |
まずお腹と顔で種類を絞り、次に頭の赤い範囲で性別を確認すると整理しやすくなります。後ろ姿ではアオゲラのオス・メスの両方に赤色が見えるため、後頭部だけの写真では性別を決めにくい場合があります。
幼鳥や、頭の一部が隠れた写真は成鳥の比較表にそのまま当てはめず、分かる特徴を記録しておきましょう。
生息地の違い|北海道と本州ではどちら?
アオゲラの生息地は本州・四国・九州など
アオゲラは日本固有のキツツキで、本州・四国・九州のほか、屋久島・種子島にも生息します。森林や里山、樹木の多い公園などで見られます。本州の林で緑色のキツツキを見つけたら、まずアオゲラの特徴を確認しましょう。
生息環境や探し方を詳しく知りたい方は、アオゲラが見られる生息地と探す際のポイントもご覧ください。
北海道の緑色のキツツキはヤマゲラが候補
ヤマゲラは海外にも分布しますが、日本の通常の生息域は北海道です。北海道の林で、緑色の背中と灰色の顔を持つキツツキを見たら、ヤマゲラを候補にします。アオゲラは北海道を通常の生息域にしていません。
ただし、地域だけで鳥の名前を決める前に、キツツキらしい体形やお腹の模様も確認してください。緑色の鳥には、キツツキ以外の仲間もいます。
どちらも一年中見られる留鳥
アオゲラとヤマゲラは、それぞれの生息域で一年を通して見られる留鳥です。夏だけ・冬だけ日本へ渡ってくる鳥ではありません。「留鳥」は全く移動しないという意味ではなく、季節や餌の状況によって周辺を移動することもあります。
アオゲラとヤマゲラの鳴き声の違い
アオゲラの鳴き声|口笛のような「ピョー」
アオゲラは、口笛のように響く「ピョー、ピョー」という大きな声を出します。「ピュー」と聞き取られることもあり、同じような声を繰り返す鳴き方が手掛かりになります。木々の間から声が聞こえたら、幹や枝にとまった姿を探してみましょう。
ヤマゲラの鳴き声|尻下がりの「ピューピョピョピョ」
ヤマゲラには、「ピューピョピョピョ」と後半の音程が下がるように聞こえる声があります。「キョッ、キョッ」という短い声も出します。北海道の林で聞いた声なら、こうした鳴き方と地域を組み合わせて候補を絞れます。
声だけで断定せず、姿と地域を合わせて確認する
鳴き声は、状況や個体、聞く距離によって違って聞こえます。両種とも似た短い声や連続する声を出すので、「一回ならアオゲラ」「何回も鳴けばヤマゲラ」という区別はできません。
聞き分けるときは、声の音程の変化・見つけた地域・姿の特徴を合わせて確認します。幹を連打するドラミングの音だけで、この2種を判断するのも避けましょう。参考資料の音声と聞き比べると、文字だけでは伝わりにくい違いを確かめられます。
写真でアオゲラかヤマゲラか迷ったときは?
背中しか写っていない写真では、緑色の濃さだけで区別するのは難しいものです。次の順番で、写っている部分を確認してください。
- 撮影した地域を確認する。本州・四国・九州などならアオゲラ、北海道ならヤマゲラを基本の候補にします。
- お腹の下側や脇の模様を見る。黒い横じまがはっきり写っていればアオゲラの手掛かりです。幹や翼で隠れている場合は、ほかの写真も確認します。
- 顔の横と頭を比べる。頬の下の赤い線、頭の赤い部分の位置を確認します。種類を絞ってから、オス・メスを見分けましょう。
暗い写真では赤色が黒っぽく見えたり、明るい写真では模様が薄く見えたりします。1枚で決めにくいときは、別の角度の写真や観察時のメモと照らし合わせると判断しやすくなります。
アカゲラ・コゲラなど、ほかのキツツキとの違い
「頭に赤色があるキツツキ」を探している場合は、背中が緑色なのか、白黒なのかも見てください。白黒の体で下腹部の赤色が目立つ鳥なら、アカゲラなども候補になります。色の違いは、アカゲラとアオゲラの違いと見分け方で比較できます。
スズメほどの大きさで、背中に白と褐色の横じまがある小さなキツツキならコゲラを確認しましょう。特徴や声は、コゲラの特徴・鳴き声・生息地にまとめています。
見た鳥の名前を広く調べたい場合は、日本のキツツキの種類と見分け方から候補を探せます。木の幹にとまっていたか分からず、緑色という印象だけが残っている場合は、緑色の鳥の一覧と見分け方も参考にしてください。
アオゲラとヤマゲラについてよくある質問
アオゲラは北海道にもいますか?
北海道はアオゲラの通常の生息域ではありません。北海道で緑色のキツツキを見た場合は、まずヤマゲラのお腹と顔の特徴を確認してください。
ヤマゲラは本州にもいますか?
日本の通常の生息域は北海道です。本州の林で見た緑色のキツツキなら、アオゲラを基本の候補にします。
アオゲラとヤマゲラのメスは何が違いますか?
成鳥のアオゲラのメスは、後頭部と頬の下に赤色があり、腹側に黒い横じまがあります。ヤマゲラのメスは頭に赤色がなく、頬の下の線は黒色、お腹はほぼ無地です。
頭が赤い緑色のキツツキはアオゲラですか?
ヤマゲラのオスにも額付近に赤い部分があります。頭の赤色だけでは区別せず、お腹の横じま・頬の下の線・見つけた地域を合わせて見分けます。
アオゲラとヤマゲラは大きさで見分けられますか?
アオゲラは全長約29cm、ヤマゲラは約30cmが目安で、ほぼ同じ大きさです。野外や写真では、サイズの差より模様と分布の違いを使うほうが分かりやすいでしょう。
迷ったら「お腹・顔・地域」の3つを確認
成鳥のアオゲラは、お腹の黒い横じまと頬の下の赤色。ヤマゲラは、ほぼ無地のお腹と黒い顎線。この違いに、本州・四国・九州などと北海道という分布の違いを重ねると、候補を絞りやすくなります。
種類が分かったら、頭の赤い範囲でオス・メスを確認しましょう。鳴き声や背中の緑色は補助に使い、写真に写った模様を一つずつ比べてみてください。