ヒヨドリとイソヒヨドリのメスの違いと見分け方
ヒヨドリとイソヒヨドリは名前がよく似ていますが、ヒヨドリはヒヨドリ科、イソヒヨドリはヒタキ科に分類される野鳥です。共に留鳥として生息している地域が多く、一年を通して観察することができます。
イソヒヨドリのオスは青とオレンジ色の派手な見た目をしており、ヒヨドリとは似ても似つきませんが、イソヒヨドリのメスは全身が灰色をしており、ヒヨドリと見た目が少し似ています。
最近ではイソヒヨドリの生息域が広がっていることにより、同時に見られる機会も増えているので、識別ポイントはしっかりと押さえておくといいでしょう。
※ヒヨドリはほぼ雌雄同色のため、ここではヒヨドリの雌雄は考慮していません。
見た目の違い
顔の違い
ヒヨドリとイソヒヨドリのメスには顔に特徴的な違いがあります。
ヒヨドリの頬は赤茶色をしており、全体的に灰色の顔の中ではよく目立ちます。一方でイソヒヨドリのメスは頬からお腹にかけて白斑があります。
また、ヒヨドリには短い冠羽があり、イソヒヨドリのメスには冠羽がありません。
ただし、ヒヨドリの冠羽は寝ていて目立たないことも多いので注意が必要です。
尾羽の違い
ヒヨドリとイソヒヨドリのメスには尾羽の長さにも違いがあります。
ヒヨドリの尾羽は長く、イソヒヨドリのメスの尾羽はヒヨドリほど長くありません。止まっている際は分かりやすい識別ポイントになります。ヒヨドリの尾羽は飛翔時には肉眼でもわかるほどの長さです。
生息地の違い
ヒヨドリは山地から平地まで林で見られ、エサとなる木の実や虫などが入れば、住宅地の中でも普通に見られます。
一方でイソヒヨドリは名前に「イソ」と名の付く通り、海岸沿いや海の近い河川敷などでよく見られます。
近年では内陸部でもイソヒヨドリが見られるようになってきていますが、住宅街や開けた場所のことがほとんどで、内陸部の林の中で見られた場合はほぼヒヨドリで間違いないでしょう。
ヒヨドリとイソヒヨドリが同時に見られる可能性が高い場所としては海沿いの公園や河口近くの河川敷などがあります。
ヒヨドリとイソヒヨドリが見られる生息地は以下の記事で紹介しています。
習性の違い
・ヒヨドリは群れで行動していることが多く、特に渡りを行う個体群は数十~数百羽の大群で見られることがあります。イソヒヨドリは単独でいることが多く、ヒヨドリの様に大群でで見られることはほぼありません。
・ヒヨドリは木の実や花の蜜など樹上で採餌をしていることが多く、地上に降りる頻度はあまり高くありません。イソヒヨドリは海岸沿いの岩場などの地上で採餌していることが多いですが、さえずる際は高い場所でさえずっていることが多いので、普段は地上を中心に探しつつ、さえずりが聞こえたら高い場所を探してみるといいでしょう。