カワウの見分け方|ウミウ・ヒメウとの違いと羽を広げる理由

水面を泳ぐカワウ成鳥の全身。長い首、尾、鉤状のくちばしがわかる淡い色鉛筆画
カワウは長い首、鉤状のくちばし、黒褐色の羽が特徴です。

川や池で、首の長い黒い鳥が潜ったり、杭の上で羽を広げたりしていませんか。その鳥は、魚を捕るのが得意なカワウかもしれません。

カワウを見分ける第一歩は、長い首と、先が鉤状に曲がったくちばし。よく似たウミウとは、顔を真横から見て、くちばしの付け根にある黄色い部分の形を比べます。ヒメウとの違いは、首・くちばしの細さや顔の模様が手がかりです。

この記事では、カワウの特徴から、ウミウ・ヒメウとの違い、幼鳥の見た目、羽を広げる理由までを整理します。「川にいる黒い鳥の名前を知りたい」という方も、まずは体形と顔つきを確かめてみましょう。

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カワウとは?長い首を持つ大型の黒い水鳥

水面を低く泳ぐカワウ。長い首、尾、黄色いくちばしの付け根が見える色鉛筆画
水面に低く浮かぶ体と、長い首・尾に注目。

カワウは、漢字で「河鵜」と書くウ科の水鳥です。全長はおよそ80〜85cm。黒っぽい体に長い首と尾を持ち、泳いでいるときは胴体が水面に低く沈んで見えます。

名前・学名 カワウ(河鵜)/Phalacrocorax carbo
大きさ 全長約80〜85cm
見た目 黒〜黒褐色の体、長い首と尾、先が鉤状のくちばし
主な環境 川、湖沼、河口、内湾など
食べ物 主に魚類

遠くからは真っ黒に見えても、明るい場所では背中や翼に褐色味が見えることがあります。くちばし全体が黄色い鳥と覚えるより、付け根付近に黄色い皮膚の部分があると覚えると観察しやすくなります。

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カワウとウミウ・ヒメウの違いは?

左からカワウ、ウミウ、ヒメウの顔を比べた色鉛筆画。各鳥の名前が記されている
左からカワウ、ウミウ、ヒメウ。顔の模様や口角を比べて見分けます。

ウミウとの見分け方は、口角の形から

カワウとウミウは姿がとてもよく似ています。最初に確かめたいのは、くちばしの付け根にある黄色い裸出部、つまり羽毛に覆われていない皮膚の形です。口角側が鋭く尖りにくいのがカワウ、三角形に尖って見えるのがウミウです。

見るところ カワウ ウミウ
黄色い部分の口角側 尖らず、角度が広い傾向 三角形に鋭く尖る傾向
頬の白い部分 目の後ろへほぼまっすぐ延びる 目の後ろから斜め上へ広がる
成鳥の背・翼の光沢 褐色味が手がかり 緑色味が手がかり

ウミウの幼鳥や繁殖羽も含めて比べたい方は、ウミウとカワウの違いと見分け方をご覧ください。口元の黄色い部分、頬の白さ、背や翼の特徴を比較できます。

顔が斜めを向くと、口角の形が違って見えることがあります。鳥が横を向いたときに確認し、頬の白い部分も合わせて判断しましょう。羽の光沢は光の当たり方に左右されるので、補助的な手がかりにします。

「川だからカワウ、海だからウミウ」とは限りません。カワウは海にも生息し、ウミウも河口や内陸の水域で見られることがあります。場所だけで名前を決めず、顔の特徴を確認することが大切です。

ヒメウとの違いは、細い首と顔の模様

ヒメウはカワウより小さめで、首やくちばしが細く見えます。冬の個体では顔が黒っぽく、カワウのような黄色い付け根と白い頬の組み合わせが目立ちません。

ただし、ヒメウも繁殖期には顔に赤みが出て、体の脇に白い部分が現れます。「一年中、全身が真っ黒」とは覚えず、季節と体形も合わせて見ましょう。海岸での探し方は、ヒメウが見られる生息地と探す際のポイントで紹介しています。

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カワウの幼鳥はお腹が白い?成鳥との違い

水面を泳ぐカワウの成鳥と幼鳥。成鳥は黒い首、幼鳥は茶褐色で胸が淡い
左が成鳥、右が幼鳥。幼鳥は茶色味が強く、胸やお腹が淡く見えることがあります。

カワウの若い個体は、全体に茶色味が強く、胸からお腹にかけて白っぽい部分が見られることがあります。黒い成鳥の群れに、淡い色の鳥が混じっていても、すぐに別の種類とは限りません。

白い部分の広さには個体差があるため、お腹の白さだけで年齢や種類を断定しないようにしましょう。長い首、くちばしの形、顔の模様を順に確かめると、判断の材料が増えます。

頭や脚の付け根が白い成鳥もいる

繁殖期のカワウには、頭部や腰付近に白い羽が現れます。若鳥のお腹の白さとは異なる変化です。「どこが白いのか」を記録すると、季節による姿の違いにも気づけます。

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カワウが羽を広げる理由は、濡れた翼を乾かすため

水辺の岩の上で左右の翼を広げて乾かすカワウの色鉛筆画
潜水後、翼を広げて乾かすカワウ。

カワウが杭や岩の上で両翼を広げているのは、潜水で濡れた翼を乾かす行動として知られています。魚を探して潜ったあと、水から上がって翼を開く姿が見られます。

翼を広げる場面だけを見るより、「潜る」「浮かぶ」「岸や杭へ上がる」「翼を開く」という行動の前後を追ってみると、何をしているのか理解しやすくなります。

なお、翼を広げている姿だけでカワウとは決められません。ウミウなども同じような姿勢をとるため、種の識別には顔や体形の確認が必要です。

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カワウの食べ物・鳴き声・見られる季節

水中で捕った魚をくちばしにくわえたカワウの色鉛筆画
カワウは潜水して魚を捕らえます。

何を食べる?水中に潜って魚を捕る

カワウは魚を主な餌にし、水かきのある足で泳ぎながら水中を追いかけます。川ではコイやフナ、河口や海ではボラなど、利用する水域に応じた魚を捕らえます。

水面に浮かび上がってから魚を飲み込む姿が見られることもあります。一度潜った場所だけを見続けず、少し離れた水面まで目を向けるのが観察のコツです。

どんな声?「グワッ」「グルル」と聞こえる低い声

カワウは「グワッ、グワッ」「グルル」と表される低い声で鳴きます。繁殖地では声を聞く機会がありますが、水辺で休んでいる個体がいつも鳴いているわけではありません。鳴かなかった場合も、姿から確認できます。

渡り鳥?一年中見られるが、季節によって移動する

日本のカワウは基本的に留鳥で、一年を通して見られる地域があります。ただし、同じ水辺に同じ数がずっといるわけではなく、季節によって餌場やねぐらを変えます。

「冬になると川で増えた」「夏には別の水域で見かけた」という変化も観察の手がかりです。カワウには集団で休息・繁殖する習性があり、繁殖の時期は地域によって異なります。

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川にいる黒い鳥はカワウ?オオバン・カイツブリと比較

水面のカワウ、白いくちばしのオオバン、小さなカイツブリを比べる色鉛筆画
左からカワウ、オオバン、カイツブリ。大きさと首・くちばしの形を比較。

黒っぽい水鳥が泳いでいても、カワウとは限りません。顔がよく見えるなら、くちばしの色と首の長さから候補を絞れます。

鳥の名前 見分ける手がかり
カワウ 大きな体と長い首。くちばしは細長く、先が鉤状
オオバン 首はカワウほど長くない。成鳥は白いくちばしと白い額が目立つ
カイツブリ ずっと小さく、丸みのある体と短い首。頻繁に潜る

白いくちばしが目立つ鳥なら、オオバンの特徴と見分け方を確認してください。小さく丸い鳥が何度も潜る場合は、カイツブリの特徴・鳴き声・冬羽が役立ちます。

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カワウを見分けるための観察手順

水面を泳ぐカワウの横顔と、遠くから双眼鏡で観察する人の色鉛筆画
横顔と全身の特徴を順に確認すると、見分けやすくなります。
  1. 全身を見る。首と尾の長さ、体の大きさ、泳ぐ姿勢を確認します。
  2. 横顔を見る。くちばしの先と、付け根にある黄色い部分の形を確かめます。
  3. 白い部分の位置を見る。頬、頭、お腹、脚の付け根を分けて記録します。
  4. 行動の前後を見る。潜水後にどこへ移動し、どんな姿勢で休むかを追います。

写真で確認するときも、横顔と全身の両方があると判断しやすくなります。遠すぎて顔が見えない場合は、無理に名前を決めず「ウの仲間」として、確認できた特徴を残しましょう。

カワウのオスとメスは見分けられる?

オスとメスの羽色はよく似ています。オスはメスより大きい傾向がありますが、野外で大きさだけから性別を決めるのは困難です。

カワウはカラスの仲間?

カワウはウ科で、カラス科の鳥ではありません。黒い羽色が共通していても、首やくちばしの形、泳ぎや潜水の行動を見ると違いがわかります。

次の水辺では、横顔と行動に注目

カワウは「大きな黒い水鳥」という印象から一歩進んで、横顔と動きを見ると面白くなる鳥です。ウミウとの口角の違い、ヒメウとの体形の違い、幼鳥のお腹の色を意識して、見つけた一羽を確かめてみてください。

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参考資料

水辺のカワウ、無地の観察ノートと鉛筆を描いた淡い色鉛筆画
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