ソリハシシギとキアシシギの違いと見分け方
ソリハシシギとキアシシギは共に旅鳥として春や秋の渡りの時期に干潟や海岸沿いの水辺で見られる野鳥です。
シルエットがよく似ており、同時に見られることも多い野鳥のなので識別ポイントはしっかりと押さえておくといいでしょう。
ソリハシシギとキアシシギが見られる生息地や探す際のポイントは以下の記事で紹介しています。
見た目の違い
大きさの違い
大きさはソリハシシギよりもキアシシギの方が少し大きいですが、慣れないうちは大きさで判断するのは難しいでしょう。
並んでいる場合は明らかにソリハシシギの方が小さいので、大きさも判断基準になります。
くちばしの違い
ソリハシシギとキアシシギの特徴的な識別ポイントとしては、くちばしの違いがあげられます。
ソリハシシギのくちばしは名前の通り、少し上に反っており、キアシシギのくちばしは真っ直ぐになっています。
ソリハシシギとキアシシギで迷った場合、くちばしが上に反っていればソリハシシギでほぼ間違いないでしょう。
日本で見られるくちばしが上に反っているシギの仲間は、他にアオアシシギやオオソリハシシギ、ソリハシセイタカシギなどがいますが、どの野鳥もソリハシシギよりも体が大きいので、識別は容易です。
ただし、ソリハシシギのくちばしの反り具合は真横以外からだとかなり確認しづらいので正面や斜めからの観察の場合は注意が必要です。
足の違い
ソリハシシギとキアシシギには足にも特徴的な違いがあります。
ソリハシシギの足がオレンジ色なのに対し、キアシシギの足は名前の通り黄色です。
ただし、個体差や光の当たり具合によってはソリハシシギの足が黄色っぽく見えたり、キアシシギの足がオレンジ色っぽく見えたりもするので、足の色だけではなく、他の識別ポイントと併せて判断するといいでしょう。
胸の違い
ソリハシシギとキアシシギの夏羽では両種とも胸に模様があります。
ソリハシシギは胸に帯状の模様があり、キアシシギは胸に細かい斑模様があります。
キアシシギの方が模様が濃く、範囲も広いので、ソリハシシギの方がお腹周りが全体的に白っぽく見えます。
冬羽は両種とも模様が薄くなって判断が難しくなるので、胸の模様は夏羽の時のみの識別ポイントです。
習性の違い
・ソリハシシギは単独~数羽の群れで行動していることが多く、キアシシギは単独~数十羽の群れで見られます。そのため、ソリハシシギはキアシシギのような大きな群れで見られる機会はあまりありません。キアシシギの群れの中にソリハシシギが単独で混じっている姿もよく見られます。
・ソリハシシギは足が速く、干潟などを忙しなく走り回っている姿がよく見られます。