ミヤマガラスとコクマルガラスの違いと見分け方
ミヤマガラスとコクマルガラスはカラス科の野鳥で、共に冬鳥として日本へ越冬にやって来る野鳥です。2種とも日本では群れを形成していることが多く、特にミヤマガラスは時に数千羽の大群になることもあります。
両種ともハシブトガラスの様に昼間に都市部で見られることはあまりなく、農耕地で採餌をしている姿がよく見られます。この2種は混群を形成することがあり、同時に見られる機会の多い野鳥です。
ミヤマガラスの群れに少数のコクマルガラスが混じっているということが多いので、識別ポイントをしっかりと押さえておけば、ミヤマガラスの群れに混じるコクマルガラスをすぐに見つけられるようになります。
見た目の違い
色の違い
まず、コクマルガラスには暗色型と淡色型の2種類がいます。
このうち、ミヤマガラスと似ているのは暗色型になります。
淡色型のコクマルガラスは白と黒の体から「パンダガラス」とも呼ばれ、ミヤマガラスとの識別は容易です。ミヤマガラスの群れからコクマルガラスを探す際は、白色が目立って見つけやすいこの淡色型を探してみるといいでしょう。
ミヤマガラスと暗色型のコクマルガラスは一見すると全身が黒色で非常によく似ていますが、コクマルガラスはよく見ると目の後ろの辺りが灰色がかっています。
大きさの違い
ハシボソガラスとほとんど同じ大きさのミヤマガラスに比べ、コクマルガラスはキジバトとほぼ同じ大きさの小さなカラスです。
コクマルガラスはミヤマガラスの群れに混じっているとその小ささですぐに見分けることができます。特に電線に止まっている時は肉眼でも十分に識別することができます。
また、コクマルガラスが単独でいる場合でも普段からハシボソガラスなどを見慣れていれば、カラスとしてはかなり小さく感じるので見分けることができるでしょう。
くちばしの違い
ミヤマガラスとコクマルガラスにはくちばしにも特徴的な違いがあります。
特に特徴のない普通の黒いくちばしのコクマルガラスに比べて、ミヤマガラスはくちばしの付け根が白っぽく見えます。
鳴き声の違い
カラスらしくしゃがれた声で「ガァー、ガァー」と鳴くことが多いミヤマガラスに対し、カラスにしては高い声で「カァッ、カァッ」や「クワッ、クワッ」と鳴きます。
ミヤマガラスの群れの中でコクマルガラスが鳴いていると、すぐにわかるので鳴き声を頼りに識別するのもいいでしょう。