トビとノスリの違いと見分け方
トビとノスリは同じタカ科の猛禽類で、生息環境も似ており同時に見られることの多い野鳥です。
一見するとよく似た野鳥ですが識別ポイントは多く、慣れれば簡単に見分けることができる野鳥です。
見た目の違い
大きさの違い
トビとノスリではトビの方が大きく、慣れていればある程度は大きさで判断することができます。
トビは、ノスリを始めとしたオオタカやミサゴなどの比較的観察機会の多い猛禽類の中では最も大きく、トビを見慣れているとノスリは一回り小さく見えます。
そのため、まずは観察頻度の多いトビをじっくりと観察してトビの大きさを覚えておくといいでしょう。
色の違い
トビは色の濃淡の違いや一部白色が混じっていますが、止まっている時は基本的には体全体が茶色く見える野鳥です。
一方、ノスリは白と茶色の2色で、正面から見ると淡く白っぽい印象を受けます。
特に遠くからの観察の場合、お腹側が見えれば全身が茶色いトビと淡く白っぽいノスリは比較的簡単に識別することができるでしょう。
また、ノスリには白いお腹に茶色い帯のような模様があります。この模様は個体差が激しく、帯の真ん中が繋がっていないものや、帯がまだら模様になっているものなど様々な模様があります。
飛翔時の違い
トビやノスリは飛翔の際、翼の先の羽が分かれて見える場合があります。
トビとノスリではその時に分かれる羽の数が違います。
トビが片翼につき6枚に分かれて見え、ノスリは片翼につき5枚に分かれて見えます。
肉眼や双眼鏡で確認するのは難しいのでカメラで写真に撮って確認するといいでしょう。
また、翼の内側の模様はトビが茶色い翼に2つの白点があるのに対し、ノスリは白い翼に茶色い点が二つある正反対の模様をしています。こちらは双眼鏡でも確認できる簡単な識別ポイントです。距離がそこまで遠くなければ肉眼でも確認できるでしょう。
また、トビはピーヒョロロロと特徴的な声で鳴きながら飛んでいることも多いので、トビの鳴き声は覚えておくと識別に便利です。
尾羽の違い
トビとノスリには尾羽の形にも違いがあります。
止まっているトビの尾羽は、真ん中がへこんだ凹形をしています。
一方ノスリは少し丸みがかった尾羽をしています。
この尾羽の違いは飛翔時にも確認することができます。
トビは尾羽が開いた時、尾羽の先が直線になるのに対し、ノスリは丸みを帯びます。
生息地の違い
トビは主に留鳥や漂鳥として海岸沿いから平地~山地まで様々な場所に生息しています。特に海岸沿いや農耕地でよく見られ、トビの多い場所では鷹柱ならぬトビ柱が見られることもあります。
ノスリは主に漂鳥として、夏は山地の林、冬は平地の農耕地や公園の林などでよく見られます。そのため、冬の方が観察する機会が多く、トビと同時に見られる機会も多くなります。
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