
野鳥観察は一年中楽しめます。関東の平地なら、冬は公園や池の冬鳥、春は林や干潟の渡り鳥、夏は林・ヨシ原の繁殖する鳥、秋は渡りの途中の鳥と冬鳥の到着が見どころです。
「今月はどんな鳥を探せる?」「公園・川・海のどこへ行けばいい?」。このページでは、1〜12月の代表的な鳥と探す環境、前月から変わる観察のポイントをまとめました。鳥の名前を選ぶと、特徴や鳴き声、生息地の詳しい解説へ進めます。
このカレンダーの対象:主に関東の平地の公園・河川・池・農耕地・海辺を想定しています。春〜夏のキビタキ・オオルリなどは、周辺の低山〜山地も含みます。月は観察計画の目安で、全国共通の飛来日や、その月だけに見られる鳥を示すものではありません。
野鳥が見られる時期の年間早見表

その月に注目したい鳥を3種類ずつ選びました。スズメやシジュウカラ、カルガモなど、地域によって一年中見られる鳥もいます。
| 月 | 代表的な鳥 | まず探す環境 |
|---|---|---|
| 1月 | ジョウビタキ・ツグミ・マガモ | 公園の林縁・芝生、池、流れの緩やかな川 |
| 2月 | メジロ・ツグミ・シロハラ | 花の咲く庭・公園、落ち葉のある林、芝生 |
| 3月 | ウグイス・ツバメ・ツグミ | やぶのある公園、川沿い、住宅地の上空、農耕地 |
| 4月 | キビタキ・オオルリ・チュウシャクシギ | 樹木の多い公園・低山の林、渓流沿い、河口・干潟 |
| 5月 | キビタキ・オオルリ・オオヨシキリ | 低山〜山地の林・渓流沿い、平地の川や湖沼のヨシ原 |
| 6月 | オオヨシキリ・カルガモ・コサギ | ヨシ原、池、川の浅瀬、水の入った田んぼ |
| 7月 | ツバメ・カルガモ・シジュウカラ | 川沿い、池のある公園、木陰の散策路、住宅地 |
| 8月 | キアシシギ・トウネン・コサギ | 干潟、河口、浅い水の残る田んぼ・湿地 |
| 9月 | キアシシギ・コサメビタキ・モズ | 干潟・河口、樹木の多い公園、農耕地の縁 |
| 10月 | ジョウビタキ・コガモ・キビタキ | 公園の林縁、庭、川・池、渡り鳥が立ち寄る林 |
| 11月 | ジョウビタキ・ツグミ・キンクロハジロ | 公園の林縁と実のなる木、庭、池・川 |
| 12月 | ツグミ・ルリビタキ・スズガモ | 公園の芝生、低地・丘陵の林、河口・内湾 |
バードウォッチングの季節|春・夏・秋・冬の見どころ

春(3〜5月):冬鳥の移動と夏鳥の到着
冬を過ごした鳥が移動し、ツバメやキビタキなどがやって来ます。林ではさえずり、干潟ではシギ・チドリの渡りが見どころ。渡りの途中に立ち寄る鳥は滞在が短い場合もあるため、同じ公園を日を変えて歩く楽しみがあります。
夏(6〜8月):繁殖する鳥と、身近な鳥の暮らし
葉の多い林では、まず声や枝の動きを手掛かりに探します。平地ならヨシ原のオオヨシキリ、池のカルガモ、川の上を飛ぶツバメも観察対象です。8月には一部のシギ・チドリの秋の渡りが始まり、暦の季節と鳥の動きは必ずしも一致しません。
秋(9〜11月):渡りの鳥が通過し、冬鳥が加わる
公園や干潟で渡り途中の鳥を探し、秋が深まるとジョウビタキやカモ類にも目を向けます。春と違って幼鳥や地味な羽色の個体にも出会うので、色に加えて体形・模様・動きを見比べましょう。
冬(12〜2月):公園の小鳥と水辺のカモ
落葉した木々は見通しがよく、鳥の姿を追いやすくなります。林、芝生、池がそろう公園なら、一度の散歩で異なる鳥を探せます。観察対象を具体的に選ぶなら、冬の庭・公園で探したい鳥6種類へ進んでください。
1月に見られる野鳥|冬の公園で、枝先・地面・池を見比べる

探す環境:公園の林縁・芝生、池、流れの緩やかな川。
前月からの変化:12月に続いて冬の鳥が主役。落葉した林では、鳥が動いた方向を追いやすくなります。
枝や柵にとまる小鳥、芝生で立ち止まる鳥、水面に浮かぶ鳥を順番に探しましょう。ジョウビタキは翼の白い斑、ツグミは胸のまだら模様、マガモのオスは緑色の頭と白い首輪が手掛かりです。地面だけに目を向けず、木の実が残る枝も確認します。
初めての冬の散歩には、服装・持ち物と冬のバードウォッチングの始め方も役立ちます。
2月に見られる野鳥|梅に来るメジロと、林の地面の冬鳥を探す

探す環境:花の咲く庭・公園、落ち葉のある林、芝生。
前月からの変化:1月の冬鳥観察に、花を訪れる鳥の観察を加えられる時期です。開花の時期は地域や年で変わります。
梅などの花を小さな緑色の鳥が移っていたら、目を囲む白い輪を探します。花に来たからウグイスとは限りません。林では落ち葉が動く音にも耳を澄ませ、シロハラなどが姿を見せるのを待ちましょう。晴れていても日陰は冷えるので、短いコースから始めると観察に集中できます。
3月に見られる野鳥|冬鳥を見送りながら、ツバメの到着を待つ

探す環境:やぶのある公園、川沿い、住宅地の上空、農耕地。
前月からの変化:2月よりさえずりを聞く機会が増え、早い地域ではツバメが見られ始めます。冬鳥もまだ残る移行期です。
ウグイスの声が聞こえても、枝先に姿を出すとは限りません。まず声のする方向のやぶを静かに見ます。ツバメは川や田畑の上を飛ぶ姿に注目。関東では3月下旬〜4月ごろを到着の目安にし、北の地域では遅れることも考えておきましょう。芝生のツグミも引き続き観察できます。
4月に見られる野鳥|公園の夏鳥と、干潟の渡り鳥を探す

探す環境:樹木の多い公園・低山の林、渓流沿い、河口・干潟。
前月からの変化:3月のツバメに加え、キビタキやオオルリなども渡来する時期。林と干潟の両方で顔ぶれが変わります。
キビタキやオオルリは、渡りの途中に市街地の公園へ立ち寄ることがあります。関東では4月中下旬ごろから意識して探し、木の枝の間を動く鳥やさえずりに注目しましょう。海辺では、下向きに曲がった長いくちばしを持つチュウシャクシギも候補。渡り途中の鳥は滞在が短く、前回と同じ場所でも出会いが変わります。
5月に見られる野鳥|林のさえずりと、ヨシ原の夏鳥を楽しむ

探す環境:低山〜山地の林・渓流沿い、平地の川や湖沼のヨシ原。
前月からの変化:4月の通過中の鳥を探す観察から、繁殖する環境で声を聞く観察へ軸を移します。
キビタキは林の中、オオルリは渓流沿いの木々を手掛かりに探します。平地で夏鳥を見たい日は、ヨシの茂る川沿いも選択肢です。オオヨシキリの大きな声が聞こえたら、茎の上部にとまる姿を探しましょう。繁殖場所で観察し、声を頼りにするほど、鳥が見える高さもつかみやすくなります。
山地の観察対象を広げたい方は、この夏に観察したい人気の夏鳥たちへ。
6月に見られる野鳥|葉の多い林では声、水辺では動きに注目

探す環境:ヨシ原、池、川の浅瀬、水の入った田んぼ。
前月からの変化:5月より葉や草が茂り、姿が隠れやすくなります。見通せる水面や浅瀬も観察先に加えます。
林で鳥を探しにくい日は、池のカルガモや浅瀬を歩くコサギを見てみましょう。カルガモの親子に出会うこともありますが、繁殖の進み方には差があります。水辺では泳ぐ、歩く、くちばしを水につけるといった動きを観察すると、鳥が何をしているのか分かってきます。白いサギは大きさだけでなく、くちばしと足先も確認します。
7月に見られる野鳥|短い朝の観察で、ツバメや身近な留鳥を見る

探す環境:川沿い、池のある公園、木陰の散策路、住宅地。
前月からの変化:6月までのにぎやかなさえずりが落ち着く鳥もいます。声の少なさだけで、鳥がいなくなったとは判断できません。
暑い日は早朝の短時間にし、ツバメが水辺で虫を追う姿や、木々を移動する小鳥を探します。巣立ち後の若い鳥は、図鑑の成鳥より色が淡かったり尾が短かったりします。シジュウカラも胸の線だけで急いで決めず、白い頬や体形を合わせて確認しましょう。親子や群れの動きを少し離れて見るだけでも、夏らしい観察になります。
8月に見られる野鳥|暑い盛りにも、シギ・チドリの秋の渡りが始まる

探す環境:干潟、河口、浅い水の残る田んぼ・湿地。
前月からの変化:7月の繁殖期の観察に、南へ移動するシギ・チドリを探す楽しみが加わります。
「秋の渡り」は涼しくなってからとは限りません。8月から干潟や湿地を確認すると、キアシシギやトウネンに出会う機会があります。広い水面だけでなく、水深が浅い縁や泥の出た場所を探しましょう。稲が高く茂る田んぼでは、水面が見える場所を選びます。海辺は木陰が少ないため、潮の時刻と暑さの両方を見て予定を立てます。
9月に見られる野鳥|干潟と公園で、秋の渡りの入れ替わりを追う

探す環境:干潟・河口、樹木の多い公園、農耕地の縁。
前月からの変化:8月の水辺の渡りに加え、林でも移動中の小鳥を探せます。モズの高鳴きも秋の手掛かりです。
公園では、枝にとまってから飛び出し、虫を捕って戻る小鳥を探します。コサメビタキなどは派手な色がないため、目の周り、くちばし、胸を順に確認しましょう。春ほどさえずりに頼れない場面では、枝から枝への動きが役立ちます。農耕地の縁で鋭い声が聞こえたら、見通しのよい枝先のモズも探してみてください。
10月に見られる野鳥|冬鳥はいつから?ジョウビタキとカモを探し始める

探す環境:公園の林縁、庭、川・池、渡り鳥が立ち寄る林。
前月からの変化:9月の秋の渡りが続く一方、冬を越す鳥も加わります。夏鳥と冬鳥の観察時期が重なる月です。
関東の平地では、10月ごろからジョウビタキを意識して、低い枝や柵、杭を見てみましょう。川や池ではコガモなどの渡来にも注目します。カモのオスには、まだ地味な羽色の個体がいるため、頭の鮮やかな色だけを頼りにしないことが大切です。林では移動途中のキビタキも候補になるので、「10月だから冬鳥」と決めつけず姿を確かめます。
11月に見られる野鳥|公園・川・池で冬鳥を探すなら、この3種類から

探す環境:公園の林縁と実のなる木、庭、池・川。
前月からの変化:10月より冬鳥を探す選択肢が広がります。ただし落葉や渡来の進み方は、その年と場所によって違います。
11月のバードウォッチングなら、まず枝先のジョウビタキ、木の実に集まるツグミ、池で潜るキンクロハジロを候補にしましょう。ツグミは到着直後には樹上で見つかることもあり、真冬のように芝生だけを探すと見落としがちです。池では、水面のカモが潜るかどうかを見てから、目の色や後頭部の冠羽を確認します。
公園で候補を増やしたい方は、庭・公園で見られる冬の鳥6種類もご覧ください。
12月に見られる野鳥|落葉した林と海辺で、冬の観察を広げる

探す環境:公園の芝生、低地・丘陵の林、河口・内湾。
前月からの変化:11月より林を見通しやすくなり、地面や低い枝を使う鳥を探しやすくなります。海辺では越冬するカモにも注目します。
芝生のツグミを見た後は、林の下層で動く小鳥を探してみましょう。ルリビタキは、青いオスだけでなく褐色の個体もいるため、尾の青みや脇の橙色を確認します。海に近い水辺ではスズガモが候補。遠い群れは一羽ずつ見比べ、背中や頭の形を確かめます。林と海辺では風の強さが違うので、行き先に合わせた防寒で出かけましょう。
公園・林・川・池・田んぼ・海辺|今の季節はどこを見る?

公園・庭:冬の枝と地面、春秋の木々を見比べる
冬はジョウビタキがとまる枝先や、ツグミが歩く芝生が手掛かりです。春と秋には渡り途中の鳥が加わることもあります。夏も身近な鳥は暮らしているので、葉の隙間や枝を移る動きを探しましょう。家の周りで見た鳥なら、庭に来る鳥19種類の名前と特徴で候補を確かめられます。
林:春夏は声、秋冬は見えた高さを手掛かりにする
春から初夏は、さえずりを聞いてから姿を探すと見つけやすくなります。秋冬には樹上だけでなく、林の地面や低いやぶにも目を向けます。夏の山地で見た鳥が冬は低地へ移動する例もあり、同じ鳥を探すときでも季節に合わせて環境を変えましょう。
川・池:秋冬のカモと、通年の水辺の鳥
秋から春はカモの種類を比べる楽しみがあります。夏にカモが減った水辺でも、カルガモやカワセミなどが候補です。川なら流れの緩い岸辺、池なら水際と水面を分けて見ます。泳ぐ鳥の名前は日本のカモ10種類と見分け方で確認できます。
田んぼ:月とともに、水深や稲の状態を見る
水の入った田んぼではサギ類、春秋には渡りのシギ・チドリが観察対象になります。ただし、どの田んぼでも同じように見られるわけではありません。水面や泥が見えるか、草が高く茂っていないかを確認し、通行できる道から観察します。
海辺・干潟:春秋はシギ・チドリ、冬は湾内のカモ
干潟では月に加えて潮位が大切です。水が引いて採食場所が現れる時間と、潮が満ちて鳥が休む時間で探す場所が変わります。大きく潮が引けば必ず近くで見られるわけでもありません。渡りのシギ・チドリを干潟・田んぼ・川で探すポイントを参考に、現地の潮の変化を確かめましょう。
北海道・東北・関東以西・沖縄で、見られる時期はどう違う?

鳥の時期は、緯度だけでなく標高、積雪、水面の凍結、鳥の種類によっても変わります。この表の地域差は大まかな傾向です。同じ県内でも、海沿いと山地では見られる鳥が異なります。
| 地域・環境 | カレンダーの読み替え方 |
|---|---|
| 北海道・東北の寒冷地 | 春の到着や繁殖の進み方が関東より遅い鳥もいます。冬は雪や結氷で地面・水面の条件が大きく変わるため、関東の冬の公園の例をそのまま当てはめません。 |
| 関東以西の平地 | 本記事の基本の読み方に近い地域ですが、太平洋側と日本海側、積雪の多い地域と少ない地域では、越冬する鳥や探しやすさが変わります。 |
| 低山・高原・山地 | 平地より季節の進み方が異なります。繁殖期は山地、冬は低地という鳥もいるため、月と標高を組み合わせて確認します。 |
| 沖縄・南西諸島 | 本州と留鳥・夏鳥・冬鳥の区分が異なる鳥や、独自の分布を持つ鳥がいます。本記事の月を一律にずらすのではなく、地域ごとの記録と鳥種解説を確認します。 |
「冬に見る鳥」が、すべて冬鳥とは限らない
留鳥はある地域で一年を通して見られる鳥、夏鳥は主に繁殖期に訪れる鳥、冬鳥は主に冬を過ごしに訪れる鳥です。旅鳥は春秋などの渡りの途中に通過・滞在する鳥を指し、国内で季節移動をする鳥を漂鳥と呼ぶこともあります。区分は地域によって変わるため、鳥の名前と観察した場所を一緒に考えましょう。
たとえばルリビタキは、関東の低地では冬の観察対象でも、繁殖期は主に山地の鳥です。キビタキも、春秋に公園で見たからといって夏も同じ公園にいるとは限りません。見られる場所の変化は、ルリビタキの生息地やキビタキの見られる時期・生息地で確認できます。
野鳥が見られる時期について、よくある質問

冬鳥はいつから、いつまで見られますか?
関東の平地では、おおむね秋から翌春が目安です。ジョウビタキは10月ごろから3〜4月ごろまで、ツグミは秋に渡来して春まで見られますが、種類や年で前後します。カモ類にも早くから渡来する種類があるため、一斉に冬鳥の季節が始まるわけではありません。初めて探すなら、落葉が進んだ12〜2月の公園や池も選びやすい環境です。
11月にバードウォッチングをするなら、どこがおすすめですか?
初めてなら、樹木と池がある公園が候補です。林縁でジョウビタキ、実のなる木でツグミ、池でカモ類を探せます。海辺へ行く場合は河口や内湾の水鳥に注目。11月の野鳥と探し方から見たい鳥を選んでください。
夏は野鳥が少ないのですか?
冬鳥がいなくなる平地では種類が変わり、葉が茂って姿が隠れるため、少なく感じることがあります。繁殖期が進むとさえずりが減る鳥もいます。平地ではツバメやヨシ原の鳥、山地では林の夏鳥というように、環境と時間帯を変えて探してみましょう。
カワセミは何月に見られますか?
カワセミは、関東の平地では一年を通して観察できる鳥です。池や川で小魚を狙える枝や杭、水際を探します。寒冷地などでは季節によって移動するため、全国どこでも通年という意味ではありません。詳しくはカワセミの見られる季節・時間帯と探し方をご覧ください。
鳥の名前が分からなくても、このカレンダーは使えますか?
使えます。見た月と環境から候補を選び、大きさ、顔・翼・尾の模様、動きを確かめてください。候補が見つからなければ、色・大きさ・動きから鳥の名前を探すガイドへ。2種類で迷ったら、似ている野鳥の比較記事一覧で違いを確認できます。
今月の鳥を1種類選んで、いつもの場所を歩いてみよう

最初から多くの種類を覚えなくても大丈夫です。今月の候補を1種類選び、枝・地面・水面のどこを探すか決めるだけで、散歩の見方が変わります。日付、環境、見えた特徴を残しておけば、翌月や翌年の変化も楽しめます。
参考資料


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