タヒバリとビンズイの違いと見分け方
タヒバリとビンズイは同じセキレイ科に属し、野鳥の中でも特に姿がよく似た2種として知られています。
シルエットは同じセキレイ科のハクセキレイなどともよく似ているので、遠目で見てハクセキレイと勘違いしてスルーしてしまう人もいるかもしれません。特に尾羽を振りながら歩く姿はほとんどのセキレイ科の野鳥に当てはまるので、注意が必要です。
とてもよく似たタヒバリとビンズイですが、識別ポイントや見られる時期、場所などの様々な違いを事前に把握しておけばフィールドで突然であっても見分けることができると思います。
姿の違い
タヒバリとビンズイを見分けるポイントといえば、ビンズイだけにある目の後方の白斑が有名です。
この白斑がはっきりしている個体はほぼビンズイで間違いありません。
ただし、この白斑も個体によっては不明瞭だったり薄かったりすることもあるので気をつけましょう。特にビンズイの若い個体は白斑がわかりづらいので注意が必要です。
白斑は小さく肉眼で確認するのは難しいので必ず双眼鏡などを使って確認するようにしましょう。
体色は一見同じように見えますがビンズイの方が背中が緑がかっています。色の濃い個体のビンズイはタヒバリに比べて明らかに背中が緑がかって見えるので注目してみてみましょう。
ただし、夕方や逆光など光の当たり具合によっては色は変わって見えるので、背中の色を確認する場合は昼間の順光の時以外はあまりおすすめできません。
また、夏羽のタヒバリは全体的に赤味がでてきます。タヒバリは基本的に冬鳥のため赤い夏羽を見る機会は少ないですが、渡る直前の4月あたりに見られるタヒバリは赤みががっているものもいるためビンズイとの識別は容易です。
見られる時期
タヒバリは主に冬鳥として日本に飛来します。ビンズイは夏には山林などので見られ、冬には平地に降りてくる標鳥として各地で観察されます。そのため、冬には両方観察することができるため識別が難しくなりますが、夏にタヒバリが見られることはほとんどないため、夏はビンズイの可能性がとても高くなります。
生息地
タヒバリは田んぼや草原、海岸など比較的開けた場所にいることが多く、地面でハクセキレイと一緒に採食している姿がよく見られます。特に周りに林などがない海岸や河川敷ではタヒバリの可能性がとても高いです。
一方で、ビンズイはタヒバリに比べて山地や林の中などにいることが多く、木の高い場所を飛び回っていることもあります。特に山地の林で見られるのはビンズイである可能性が高いでしょう。
ただし、注意が必要なのが冬の林が隣接する田んぼです。タヒバリ・ビンズイ共に好む環境であるため、両方観察できる可能性があります。
田んぼの他には林と開けた場所が混在する場所ではタヒバリ・ビンズイ共に見られる可能性があるので識別には特に注意が必要です。
また、タヒバリは開けた場所、ビンズイは林の中というのはあくまでも好む環境というだけであって、開けた場所にいるビンズイもいますし、林の中にタヒバリがいることもあります。
タヒバリとビンズイが観察できる場所は下記のページで紹介しています。