バンとオオバンの違いと見分け方
バンとオオバンは共にクイナ科に属する野鳥です。
共に留鳥や漂鳥として湖沼や河川などの水辺に好んで生息しており、同時に見られることも多い野鳥です。
名前の通りシルエットは非常によく似ていますが異なる点は多く、慣れればすぐに識別できるでしょう。
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見た目の違い
顔の違い
バンとオオバンには顔に特徴的な違いがあります。
バンとオオバン共に額には額板がありますが、色に違いがあります。
バンの額板は赤色をしており、オオバンは白色をしています。また、額板の大きさもオオバンの方が少し大きくなっています。
くちばしの色にも違いがあり、バンのくちばしは額板から赤色が続いており、くちばしの先だけ黄色になっています。
一方でオオバンのくちばしは、一見すると額板と同じ白色に見えますが、よく見ると薄いピンク色をしています。このピンク色には個体差があり、ほぼ白色だったり、双眼鏡などで見なければわからないものもいます。
また、赤と黄色のくちばしが特徴のバンですが、冬には赤みが薄くなるので注意が必要です。
背中の違い
バンとオオバンには背中の色や模様にも違いがあります。
体が黒一色のオオバンに対して、バンは背中が茶色くなっています。
バンの脇には白斑があり、横から見ると白い線が入っているように見えます。また、お尻の下尾筒と呼ばれる部分も両端が白くなっています。
お尻を上げて泳ぐことの多いバンはこの下尾筒の白色が非常によく目立ちます。
足の違い
バンとオオバンには足にも特徴的な違いがあります。
足に水かきのないバンに対し、オオバンには弁足と呼ばれる水かきがあります。弁足は普通の水かきの様に指の間にあるものではなく、足の指一本一本から木の葉のように広がっています。
足の色は共に黄緑色をしていますが、オオバンは冬に黒や灰色になるものもいます。また、バンの足の付け根は赤色をしていますが、羽に隠れて見られる機会は多くありません。
その他の違い
・大きさは名前の通り、バンよりもオオバンの方が一回り大きくなっています。
・単独や小群で行動していることの多いバンに対し、オオバンは冬になると大群を形成し、他の水鳥と混群を形成する場合があります。