バードウォッチングを始めたばかりの方には、スズメやハト以外の野鳥はよく知らないという方もおられると思います。今回はそんなバードウォッチングを始めたばかりの初心者の方におすすめの身近に見られる野鳥を紹介したいともいます。
今回紹介する野鳥はすべて留鳥として一年中見ることができる野鳥となっています。(一部時期によって移動する個体がいる野鳥も含みます。)
また、主に関東地方で見られる野鳥を中心に紹介しています。
シジュウカラ
シジュウカラはスズメやハトと並んでとても身近な野鳥です。シジュウカラは山地から平地まで留鳥として広く生息しており、目にする機会のとても多い野鳥です。エサとなる昆虫がいれば市街地の中の公園でもよく見られます。バードウォッチングを始めてしばらく経てば、その数の多さに驚くほどでしょう。
巣箱を利用することも多い野鳥で庭先にシジュウカラに適したサイズの巣箱をかけておけば巣箱を利用する可能性は十分にあります。
大食いの野鳥としても有名で、餌が少なくなる冬には庭先などに置いてあるエサ台によくやってきます。
また、シジュウカラは冬に他の野鳥と混群を形成することがあるのでシジュウカラの群れを見つけたら他の野鳥が混じっていないかチェックしましょう。
シジュウカラにはヒガラとコガラといった姿形が非常によく似た野鳥がいるので識別には注意が必要です。
メジロ
メジロは名前の通り、目の周りが白くとてもかわいらしい野鳥です。花の蜜を好み、梅や桜の花によくやってきます。基本的には留鳥として一年中見ることができますが、冬になると暖かい場所に移動する個体もいます。
花の蜜や果物の果汁を好むため、梅や桜、柿や椿など季節に合ったメジロが好む木の近くで探すとメジロを見つけやすくなります。
メジロを観察するのにおすすめの場所は梅園で、梅の木は背丈も低いため、メジロを目線の高さで観察することができます。
メジロはウグイスと誤認されがちですが、ウグイスはメジロの様に人の多い場所や開けた場所にはほとんど出てきません。
関連記事:ウグイスとメジロの違いと見分け方
カワラヒワ
カワラヒワは主に留鳥として各地の林に生息しており、広めの林があれば市街地の公園でも普通に見ることができます。冬には大群で田んぼを飛び回る姿も見られます。
飛んでいると羽の黄色がよく目立つので注目して観察してみましょう。
冬にはアトリなどと混群を形成していることがあるので、冬にカワラヒワの群れを見つけたら他の野鳥が混じっていないかチェックしてみましょう。
コゲラ
コゲラは日本で見られるキツツキの仲間では最も小さく、最もよく見られるキツツキです。
「ギィー、ギィー」と鳴きながら木々を駆け上がっていくので、木の低い位置でコゲラの声が聞こえたら観察のチャンスです。普段から利用者の多い公園なら、驚くほど近くで見られることもあります。
小さいながらもキツツキ特有のドラミングも行うので、ドラミングの音を頼りに探すこともできます。
木に小さな丸い穴を開けて巣を作るので、木に小さな穴を見つけたらコゲラが生息している可能性があります。
ヤマガラ
ヤマガラはシジュウカラと同じシジュウカラ科の野鳥で、主に留鳥として林に生息しています。シジュウカラほどよく見られるわけではありませんが、広い林があれば市街地の公園でも普通に見られます。
木の実を好み、くちばしで叩いて殻を割って食べることが多いので、「コンコンコン」と何かを叩くような音が聞こえたら近くにヤマガラがいる可能性があります。「ニィー、ニィー」と特徴的な声で鳴くので、声を頼りに探すのも簡単です。
冬にはよくシジュウカラと混群を形成しているので併せて観察してみましょう。
ヒヨドリ
ヒヨドリは留鳥として山地から平地まで広い範囲に生息しています。中には冬に暖地へ移動するものもおり、秋には海岸沿いなどでヒヨドリの大群が渡っていく姿を観察できる場合があります。
シジュウカラやスズメなどの小鳥に比べて一回り大きく、とても大きな声で鳴くため、シジュウカラと並んでバードウォッチングで最もよく見かける野鳥の一つとなっています。
大きな体を活かして餌場が被ったスズメやシジュウカラ、メジロなどを追い払ったりする姿がよく見られます。花の蜜を好むためメジロと並んで花の咲く木でよく見られる野鳥です。
ムクドリ
ムクドリは主に留鳥として山麓の林から平野部にかけて広く生息しています。
主に群れを形成して生活しており、公園の広場や、野球やサッカーのグラウンドでエサを探している姿がよく見られます。子育てが終わった夏ごろには幼鳥も混ざった大きな群れで行動する姿は見られるでしょう。
そのあまりの多さから場所によっては害鳥とされることもあります。少し大きめの街路樹をねぐらとして利用することがあり、その場合は日が落ちると信じられない大きな声が聞こえてくるのですぐにわかります。
ムクドリの群れにはコムクドリやホシムクドリなどの同じムクドリ科の野鳥が混じっていることがあるため、ムクドリの大群を見つけた場合は要チェックです。
ハクセキレイ
ハクセキレイは主に留鳥として平地の水辺近くでよく見らます。
尾羽を振りながら地面を歩く姿がよく見られ、人が多い場所にいて人馴れしている個体は近づいても中々飛び立たないので、まるで先導をしてくれているように見えます。
普段は単独で見られることが多いハクセキレイですが、夜になると集団でねぐらをとる様子が見られ一度に多くのハクセキレイを観察することができます。
生息地が被ることがあるセグロセキレイと非常によく似ているので識別には注意しましょう。
アオサギ
アオサギは主に留鳥として河川や湖沼、田んぼなどで見られます。
大型のサギで、水辺にいるとかなり目立つ野鳥です。田んぼなどではかなり大きなカエルを捕食する姿が見られるので、カエルが多く鳴いているような場所でアオサギを見つけた場合はしばらく待っていると豪快な捕食シーンが見られるかもしれません。
繁殖期にはコサギなどの他のサギ科の野鳥たちと大規模なコロニーを形成することがあり、コロニーでは多くのアオサギを観察することができます。
トビ
トビは留鳥として山地から海岸沿いまで広範囲に生息しており、最も身近な猛禽類として知られています。カラスよりも一回り大きい大型の猛禽類で、電柱などに止まっていると非常に目立ちます。「ピーヒョロロロー」と鳴きながらゆっくりと上空を旋回するため、飛んでいる姿も観察しやすい野鳥です。
海岸沿いなどトビが多い場所でお弁当などを食べているとトビが急降下してきて奪い去っていくこともあるため要注意です。
コメント