ハシボソガラスとハシブトガラスの違いと見分け方
ハシボソガラスとハシブトガラスは日本で見られるカラスの中でも最も観察機会の多いカラスです。
一見すると非常によく似た両種ですが、識別ポイントは多いので慣れてくれば肉眼でも瞬時に判断することができるでしょう。
両種とも数が多く生息範囲も広いので同時に見られることも多々あり、混群を形成している場合もあるので識別ポイントはしっかりと押さえておきましょう。
見た目の違い
大きさの違い
大きさはハシボソガラス<ハシブトガラスで、ハシブトガラスの方がほんの少し大きくなっています。
ただし、元々体の大きな2種は並んだ時にハシブトガラスの方が少し大きいと感じる程度なので、単体でいるときは大きさで判断するのは控えた方がいいでしょう。
くちばしの違い
ハシボソガラスとハシブトガラスの最も簡単な識別ポイントはくちばしの太さになります。
名前の通りハシボソガラスの方が小さくて細く、ハシブトガラスの方が大きくて太くなります。ハシボソガラスのくちばしは上のくちばしが少し大きいくらいでほぼ同じ見え、ハシブトガラスのくちばしは2対1ぐらいで上のくちばしの方が大きくなっています。
少し見慣れればくちばしだけで判断できるほどなので、くちばしの違いはしっかりと押さえておきましょう。
おでこの違い
ハシボソガラスとハシブトガラスの違いとして有名な識別ポイントにおでこの違いがあります。ハシボソガラスはおでこが平らのように見え、ハシブトガラスは直角に近く見えます。
このおでこの違いは非常に有名な識別ポイントですが、個体差や観察状況による違いが激しく以下の写真の様におでこが平らに見えるハシブトガラスもいます。
反対にハシボソガラスのおでこが直角に近く見えることもあるので、要注意です。
おでこの違いは有名な識別ポイントですが、あくまでも他の識別ポイントと併せて判断するに止めた方がいいでしょう。
生息地の違い
一般的に都会派のハシブトガラス、自然派のハシボソガラスと言われていますが、より都市部に適応したのがハシブトガラスなので都市部以外では両種とも普通に見られます。
特に大きな河川の近くや郊外の農耕地などでは両種が同時に見られることが多いので、それらの場所で識別の練習をするといいでしょう。
鳴き声の違い
一般的にハシボソガラスは「ガァー、ガァー」と濁った声で鳴き、ハシブトガラスは「カァー、カァー」と濁りの少ない声で鳴きます。
猛禽類と争っている時などは鳴き方も変わってくるので、まずは1羽で鳴いている時などに観察して鳴き声を覚えるといいでしょう。
オナガやカケスなど同じカラス科の野鳥も両種と似たような声で鳴くので、必ず鳴いている姿が見えるときに鳴き声を覚えましょう。