アオバズクの鳴き声と生息地|見られる時期・フクロウとの違い

初夏の葉陰で並ぶ二羽のアオバズクの淡い色鉛筆画
写真を参考に、アオバズクの羽色と胸の模様を描いたイラスト。

夜の「ホッホッ」は何の鳥? 声のリズム、季節、姿を組み合わせて見分けましょう。

春から夏の夜、木立から「ホッホウ、ホッホウ」と二声ずつ繰り返す声が聞こえたら、アオバズクかもしれません。日本に渡ってきて子育てをするフクロウの仲間で、山の中だけでなく、大木のある神社や公園にもすみます。

この記事では、鳴き声の聞き分け方から、いつ来るのか、昼間はどこにいるのか、フクロウとどう違うのかまで紹介します。

アオバズクを見分ける手がかり
  • 声:「ホッホウ」という二声の反復。
  • 姿:約29cm。黄色い目、丸い頭、白い腹に褐色の縦模様。
  • 場所:樹洞のある大木が残る林、社寺林、公園など。
  • 季節:多くの地域では春から秋。声や繁殖の様子を観察するなら初夏から夏が目安。
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アオバズクの鳴き声|夜に「ホッホッ」と二声ずつ鳴く

夕暮れの木で二声を繰り返して鳴くアオバズクの色鉛筆画
夕暮れの声は、二声のリズムを聞くのが手がかり。

代表的な鳴き声は「ホッホウ、ホッホウ」。人によっては「ホッホッ」「ホーホー」と聞こえます。文字の表現よりも、二つの音がひとまとまりになり、同じ調子で続くかに注目すると聞き分けやすくなります。

フクロウやキジバトの声とどう違う?

鳥の名前代表的な声聞き分けの手がかり
アオバズクホッホウ、ホッホウ短い二声を規則的に反復
フクロウホッホ、ゴロスケホッホ二声だけで終わらない、長めの節
キジバトデデッポポー数音がまとまった節を繰り返す

声の一部だけが聞こえると、別の鳥のように感じることもあります。「夜だからフクロウ」「ホーホーだからアオバズク」と決めず、数回分のリズムを聞いてみてください。

ハトのような節がある場合は、キジバトの鳴き声と朝・夜に鳴く理由で比較できます。高い連続音や鋭い声なら、夏の夜に鳴く鳥の聞き分け方も参考になります。

二声の「ホッホー」と違い、同じ音が速く長く続くならヨタカも候補になります。キョキョと続くヨタカの声で、鳴く時間帯やアオバズクとの違いを確認してみてください。

鳴く時間帯は?昼間にも聞こえる?

アオバズクは夜に活動する鳥で、声を手がかりにするなら夕方から夜が基本です。ただし、毎晩同じ時刻に鳴くわけではありません。鳴いていない時間があっても、それだけで移動したとは判断できません。

昼間に声がしないときは、休んでいる姿を観察できる場合があります。声を聞くことと姿を見ることでは、探し方を分けて考えるとよいでしょう。

鳴き声の音源で確かめたいとき

記事末尾の参考資料「アオバズク|日本の鳥百科」では、実際のさえずりを聞けます。二声の間隔と繰り返す速さを、自宅などで聞き比べてみてください。

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アオバズクはいつ来る?いつまでいる?

春の新緑の上を飛ぶアオバズクの淡い色鉛筆画
春に渡り、夏に子育てをするアオバズク。

日本の多くの地域では、アオバズクは春に渡来し、繁殖を終えて秋に南へ渡る夏鳥です。冬は東南アジアなどで過ごします。「夏鳥」は夏の数か月だけいるという意味ではなく、春や秋に見られることもあります。

時期の目安観察のポイント
4月下旬〜5月ごろ渡来や初鳴きに気づく時期。到着日は地域・年で異なる
6月〜7月ごろ繁殖期。声や、枝で休む親鳥の観察例がある
7月以降巣立った幼鳥と親鳥が一緒に見られる場合がある
秋渡りの時期。いつ姿を消すかは場所によって異なる
冬夏鳥として渡来する地域では、通常の観察時期から外れる

たとえば京都御苑の案内では、宗像神社周辺で4月下旬ごろから10月ごろまで見られるとされています。一方、多摩森林科学園には6月の親鳥や7月の観察記録があります。これらは地域の例であり、全国共通の到着日・巣立ち日を示すものではありません。

観察の予定を立てるなら、過去の記録の月に加えて、その年の施設の自然情報も確認しましょう。夏の親子を見たい場合と、渡来直後の声を聞きたい場合とでは、選ぶ時期が変わります。

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アオバズクはどこにいる?生息地と昼間の居場所

樹洞のある大木の近くで休むアオバズクの色鉛筆画
大木のある林や社寺林が生息環境になる。

大木のある神社・お寺・公園・森林

生息環境を考えるうえで大切なのは、木の幹にできた空洞である樹洞です。アオバズクはこうした穴を巣に利用するため、古い大木が残る場所が繁殖の場になります。住宅地に近い社寺林も候補で、深い山へ行かなければ会えない鳥ではありません。

緑の面積だけを見て探すより、「大きな木があるか」「枝や葉の間を離れた位置から見渡せるか」を確かめると、観察する環境を選びやすくなります。ただし、条件が合う場所すべてに生息しているわけではありません。

昼間は木の枝で休む姿を探す

昼間は枝にとまってじっとしていることがあり、葉の陰に入ると見落としがちです。最初から双眼鏡で細部を追うより、木全体を見て、枝の途中に丸い頭のシルエットがないか探し、気になる部分を双眼鏡で確認してみましょう。

当サイトの上羽田八幡宮でのアオバズク観察記録には、2017年7月に葉の茂った高い枝で家族が休んでいた様子を掲載しています。過去の観察例として、昼間の見え方を知る参考になります。

東京・関東で観察したい場合

東京都八王子市の多摩森林科学園には、園内でアオバズクを観察した記録があります。東京でも、大木のある森が生息環境になり得ます。訪問前には開園日・入園時間と、その時期の観察情報を確認してください。

関東のほかのフクロウ類も含めて比較するなら、関東で見られる野生のフクロウ4種類と、関東にあるフクロウの生息地をご覧ください。場所の過去の記録と、現在の飛来状況は分けて確認しましょう。都内で環境や時期を絞り込む際は、東京の野生のフクロウ観察ガイドも参考になります。

沖縄で探す場合

沖縄の観察情報は、リュウキュウアオバズクの生息地と観察ポイントにまとめています。本州などの夏鳥としての季節だけを当てはめず、地域ごとの情報を確認すると計画を立てやすくなります。

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アオバズクの特徴とフクロウとの違い

手前のアオバズクと奥のフクロウを描いた比較用色鉛筆画
顔つきや胸の模様などを見比べる。

アオバズクもフクロウの仲間です。ここで比べる「フクロウ」は、仲間全体の呼び名ではなく、種名としてのフクロウを指します。

比較する点アオバズクフクロウ
全長の目安約29cm約50cm
顔・頭の印象黄色い目と丸い頭が目立つ幅のある平たい顔が目立つ
体の見え方背は暗い褐色、白い腹に縦模様アオバズクより大きく、がっしり見える
季節多くの地域で夏鳥留鳥として一年を通じて生息
代表的な声二声を繰り返す長めの節で鳴く

遠くの鳥の大きさは、枝の太さや距離によって印象が変わります。大きさ一つで決めず、顔、腹の模様、声を合わせて見てください。

コノハズクやトラフズクなどとの比較は、日本のフクロウ11種類の生息地・鳴き声・見分け方にまとめています。耳のように見える羽や、声の違いを確認したいときに役立ちます。小型の仲間を詳しく調べるなら、コノハズクの鳴き声と生息地もご覧ください。

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アオバズクの食べ物・繁殖・ヒナの巣立ち

大木の枝に並ぶアオバズクの親鳥と幼鳥の色鉛筆画
巣立ったあとも親子で枝にとまることがある。

何を食べる?

食べ物は昆虫類が中心です。大型のガや甲虫などを捕らえますが、小鳥やコウモリなどを食べる例もあります。フクロウの仲間だからといって、すべての種類が同じ餌を主食にするわけではありません。

日本鳥学会誌の給餌研究では、子育ての進み方に伴う餌内容の変化が調べられています。食性を詳しく知りたい方は、記事末尾の「育雛期間の進行に伴うアオバズクの給餌内容の変化」を参照してください。

ヒナはいつ巣立つ?

7月に巣立ちが確認された調査・観察例があります。ただし、産卵やふ化の時期によって変わるので、「7月のこの日なら見られる」とは限りません。

巣立ちは、その日に親から完全に独立することではありません。巣の外でも親子が一緒に過ごす姿を見られることがあります。幼鳥を見つけたら近づいて動かそうとせず、離れて様子を見守りましょう。

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アオバズクについてよくある質問

黄色い目と茶色い縦斑が見えるアオバズクの顔の色鉛筆画
黄色い目、丸い頭、腹の縦斑が特徴。

アオバズクは珍しい鳥ですか?

日本の広い範囲に分布しますが、数が多い鳥ではありません。また、夜に活動し、昼は木の中で目立ちにくいため、声を聞いた経験があっても姿を見たことがない人は少なくないでしょう。「分布が広いこと」と「簡単に見つかること」は別です。

オスとメスは見分けられますか?

メスのほうが大きい傾向はありますが、野外で1羽を見ただけで性別を決めるのは難しいものです。多摩森林科学園の観察記録でも、並んでいない2羽の雌雄は判別できないとされています。見た目だけで無理に断定しないようにしましょう。

名前に「アオ」とあるのに青くないのはなぜ?

青葉の茂るころに渡ってくることが名前の由来とされています。羽色を表す「青」ではなく、渡来する季節の「青葉」と結び付けて覚えるとわかりやすい名前です。

ヒナの声も「ホッホウ」ですか?

この記事で紹介した二声の反復は、代表的なさえずりです。ヒナの声を調べるときに、そのまま当てはめて判定することはできません。音源を比較する際は、成鳥のさえずりなのか、幼鳥の声なのかという記録の説明も確認してください。

夜の鳴き声が気になるときは?

まず、声のリズムを確かめて鳥の候補を絞りましょう。室内では窓を閉める、寝る部屋を変えるなど、生活空間側で音を小さくする方法を試せます。声を流して反応させたり、強い光を当てたりすることは避けてください。

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観察するときに覚えておきたいこと

夕暮れの林で枝に休むアオバズクを遠くから眺める色鉛筆画
観察は距離を取り、静かに。

昼間に見つけたら、休んでいる鳥を起こそうとせず、距離を保って短時間で観察しましょう。夕方以降に声を聞く場合は、施設の利用時間を守り、足元を確認できる場所を選びます。鳴き声の再生や鳥に向けたライト・フラッシュは使わず、自然な行動を待ってください。

最初は「二声のリズムを聞けた」「枝で休む姿がわかった」と、一つずつ特徴を確かめていけば十分です。声と季節を覚えておくと、身近な木立の中のアオバズクにも気づきやすくなります。

ここで紹介した鳥に当てはまらない場合は、鳥の名前を色・大きさ・動きから探すガイドで候補を広げてみてください。

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参考資料

アオバズクの色鉛筆画を描いた自然観察ノート
記事の記述に用いた資料はこちら。
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