ゴイサギの鳴き声は、夕方から夜に聞こえる「クワッ」「ゴァー」という声が目印です。成鳥は赤い目、黒っぽい頭と背中、灰色の翼が特徴。茶色い体に白い斑点がある幼鳥は「ホシゴイ」と呼ばれ、同じ種類でも成鳥とは大きく姿が違います。
夜の川から聞こえる声の正体を知りたい方も、池で見た丸い鳥や茶色いサギの名前を調べたい方も、まずは下の早見表で手がかりを照らし合わせてください。鳴き声、幼鳥、似たサギとの違いから、見られる場所や季節まで順に解説します。
ゴイサギかも? まずはここを確認

ゴイサギの鳴き声|夜に「クワッ」と鳴く鳥の正体
ゴイサギは「クワッ」「クワァッ」と、一声ずつ区切るように鳴きます。濁った声で、「ゴァー」「グァー」と表現されることもあります。夕暮れに水辺へ移動するときや、夜空を飛ぶときに聞こえやすい声です。
川や池の近くで、姿が見えないのに上空から声がしたら、飛んでいるゴイサギが候補になります。声の方向が少しずつ移動するか、短い声が間隔を置いて聞こえるかを確かめてみましょう。

| 手がかり | 確認すること |
|---|---|
| 鳴き方 | 「クワッ」「ゴァー」などの声を、一声ずつ区切って鳴く |
| 時間帯 | 夕方から夜に気づきやすい。昼にも鳴く |
| 声の位置 | 上空から聞こえ、飛ぶ鳥とともに方向が変わることがある |
| 周囲 | 川・池・水田などの水辺や、休息場所になる林がある |
夜に「ギャー」「グワッ」と鳴く鳥もゴイサギ?
聞こえ方には幅があるため、その可能性はあります。ただし、鳴き声を文字にした印象だけでは種類を決められません。「ギャーと鳴いた」という情報に、時間帯、声の長さ、周囲の環境、見えた姿を加えて判断します。
水辺から聞こえる声がゴイサギかアオサギか迷ったら、夜に『クワッ』『ギャー』と鳴く鳥の聞き分け方も参考になります。声の長さや、飛びながら音の方向が変わるかを合わせて比べましょう。
実際の音を確かめたいときは、記事末尾の鳴き声資料から録音を聞き比べてください。音源は室内やイヤホンで聞くと、落ち着いて声の長さや間隔を確認できます。
ゴイサギは夜だけ鳴く? 冬にも鳴く?
夜だけ、夏だけに鳴く鳥ではありません。四季を通じて鳴き、繁殖地では鳴き交わす声が聞こえることもあります。「夜に聞いた」は有力な手がかりですが、「昼に鳴いたから違う」と候補から外す必要はありません。
ゴイサギの幼鳥「ホシゴイ」|茶色い体と白い斑点が目印
ホシゴイは、ゴイサギの幼鳥や、幼い羽色の残る若鳥の呼び名です。別の鳥の種類ではありません。茶褐色の背中や翼にある白っぽい斑点を星に見立て、「ホシゴイ」と呼びます。

| 見るところ | 幼鳥・ホシゴイ | 成鳥 |
|---|---|---|
| 背中・翼 | 茶褐色に白っぽい斑点 | 黒っぽい背中と灰色の翼 |
| 胸・腹 | 淡い地色に褐色の縦斑 | 白〜淡い灰色 |
| 目の色 | 黄色系から、成長につれて変化 | 赤色 |
| 冠羽 | 成鳥のような長い白い羽は目立たない | 後頭部から細長い白い羽が伸びる |
ホシゴイはいつ見られる? 冬にもいる?
その年に巣立った幼鳥を見るなら、繁殖期の後半から夏・秋が目安です。ただし、成鳥の羽色になるまでには数年かかるため、冬にも茶色い羽や斑点の残る若鳥を見ることがあります。斑点が少なく、灰色の羽が混じる鳥も、成長途中のゴイサギかもしれません。
ホシゴイとササゴイの幼鳥はどう見分ける?
ササゴイの幼鳥も茶色っぽく、翼に白い模様があります。目が黄色いことも共通するため、黄色い目だけでササゴイと判断しないのがポイントです。
ホシゴイでは、翼や背中に比較的大きな点状の淡い斑が目立ちます。ササゴイでは、翼の羽の縁に沿った細い白い模様が手がかりになります。背中が葉や枝で隠れているなら、「模様がない」とは決めず、見える角度が変わるのを待ちましょう。
見た鳥がスズメほどの小さな茶色い鳥なら、サギ以外の可能性もあります。茶色い鳥15選|大きさと環境から名前を調べるも参考にしてください。
ゴイサギの成鳥の特徴|大きさ・赤い目・オスとメス
ゴイサギは全長約58cmで、カラスくらいの大きさのサギです。成鳥を見分けるときは、赤い目、黒っぽい頭と背中、灰色の翼、白っぽい腹の組み合わせを確認します。

| 和名 | ゴイサギ(五位鷺) |
|---|---|
| 学名 | Nycticorax nycticorax |
| 分類 | ペリカン目サギ科 |
| 全長 | 約58cm |
| 主な生息環境 | 川・池・湖沼・水田などの水辺 |
| 活動時間 | 主に夕方から夜。日中にも活動する |
| 幼鳥の呼び名 | ホシゴイ |
頭頂と背中の濃い色は、光の当たり方によって黒や紺、青緑を帯びた色に見えます。後頭部の細長い白い冠羽と、太めの黒っぽいくちばしも特徴です。暗い水辺では目の色が見えないことがあるので、背中と翼の色分けも見てください。

オスとメスは羽色で見分けられる?
ゴイサギは雌雄同色です。赤い目や白い冠羽はオスだけの特徴ではなく、野外で羽色だけから性別を見分けるのは難しい鳥です。茶色い個体は「メス」ではなく、まず幼鳥や若鳥の可能性を考えます。
ペンギンに似ている? 首が急に伸びるのはなぜ?
首を縮めて休むと、頭と胴体が一つの丸い形に見えます。濃い背中と白っぽい腹の配色も重なり、ペンギンのように感じるかもしれません。獲物を捕るときには首を伸ばすので、同じ個体でも体形の印象が変わります。
池の縁や枝で休む丸い鳥を見つけたら、長くとがったくちばし、脚、背中と翼の色も確認しましょう。水面に浮かんでいた鳥なら、白黒の鳥の種類と見分け方から、水鳥の候補を比べられます。
ゴイサギ・アオサギ・ササゴイの違い|大きさと羽色で比較
アオサギとの比較は大きさ、ササゴイとの比較は目の色と翼の模様から始めると整理しやすくなります。下の表は成鳥の目安です。幼鳥にはそのまま当てはめないでください。

| 鳥 | 全長の目安 | 見分ける手がかり |
|---|---|---|
| ゴイサギ | 約58cm | 赤い目。濃い背中と灰色の翼。首を縮めると丸い体形 |
| アオサギ | 約95cm | かなり大型。長い首と脚、灰色の背。成鳥の頭は白地に黒い線 |
| ササゴイ | 約52cm | 黄色い目。翼の羽に白っぽい縁取りがあり、笹の葉のような模様 |
アオサギとゴイサギの違い
アオサギはゴイサギよりずっと大きく、首と脚の長さが目立ちます。どちらも首を縮めることがあるため、丸い姿勢だけで区別せず、頭の模様と体全体の配色も比べてください。
若いアオサギは成鳥より頭や首が暗く見えます。茶色い斑点のあるホシゴイと迷ったら、アオサギの幼鳥とホシゴイの見分け方も確認してください。
ササゴイとゴイサギの違い
成鳥なら、ゴイサギの赤い目と灰色の翼に対し、ササゴイは黄色い目と細かな羽の縁取りが目印です。ただし、2種の大きさの差はアオサギほど大きくありません。離れた1羽を大きさだけで判断せず、目・翼・背中を重ねて見ます。詳しくは、ササゴイの特徴と幼鳥の姿をご覧ください。
ササゴイにも暗色の冠羽があります。「冠羽があるからゴイサギ」とは決められません。ササゴイとゴイサギの比較写真で、冠羽の色や翼の模様まで比べると違いが分かります。
3種の特徴に当てはまらない灰色の鳥なら、灰色の鳥18選|水辺・庭・公園での見分け方から候補を広げてみましょう。
海岸の岩場で、下面まで暗色のサギを見たらクロサギも候補です。ゴイサギの成鳥との配色の違いや、くちばし・脚の特徴は、クロサギと黒っぽい水辺の鳥の見分け方で比較できます。
ゴイサギは珍しい鳥? ホシゴイは希少なの?
身近な川や公園で見られる一方、国内では減少が懸念されている鳥です。昼間に茂みで休むことが多いため、いる場所でも気づきにくい面があります。

環境省の第5次レッドリストでは、ゴイサギは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に掲載されています。全国調査で記録地点が減少しており、見落とされやすい夜行性の習性も考慮した、注意深い調査が必要とされています。
ホシゴイは別の希少種ではなく、ゴイサギの若い姿です。「初めて見る茶色いサギだった」という場合は、珍しさを判断する前に、白斑や体形を確認して種類を確かめましょう。
ゴイサギはどこにいる? 生息地と東京の観察地
ゴイサギを探すなら、魚などを捕れる浅い水辺と、休める木や茂みが近くにある場所が手がかりです。川、池、湖沼、水田、用水路などを利用します。

| 環境 | 注目する場所 |
|---|---|
| 川・用水路 | 流れが緩やかな岸辺、浅瀬、低い枝 |
| 公園の池・湖沼 | 池の縁の樹木、水際の茂み、杭などのとまり場 |
| 水田 | 水のある田んぼや周辺の水路。採食している姿を探す |
| 水辺の林・竹やぶ | 枝の上で休む鳥や、夕方に出入りする鳥 |
東京でゴイサギが見られる場所は?
当サイトの生息地記事では、葛西臨海公園、不忍池、浮間公園、石神井公園、井の頭恩賜公園などの観察情報を紹介しています。見られる鳥や場所は季節や水辺の状態で変わるため、過去の記録を出発点に、訪問前の観察情報も確認してください。
| 観察地 | 探す手がかり |
|---|---|
| 葛西臨海公園 | 鳥類園の下の池や水際。観察窓から浅い場所を確認 |
| 不忍池 | ヨシなどの水辺の植物の周辺 |
| 浮間公園 | 池の杭・ブイと、小鳥の森の樹木 |
| 石神井公園 | 池の周囲の枝や水際の木々 |
| 井の頭恩賜公園 | 池の縁の低木や、七井橋周辺 |
東京以外の水辺も探したい方は、全国の探鳥地一覧から地域を選べます。
ゴイサギは冬もいる? 渡り鳥かどうかは地域で違う
ゴイサギは、冬にも見られる地域があります。日本では留鳥または夏鳥で、東北では主に夏鳥、それより南では一年を通して暮らす地域があります。

| 季節 | 注目したい姿や行動 |
|---|---|
| 春〜夏 | 繁殖期の成鳥。水辺と林の間を移動する姿 |
| 夏〜秋 | 巣立ったホシゴイや、親子の羽色の違い |
| 冬 | 越冬地の水辺や茂みで休む個体。若鳥がいることもある |
北海道や南西諸島にも繁殖・越冬の記録があります。「北の地域にはいない」「日本全国どこでも冬に会える」と一律に考えず、行きたい観察地の記録を調べるのが確実です。
ゴイサギは夜行性|昼間は木や茂みで休むことが多い
ゴイサギは主に夕方から夜に餌を探し、日中は水辺の林や茂みで休むことが多い鳥です。ただし、繁殖期などには昼間も活動します。明るい時間に歩いたり魚を捕ったりしていても、ゴイサギの可能性はあります。

昼に池の水面を見て見つからなかったら、岸辺の木陰や、枝の上で丸くなった鳥も探してみましょう。姿と色を観察したい場合は、明るさの残る夕方が一つの目安です。公園では開園時間内に観察します。
ゴイサギの食べ物|魚・カエル・ザリガニを捕る
主な食べ物は小魚です。ほかにカエル、ザリガニ、水生昆虫なども捕食します。水際でじっと待ち、獲物が近づくと首とくちばしを素早く伸ばして捕らえます。

同じ場所に長く立っているときは、くちばしの先と水面の動きに注目してください。ゆっくり歩きながら餌を探すこともあり、休息しているか、獲物を待っているかを動きから考えると観察が面白くなります。
田んぼで出会った鳥をまとめて調べたい方は、田んぼにいる鳥26種類|名前と見分け方へ。白いサギや水辺の小鳥も、見た姿から探せます。
ゴイサギの繁殖期とコロニー|木の上に集まる理由
ゴイサギは春から夏を中心に、林や竹林で集団繁殖します。繁殖のために鳥が集まる場所を「コロニー」と呼び、ゴイサギだけの集まりも、ほかのサギと混じる集まりもあります。

巣は小枝を組み合わせて作り、親鳥が子育てをします。木に何羽も集まっているときは、繁殖場所や休息場所が近くにあるのかもしれません。ただし、群れていることだけで、そこが繁殖地とは断定できません。
一緒にいる大型の灰色のサギは、アオサギの特徴・生息地・繁殖で確認できます。白いサギが混じっていたら、ダイサギ・チュウサギ・コサギの見分け方も役立ちます。
ゴイサギを見つける3つのコツ

- 水際を見たら、木や茂みも見る
浅瀬、杭、低い枝を探し、次に葉の奥を確認します。昼は水面だけを見続けると、休んでいる鳥を見落としがちです。
- 丸い体形を見つけてから、色と模様を確認する
成鳥なら背中と翼の色分け、幼鳥なら翼や背中の白い斑点を見ます。目の色は、よく見えるときに加える手がかりです。
- 夕方は動きと鳴き声にも注目する
水辺へ出てくる鳥や、上空の「クワッ」という声が発見につながります。見つけた位置から静かに観察しましょう。
休んでいる鳥を追い立てず、距離を保って観察してください。双眼鏡があれば、近づかずに目や翼の模様を確認できます。
ゴイサギの名前の由来|「五位鷺」と「夜烏」
ゴイサギは漢字で「五位鷺」と書きます。醍醐天皇の命に従っておとなしく捕らえられ、褒美として五位の位を授かった、という伝承が名前の由来として知られています。

また、夜にカラスを思わせる声で鳴くことから「夜烏(ヨガラス)」とも呼ばれます。夜空から聞こえる一声を覚えると、姿が見えないときにもこの鳥を思い浮かべやすくなります。
ゴイサギの鳴き声・幼鳥についてよくある質問
茶色いゴイサギはメスですか?
茶色い体に白い斑点があるなら、幼鳥・若鳥のホシゴイが候補です。成鳥はオスもメスもほぼ同じ羽色なので、茶色かどうかで性別は決められません。
ホシゴイとゴイサギは違う鳥ですか?
同じ種類です。ホシゴイは若いゴイサギの呼び名で、成長に伴い、茶色い斑点のある姿から、黒っぽい背中と灰色の翼を持つ姿へ変わります。
黄色い目のサギはササゴイですか?
ゴイサギの幼鳥も目が黄色系です。翼の白斑の形と背中の模様を確認し、ホシゴイの特徴と照らし合わせてください。
昼間に見たサギもゴイサギの可能性がありますか?
あります。主に夜行性ですが、日中に活動することもあります。時間帯だけで区別せず、体形と羽色を確認しましょう。
ゴイサギを見分けたら、生息地や似た鳥も調べてみよう
覚えておきたいのは、夜の「クワッ」、成鳥の赤い目と灰色の翼、ホシゴイの茶色い体と白い斑点です。迷ったら、まず成鳥か幼鳥かを考え、目と翼、背中の模様を組み合わせて確認してみてください。



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