ヤブサメとウグイスの違いと見分け方
ヤブサメとウグイスは同じウグイス科の野鳥で、共に藪の中を好むため、姿を見るのが非常に難しい野鳥です。
生息地が被ることが多く、姿は見難い上に見た目が似ているため、間違われやすい野鳥ですが、いくつかのポイントを押さえておけば識別はそれほど難しくありません。
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見た目の違い
眉班の違い
ヤブサメとウグイスは、共に目の上に眉班と呼ばれる白い線があります。
ヤブサメの眉班が太く明瞭なのに対し、ウグイスの眉班は淡く見えます。
特にヤブサメの顔は横から見ると上から茶色・白色・こげ茶色の三本線のように見えます。
また、ヤブサメの眉班は長く、ウグイスよりも長く見える場合がほとんどです。
尾羽の違い
ヤブサメとウグイスには尾羽にも特徴的な違いがあります。
ヤブサメの尾羽は非常に短く、ウグイスの尾羽と比べるとはっきりと長さの違いが分かるほどです。
そのため、ヤブサメはウグイスに比べて全体的に丸っこい印象を受けます。
大きさの違い
ヤブサメはキクイタダキやミソサザイなどに次いで小さな野鳥です。野鳥の中でも最小の部類に入り、普段から野鳥を観察している人にはかなり小さく感じるでしょう。
ウグイスはスズメやシジュウカラなどの身近な野鳥とほぼ同じ大きさで、ヤブサメと比べると長い尾羽も相まって明らかに大きく見えます。
生息地の違い
ヤブサメは主に夏鳥として山地の下草が生えた林にやって来ます。
一方でウグイスは留鳥や漂鳥として平地から山地の藪がある場所に生息しています。
そのため両種が同じ場所で見られる可能性があるのは、春から夏の山地の下草が生えた林か、春か秋の渡りの時期の平地の林や公園などになります。
ウグイスの方が生息域が広いので、ヤブサメの生息地にはウグイスがいることが多くなります。
鳴き声の違い
両種ともさえずりは野鳥の中でもかなり特徴的で、ウグイスのさえずりは「ホーホケキョ」、ヤブサメのさえずりは「シシシシ・・・・」と聞こえるように鳴きます。
どちらのさえずりも、日本にいる野鳥で似ているものはいないので一番分かりやすい違いになります。
ただし、ヤブサメのさえずりは初めて聞く場合は虫の鳴き声に聞こえるで、虫の声と間違えないように要注意です。
地鳴きは両種とも「ジッジッ」や「チッチッ」と聞こえるように、特徴的なものではなく、地鳴きだけで特定するのは難しいでしょう。