キジバトとドバトの違いと見分け方
キジバトとドバトは同じハト科の野鳥で、どちらも生息域が広く観察頻度が高い身近なハトです。
どちらも留鳥として普通に見られ、見た目も非常によく似ていることから同じ種類のハトと誤認されることの多い2種ですが、よく観察してみると違いも多く、慣れればすぐに見分けられるようになります。
見た目の違い
キジバトとドバトの見た目の違いは主に3つあります。
一つ目はくちばしの付け根にある鼻こぶです。
キジバトとドバトの顔はとてもよく似ていますが、ドバトはくちばしの付け根に真っ白な鼻こぶと呼ばれるものがあります。キジバトにはこのような白い鼻こぶはありません。
一見小さな違いの様に思われますが、全身が暗色のドバトでこの白さはとても目立ちます。肉眼でも十分に確認できるので、簡単な識別ポイントになります。
二つ目の違いは首の模様です。
キジバトには首に青と薄い水色の縞模様があります。
ドバトの方は体の模様の個体差が激しく、様々なタイプがいますが、キジバトの様な決まった縞模様はありません。
三つ目の違いは羽の模様です。
キジバトの羽には鱗状の模様があります。これはキジバトの名前の由来にもなったキジのメスによく似たものです。
ドバトの方にも個体によっては一部鱗状の模様が見られる場合がありますが、キジバトの様に羽の広い範囲にハッキリとした鱗状の模様が見られることはほぼありません。
キジバトとドバトの分かりやすい見た目の違いは上記の三点ですが、ドバトは個体差が激しく特徴を覚えるのは大変なので、まずは個体差の少ないキジバトの特徴から覚えていくといいでしょう。
生息地の違い
キジバトとドバトの生息地はほぼ被っていますが、キジバトの方が様々な環境で見られます。
キジバトが山地から生息地を広げていったのに対して、家禽化されていたドバトは都市部から生息地を広げていっています。
そのため、ドバトは低地の公園や住宅地、田畑など主に「人の手が入った場所」に数多く生息していますが、キジバトはドバトの生息域に加え、山地や森林など自然豊かな場所にも生息しています。
その他の違い
・一般的にドバトは群れで、キジバトは1羽または数羽の小群で行動しています。電線などにびっしりと止まっているのはほとんどの場合、ドバトの群れですが、冬のなどのエサの少ない時期には田んぼなどで群れているキジバトが見られることもあります。
・元々家禽だったものが野生化したドバトは、人に対する警戒心がほとんどなく、公園などの普段から人の多い場所では足元までやって来ることもあります。公園などで餌付けされているハトの群れはほとんどがドバトです。反対にキジバトは元々野生のため、ドバトの群れに混じっているような都市部の公園等以外では警戒心が強く、ほとんどの場合、ドバトの様に近づくことはできません。
・キジバトは「ホーホーホッホー」「ゼーゼーポッポー」といった鳴き声の間隔が長いのに対し、ドバトは「クックック」「ポッポッポッポ」といった短い間隔で鳴きます。キジバトの鳴き声は特徴的なので、まずはキジバトの鳴き声から覚えるといいでしょう。