ガビチョウは、よく響く複雑な鳴き声と、目の周りから後ろへ伸びる白い線が特徴の茶色い鳥です。「ウグイスに似た声なのに、次々と鳴き方が変わる」「藪から大きな声がするのに姿が見えない」ときは、ガビチョウが候補になります。
鳴き声をカタカナで表す例には「ヒョイヒーヒョイヒーギュルルチョイチリ」があります。ただし、鳴き方は多彩なので、一つのフレーズだけで判断せず、顔の模様や大きさも確かめましょう。

先に知っておきたい3つのポイント
- 鳴き声:長く変化に富むさえずりに加え、短い声や低く濁った声も出します。ほかの鳥の鳴きまねもします。
- ウグイスとの違い:ガビチョウは全長約20〜25cm。ウグイスより大きく、目を囲む白い輪と後方の白線が目立ちます。
- 「害」といわれる理由:在来の鳥との競合など、生態系への影響が懸念されています。日本では特定外来生物に指定されています。
ガビチョウの鳴き声は?カタカナ表現と聞き分け方
ガビチョウは、複雑な節を大きな声でさえずる鳥です。伸ばす音、細かく続く音、低く濁った音などを使い分けます。バードリサーチの聞き比べ資料では、うねるようなリズムも特徴として挙げられています。

鳴き声をカタカナで表すと、どんな音?
資料に載っている鳴き声の例を、聞くときの手がかりとしてまとめました。
| 声の例 | 聞くときのポイント |
|---|---|
| ヒョイヒーヒョイヒーギュルルチョイチリ | 長い節の中で、音の高さや調子が変わるかに注目します。 |
| ビュウビュウビュウ/ビィービィービィー/ジェッジェッ | 長いさえずり以外にも、短く続ける声があります。 |
| ビュッ/グルルゥ | 低く濁った声も、ガビチョウを考える手がかりになります。 |
上の2行は国土交通省の鳥図鑑、最後の行は日本野鳥の会の図鑑にある表現です。カタカナの聞こえ方には個人差があり、同じ個体でもいつも同じ声で鳴くわけではありません。文字と合わない音があっても、それだけで別の鳥と決めないようにしましょう。
実際の音を確かめたい方は、文末のガビチョウの鳴き声付き資料をご覧ください。カタカナを読んでから音を聞くと、声の変化をつかみやすくなります。
ガビチョウの鳴き声には、どんな意味がある?
鳥の声は「さえずり」と「地鳴き」に分けて考えると理解しやすくなります。一般に、さえずりは主に繁殖期の縄張りの主張や求愛に関わり、地鳴きは仲間への合図や警戒など、日常のさまざまな場面で使われます。
ただし、ガビチョウの一つの声と、その意味が一対一で決まっているわけではありません。「長く鳴くから必ず求愛」「濁った声だから必ず警戒」とは断定できません。近くに別の個体がいるか、移動中なのか、同じ枝で鳴いているのかも合わせて見ると、行動を考える助けになります。
ウグイスの鳴きまねもする?声だけで見分けられる?
ガビチョウは、ほかの鳥のさえずりをまねることがあります。ウグイスのような一節が聞こえたときも、その前後に違う節が続かないか、しばらく聞いてみてください。
ウグイス自身も「ホーホケキョ」のほか、「ケキョケキョ」を繰り返したり、地鳴きで「チャッ、チャッ」と鳴いたりします。声量の大きさだけでは区別できないため、姿が見えたら顔の白線を確認するのが確実な手がかりです。
ガビチョウとウグイス・メジロの違いは?似た鳥を比較
ガビチョウを見分ける決め手は、白いアイリングから後ろへ伸びる線です。茶色い体や白い目の縁だけでは、ほかの鳥と迷うことがあります。顔の模様、大きさ、体の色を組み合わせて比べましょう。

| 鳥 | 全長の目安 | 顔・体の違い |
|---|---|---|
| ガビチョウ | 約20〜25cm | 茶褐色の体。白いアイリングと、目の後ろへ伸びる白線。黄色いくちばし。 |
| ウグイス | 約14〜16cm | 一回り小さく、灰褐色〜オリーブ褐色。ガビチョウのような白い輪と長い白線の組み合わせはありません。 |
| メジロ | 約12cm | 上面は緑色。白いアイリングはありますが、そこから後ろへ長い白線は伸びません。 |
| ソウシチョウ | 約15cm | 赤いくちばし、黄色い喉、橙色の胸が目立ちます。 |
| ヒヨドリ | 約27cm | 灰色がかった体と茶色い頬。ガビチョウのような長い白線はありません。 |
| シロハラ | 約24cm | 大きさや地上での行動は似ますが、腹が白っぽく、目の後ろの長い白線はありません。 |
ウグイス・メジロと迷ったら「白線」と「体の色」
藪から出てきた茶色い鳥なら、まず横顔を見ます。目を囲む白い輪と長い白線がそろえばガビチョウが有力です。小さな緑色の鳥で、目の周りだけが白いならメジロを考えます。
ヒヨドリ・シロハラ・ソウシチョウと迷ったら
大きく鳴く鳥にはヒヨドリ、落ち葉の上で餌を探す鳥にはシロハラもいます。「大きな声」「地面にいる」という行動だけで判断せず、顔や腹の色まで見てみましょう。赤いくちばしと黄色い喉が見えたら、ソウシチョウも候補です。
姿を一瞬しか見られず、茶色いことしかわからない場合は、茶色い鳥の一覧を、大きさと見た場所から調べると候補を広げられます。
顔が広く白い・黒い鳥は、別のガビチョウ類かも
顔の白い部分が輪と線に収まらず広がっているなら、カオジロガビチョウの顔の模様と鳴き声を確認してみてください。顔の黒い部分が目立つ場合は、カオグロガビチョウの見分け方と鳴き声が参考になります。
ガビチョウの特徴と大きさ|白い目の模様を確認
ガビチョウは、スズメより大きく、ヒヨドリよりやや小さい鳥です。全体は茶褐色で、黄色いくちばしと、眉を描いたような白い顔の模様があります。暗い藪では体の色がわかりにくいため、明るい場所へ出たときの横顔が見分ける助けになります。

| 全長 | 約20〜25cm。日本野鳥の会の図鑑では24cm。 |
|---|---|
| 体と顔 | 茶褐色。白いアイリングと、そこから後ろへ伸びる白線。 |
| くちばし | 黄色。 |
| 行動 | 地上を走り、低い茂みで行動することが多い。 |
| 学名・分類 | Garrulax canorus。日本野鳥の会の図鑑ではスズメ目ソウシチョウ科。 |
| 日本での位置づけ | 飼い鳥が野生化して定着した外来種。特定外来生物。 |
「ガビチョウ」は漢字でどう書く?
漢字では「画眉鳥」と書きます。目の周りから後ろへ伸びる白い模様が、眉を描いたように見えることが名前の由来です。名前と横顔を一緒に覚えると、次に見たときも特徴を思い出しやすくなります。
ガビチョウはなぜ外来種?「害」といわれる理由
ガビチョウが問題とされるのは、在来の鳥との餌や生息場所の競合など、生態系への影響のおそれがあるためです。大きな鳴き声が暮らしの中で気になる場合もありますが、「生態系への影響」と「声がうるさいと感じること」は分けて考える必要があります。
日本にはどこから来た?外来種になった経緯
ガビチョウは中国南部から東南アジアなどを原産とする鳥です。日本では鳴き声などを楽しむために飼い鳥として持ち込まれ、逃げ出したり放されたりした個体が野外で定着したと考えられています。
「外来種」は人の活動によって本来の分布域の外へ持ち込まれた生きものです。そのうち、生態系などへの被害やそのおそれを理由に、法律で指定されたものが「特定外来生物」です。ガビチョウもこの指定を受けています。
どんな害がある?在来の鳥への影響は?
ガビチョウは昆虫や果実を食べ、低い茂みで暮らします。在来の鳥と餌や使う場所が重なることから、競合などの影響が懸念されています。環境省九州環境局の解説では、海外のハワイで、在来鳥類の減少の一因になったと考えられる例が紹介されています。
一方、日本でどの鳥に、どれほどの影響が出ているかは、地域ごとの調査を踏まえて判断する必要があります。ガビチョウが増えたように感じた、ウグイスの声を聞かなくなった、といった観察だけで因果関係を決めつけることはできません。
鳴き声がうるさいときは、どう考えればいい?
ガビチョウは声がよく響くため、家の近くで鳴くと気になることがあります。ただし、声の大きさだけではヒヨドリなどと区別できません。まず鳥の種類と、鳴いている場所を確かめましょう。生活に支障が続く場合は、個人の判断で捕獲や巣の撤去をせず、場所の管理者や自治体の担当窓口に相談します。
見つけたら駆除する?捕まえて飼育できる?
特定外来生物でも、一般の人が自由に捕まえたり、ペットとして持ち帰ったりできるわけではありません。野鳥の捕獲には鳥獣保護管理法、飼育・保管・生きたままの運搬などには外来生物法の規制が関わります。けが、ひな、巣などで対応に迷ったら、触ったり運んだりする前に管理者や自治体へ相談してください。
ガビチョウは日本のどこにいる?生息地・分布・季節
日本では東北から九州にかけての一部地域に定着し、低地から低山の藪や低木林で見られます。同じ地方や都道府県でも、どこにでもいる鳥ではありません。分布する地域と、隠れ場所になる低い茂みがあるかを合わせて考えましょう。

公園・里山・雑木林では、どんな場所にいる?
手がかりになるのは、低木の茂った林縁、竹林、藪のある雑木林です。公園でも、見通しのよい芝生より、隠れられる茂みのある場所に注目します。東京都八王子市で行われた研究では、二次林だけでなく、生垣や植栽林での営巣も確認されています。
声が近くても姿が見えないときは、立ち止まって目線を低くしてみてください。藪の下端や地面との境目を見ていると、移動する姿に気づくことがあります。
見られる季節は?冬もいる?渡りはする?
ガビチョウは定着性が強い留鳥で、定着地域では一年を通して見られます。春だけ日本へ渡ってくる鳥ではありません。季節によって葉の量や声の聞こえ方が変わるため、探し方を少し変えると見つける助けになります。

| 季節 | 探すときの手がかり |
|---|---|
| 春〜初夏 | さえずりが聞こえた方向の低い枝や、藪の縁を見ます。 |
| 夏 | 葉で姿が隠れやすいため、茂みのすき間や外へ出る動きに注目します。 |
| 秋〜冬 | 地上で動く鳥や小群に注目。落葉した場所では横顔も確認しやすくなります。 |
八王子市の2009〜2010年の調査では、繁殖活動は4〜7月が中心でした。これはその調査地での記録です。冬に声を聞かない日があっても、そこからいなくなったとは限りません。
ガビチョウの食べ物は?地面で何をしている?
ガビチョウは昆虫や果実などを食べる雑食性の鳥です。地上で餌を探すことが多く、落ち葉の間や茂みの根元を調べながら動きます。木の枝だけを探していると、すぐ下にいる鳥を見落とすこともあります。

落ち葉が動いたり、茶色い鳥が地面を横切ったりしたら、顔が見えるのを待ちます。シロハラも似た場所で餌を探すため、「落ち葉の上にいた」だけではガビチョウと決められません。
庭に来るのはなぜ?餌を与えてもいい?
庭に低木や落ち葉があれば、餌探しや移動の途中に現れることがあります。近くに来たことだけで、人に慣れているとは限りません。観察するために餌を置く必要はなく、鳥が自然に動く様子を少し離れて見てみましょう。
ガビチョウについてよくある疑問
ガビチョウは珍しい鳥ですか?
地域によって違います。定着した地域では身近に見られることがありますが、分布していない場所では普通には見られません。「日本全国で珍しい」「どこにでもいる」と一括りにはできない鳥です。
オスとメスは見分けられますか?
オスとメスは同じような羽の色をしており、見た目だけでの判別は難しい鳥です。白い眉模様があるからオス、茶色が薄いからメス、といった見分け方はできません。
ガビチョウは人懐っこい鳥ですか?
人の近くに出てきても、人懐っこいとは限りません。餌を探す場所や移動経路が、人のいる場所と重なっている場合もあります。触ろうとせず、距離を取って行動を見てみてください。
姿が見えなくても、鳴き声だけで判断できますか?
聞き慣れると声は有力な手がかりになりますが、短い一節だけでは迷うことがあります。前後の鳴き方と周囲の環境を確かめ、姿が見えたら白いアイリングと後方の白線を確認しましょう。
鳴き声・白い目の模様・大きさを合わせて確かめよう
ガビチョウを見分けるときは、よく響く変化の多い声を手がかりに、低い茂みや地面へ目を向けてみてください。茶色い体に、目を囲む白い輪と後ろへ伸びる白線が見えれば、判断しやすくなります。
声をもう少し比べるならウグイスの鳴き声の解説、名前を絞りきれないなら茶色い鳥の見分け方一覧へ。見つけた後の対応に迷う場合は、ガビチョウを見つけたときの対応を確認してください。
参考資料
- ガビチョウ(鳴き声付き)|BIRD FAN・日本野鳥の会
- ガビチョウ|国土交通省 山国川の鳥図鑑
- 似た声の鳥聴き比べ:ガビチョウとクロツグミ|バードリサーチ
- ガビチョウ|森林総合研究所 多摩森林科学園
- ガビチョウ|国立環境研究所 侵入生物データベース
- ウグイス(鳴き声付き)|BIRD FAN・日本野鳥の会
- メジロ|BIRD FAN・日本野鳥の会
- ヒヨドリ|BIRD FAN・日本野鳥の会
- シロハラ|BIRD FAN・日本野鳥の会
- 用語解説|千葉県立中央博物館 音の標本箱
- 東京都八王子市における移入鳥類ガビチョウの営巣場所と繁殖活動|日本鳥学会誌
- ソウシチョウ・ガビチョウの捕獲、飼養等の禁止について|環境省 九州環境局
- 特定外来生物等一覧|環境省


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