キンクロハジロとスズガモの違いと見分け方
キンクロハジロとスズガモは共に海ガモ類の野鳥で、主に冬鳥として日本にやってきます。
2種とも冬に日本にやって来るカモの中でも数が多く、観察頻度も高いので識別ポイントをじっくりと確認できる機会も多い野鳥なので比較的簡単に見分けることができるようになるでしょう。
また、メス同士も非常によく似た野鳥なので、オスメス共に識別ポイントを押さえておきましょう。
見た目の違い
とてもよく似た2羽ですが、決定的な違いは冠羽の有無と背中の色です。
キンクロハジロには頭の後ろに冠羽があります。
頭の後ろに冠羽があればキンクロハジロでほぼ確定です。
また、キンクロハジロは背中が黒いため、スズガモに比べて全体的に黒く見えます。
一方スズガモはキンクロハジロのような冠羽はなく、背中は白から灰色で黒く細い線が入っています。
その他に細かな違いはキンクロハジロはよく見ると頭の色が紫がかっていて、スズガモは緑がかっています。
またメス同士もとてもよく似ており、
キンクロハジロのメスはオスと同じく後頭部に冠羽がありますが、オスほど長くなく双眼鏡などで見ないとわからないほど短い場合もあります。
お腹はオスと違って茶色のため、遠目から見ると全身真っ黒に見えます。
一方でスズガモのメスは冠羽がなく、くちばしの付け根に白い部分があるので、この2点でキンクロハジロのメスと見分けることができます。
ただし、まれにくちばしの付け根が少し白くなっているキンクロハジロのメスもいるので注意しましょう。
見られる場所・時期
キンクロハジロ、スズガモ共に、主に冬鳥として日本にやってきます。
キンクロハジロは湖沼から河口、海岸沿いなどで広い範囲で見られ、スズガモは主に河口や海岸沿いなど海で多く見られます。
基本的に海から遠い内陸部ではキンクロハジロ、海ではスズガモの可能性が高くなります。
淡水と海水の混ざる河口などの汽水域ではキンクロハジロとスズガモの混群がよくみられるので特に注意が必要です。
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