ツバメとイワツバメを見分けるなら、まず「腰の色」「尾の形」「のどの色」を確認しましょう。ツバメは腰が黒く、成鳥の尾は深く二股に分かれ、のどは赤褐色。イワツバメは腰が白く、尾が短く、のどからお腹が白っぽいのが特徴です。
巣にも違いがあります。ツバメは上が開いたおわん型、イワツバメは上部まで覆われ、小さな出入り口がある形です。「飛んでいて分からない」「小さくて尾が短い」「橋の下の巣はどちら?」というときの確認ポイントを、写真と比較表で紹介します。

※掲載写真の一部は写真ACの写真を使用しています。
ツバメとイワツバメの違い早見表
最初は、飛んだときに目立つ腰の白さと、止まったときに見やすいのどの色を覚えると、観察しやすくなります。
| 比べるところ | ツバメ | イワツバメ |
|---|---|---|
| 腰の色 | 黒い。背中から暗い色が続く | 白い部分が目立つ |
| 尾の形 | 成鳥は両端が長く、深い二股 | 短く、二股の切れ込みが浅い |
| のどの色 | 赤褐色 | 白っぽい |
| 全長の目安 | 約17cm | 約14cm |
| 足 | 黒っぽく、指の表面が見える | 足や指に白い羽毛がある |
| 完成した巣 | 上が開いたおわん型 | 上部も覆われ、出入り口が小さい |
| 巣を作る場所の例 | 人家や商店の軒下など | 橋の下、ビル、岩壁など。集団で営巣する |
尾の特徴は主に成鳥の目安です。ツバメの幼鳥も尾が短いため、尾だけでイワツバメと決めず、腰とのども見てください。
腰・尾・のどの見分け方
腰が白いのはイワツバメ、黒いのはツバメ
腰とは、背中側にある尾の付け根付近です。イワツバメはこの部分に白いまとまりがあり、黒っぽい背中や翼との境目がはっきり見えます。ツバメには、同じような白い腰の模様はありません。

飛んでいる鳥が向きを変えると、背中側が一瞬見えることがあります。そのときに白い腰が見えたら、イワツバメを候補にしましょう。ただし、ヒメアマツバメも腰が白いため、最後にお腹の色も確認します。
尾が長く深い二股ならツバメ、短く浅い二股ならイワツバメ

成鳥のツバメは尾の両端が細長く伸び、いわゆる「燕尾」が目立ちます。イワツバメも尾は二股ですが、ツバメほど長く伸びず、切れ込みも浅く見えます。
ツバメでは一般にオスのほうがメスより尾の先が長く、幼鳥ではさらに短くなります。また、尾を閉じていると形が分かりにくいので、一瞬のシルエットだけで判断しないことが大切です。
のどが赤褐色ならツバメ、白っぽければイワツバメ

ツバメは額とのどに赤褐色の部分があります。一方、イワツバメののどは白っぽく、胸やお腹まで明るく見えます。電線などに止まった姿で、顔の下を確認すると違いをつかみやすいでしょう。
電線にとまる鳥を見分けるときは、電線にいる鳥12種類の見分け方で大きさ・姿勢・群れ方も確認してみてください。
ただし、逆光では赤褐色が黒っぽく見えることがあります。「赤く見えなかった」だけでは決めず、明るい向きから見えた色を、腰や尾の特徴と照らし合わせてください。
巣の違い:ツバメはおわん型、イワツバメは入り口が小さい
完成した巣の上側が開いているかどうかが、両種の巣を比べるポイントです。どちらも泥を使いますが、出来上がった形が異なります。

ツバメの巣は上が開いたおわん型
ツバメは人家や商店の軒下などに、泥を積み重ねたおわん型の巣を作ります。上側が広く開いているため、ヒナが育つと、縁から顔を出す姿が見えることがあります。
イワツバメの巣は上部まで覆われた形
イワツバメの巣は天井側まで覆われ、鳥が出入りする小さな穴が残ります。橋の下やビルなどに、複数の巣が並んでいることもあります。
作りかけや壊れた巣では、本来の形が分からない場合があります。また、出入り口が細長く伸びたとっくり型ならコシアカツバメも候補です。巣の形と、出入りしている鳥の姿をセットで確認しましょう。
飛んでいるツバメとイワツバメの見分け方
飛ぶ速さや高さは状況によって変わります。「低い場所を飛ぶからツバメ」「高い場所だからイワツバメ」と決めるより、見えた角度に合わせて確認する場所を変えるのがおすすめです。
- 背中が見えたら、腰の白さを見る。尾の付け根に白い部分が目立つならイワツバメの手がかりです。
- シルエットが見えたら、尾の両端を見る。長く伸びていれば成鳥のツバメを考えます。
- 下から見えたら、のどとお腹を見る。のどが赤褐色か、下面が白っぽく続いているかを確認します。
真下からは背中側の腰が見えません。旋回する瞬間や、止まったときに確認し直すと、見間違いを減らせます。遠くの鳥で色が分からないときは、見えなかった部分を無理に補わず、次に見える機会を待ちましょう。
尾が短い鳥はツバメの幼鳥かも|小さいだけでは決めない
「尾の短いツバメを見た」という場合、イワツバメだけでなく、巣立ち後のツバメの幼鳥も考えられます。ツバメの幼鳥は外側の尾羽が短く、成鳥ほど体の光沢やのどの赤褐色が目立ちません。くちばしの付け根や口角に黄色みが見えることもあります。
尾が短くても、イワツバメのような白い腰があるかどうかを確認してください。のどの色が淡くて分かりにくいときも、尾・腰・顔の特徴を合わせて見ると判断しやすくなります。
見かけの大きさは距離によっても変わるので、「小さいからイワツバメ」とは限りません。短い尾を見つけたら、次は腰を見る、と覚えておくと便利です。
大きさ・足・鳴き声の違いも確認
大きさはツバメが約17cm、イワツバメが約14cm
全長の目安はツバメが約17cm、イワツバメが約14cmです。全長はくちばしの先から尾の先までの長さなので、尾の長さも含みます。イワツバメは小柄ですが、別々の距離を飛ぶ鳥のサイズ比較は難しいため、補助的な目安にしましょう。
イワツバメの足や指には白い羽毛がある

イワツバメの足や指には白い羽毛が生えています。ツバメの黒っぽい足と比べると、白くふわっとした印象になります。飛んでいる最中には見えにくいので、足がよく写った写真などで確かめるとよいでしょう。
鳴き声は姿と合わせて聞く
ツバメは短く「チュピッ」などと鳴き、さえずりでは最後に濁った音が続きます。イワツバメの声は「ジュルッ」「チュビッ」などと表されます。
声の文字表現には幅があり、両種とも似た音に聞こえることがあります。鳴き声だけで即断せず、声を出している鳥の腰や尾も確認すると確実性が高まります。
ツバメとイワツバメが見られる場所・時期
どちらも日本では主に夏鳥として見られ、春から夏の繁殖期に身近な場所でも観察できます。ツバメは住宅地や農耕地、水辺などで見られ、イワツバメは河川周辺や市街地、山地などで見られます。
イワツバメは橋や大きな建物に集団で巣を作るため、同じ場所を何羽も飛び交う様子が手がかりになります。ただし、ツバメと同じ場所で飛ぶこともあるので、場所だけで種類を決めないようにしましょう。一部には越冬する個体もおり、冬に見たという理由だけでは除外できません。
ヒメアマツバメ・コシアカツバメとの違い
腰が白くても、お腹が黒っぽければヒメアマツバメも候補
ヒメアマツバメも腰が白い鳥ですが、イワツバメと違って胸からお腹が黒っぽく、翼が細長く見えます。白い腰だけを手がかりにせず、「腰が白い+お腹も白っぽい」かどうかを確認してください。
ヒメアマツバメは名前にツバメと付いていても、ツバメ科ではなくアマツバメ科の鳥です。見られる環境については、ヒメアマツバメの生息地と探す際のポイントで紹介しています。
腰が赤褐色で、お腹に細い縦線があればコシアカツバメ
コシアカツバメは腰が赤褐色で、のどからお腹に細い縦線があります。巣は出入り口が長く伸びたとっくり型。イワツバメの白い腰や、ツバメの上が開いた巣と比べると違いが分かります。
ほかにも見分けに迷う鳥がいたら、似ている野鳥の違いと見分け方の一覧から、比べたい鳥を探してみてください。
ツバメとイワツバメの見分け方でよくある疑問
お腹が白いツバメはイワツバメですか?
お腹の白さだけでは判断できません。ツバメもお腹は白っぽいため、のどが赤褐色か、腰が白いかを確認します。お腹と腰は体の別の面にあるので、見ている位置にも注意しましょう。
尾が短いツバメは全部イワツバメですか?
いいえ。ツバメの幼鳥も尾が短く、メスはオスより尾の先が短い傾向があります。白い腰とのどの色を合わせて確認してください。
橋の下に巣があればイワツバメですか?
イワツバメは有力な候補ですが、橋という場所だけでは決まりません。完成した巣の形と、出入りする鳥の腰・尾・のどを見ます。入り口が長く伸びた巣ならコシアカツバメも考えられます。
イワツバメはツバメの子どもですか?
別の種類です。どちらもツバメ科ですが、イワツバメは成鳥になっても尾が短く、腰が白いという特徴を持っています。
迷ったら「腰・尾・のど」の3点を確認
ツバメとイワツバメの識別は、一つの特徴を見て決めるよりも、見えた特徴を組み合わせるのが近道です。背中が見えたら腰、横や下から見えたら尾とのどを確認しましょう。巣を見つけたときは、上が開いたおわん型か、上部が覆われた形かも手がかりになります。
身近な場所で見つけた別の鳥も調べたい方は、庭に来る鳥の写真と特徴も参考にしてください。