冬にカモ類を観察する際のポイント

オナガガモ 群れ 三番瀬海浜公園

 

カモ類は基本的に観察がしやすい野鳥です。カモがやって来る池や湖には野鳥観察窓が設置されていることも多いため、近くで観察できることも多いと思います。

特に冬は、多くのカモたちが越冬のために飛来し、水辺の周りの木々の葉が落ち視界が開けるため、カモたちの観察には最も適した時期になります。

そこで今回は冬にカモ類を観察する際のポイントを紹介します!

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淡水ガモと海ガモ

カモ類は大きく分けて「淡水ガモ」と「海ガモ」に分けられます。(その他はハクチョウ類やアイサ類など)

淡水ガモと海ガモの簡単な見分け方は以下の2点。

 

淡水ガモは潜水せず、尾羽が上を向いている。

淡水ガモ「オナガガモ」

 

海ガモは潜水し、尾羽が下を向いている。

海ガモ「ホシハジロ」

 

淡水ガモ、海ガモと名前がついていますが、淡水ガモが海に居たり、海ガモが淡水の池に居たりすることも多いので、観察した場所で判断するのは控えましょう。

 

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カモの観察は太陽の位置に注意

周りを1周できるような池なら大丈夫ですが、大きな湖や海岸では太陽の位置がとても重要になります。

大きな湖や海岸では逆光になってしまっても、順光の位置に移動するのが難しいため、予め観察する場所と太陽の位置を確認しておく必要があります。

特に冬は太陽の位置が低く、日中の太陽が出ている時間が短いので、太陽の位置には十分に気をつけたいところです。

基本的に明け方は北側、午前中は東側、午後は南側、夕方は西側から観察するのがおすすめです。

また、カモが多く見られる池や湖では観察できるカモを紹介した看板と共に、野鳥観察窓や野鳥観察小屋が設置されていることがよくあります。

窓や小屋があると、人馴れしていないカモでも信じられないほど近くで観察できることがあるので、カモたちの観察に活用しましょう。

 

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混群が基本

冬にやって来るカモたちはほとんどの場合、群れでやってきますが1種類だけの群れということはあまりなく、数種類が混ざった混群が基本です。

カモの混群

そのため、大群の場合、群れにいるすべてのカモの種類を見分けるのはとても大変です。特にスズガモとコスズガモのような姿がとてもよく似た野鳥を大群の中から見分けるのは一苦労なので、事前に識別ポイントをしっかりと確認してから観察に向かいましょう。

事前に覚えるといっても、すべての種類の識別ポイントを覚えるのは大変なので、まずは潜るタイプと潜らないタイプなど大まかな分け方から覚えていくといいでしょう。

また、大群の中では一度目を切ってしまうと見ていた野鳥を再び見つけるのもとても大変です。そのため、カモの観察は三脚で固定したフィールドスコープで観察するのがおすすめです。

 

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海では風の強い日の満潮時がねらい目

スズガモやビロードキンクロなど、主に海上にやって来る海ガモ類は普段は海岸から離れた海上にいることが多く、フィールドスコープなどがないと遠すぎて観察しにくいことが多々あります。

そんな時は風の強い日に観察に行くのがおすすめです。

通常、風の強い日はバードウォッチングに向いていないというのが常識ですが、海ガモ類は風が強く海があれている日は、堤防の内側や港内など海岸から近くにやってきます。そのため、風が穏やかな日よりもかなり近くで観察できる可能性が高くなります。

ただし、冬の風が強い日は寒さがかなり厳しいため、十分な防寒装備を整えてから向かいましょう。特に堤防の上などは海岸沿いよりも風が強く、三脚などは風で倒れてしまうこともあるのでしっかりと支えておきましょう。

また、カモたちも顔を背中に突っ込んで中々見せてくれないことも多いので、観察には根気が必要です。

 

強い風に加えて、満潮時だとカモたちがさらに近くにやって来る可能性が高くなります。

特に干潟が出現するような場所では満潮時でないとカモたちはかなり遠くなってしまうので潮位情報はしっかりとチェックしておきましょう。

 

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カモ類の観察は猛禽類の観察とセット

冬のカモ類は多くの場合、群れで水辺にやってくるため、カモたちはオオタカやハヤブサなどの猛禽類の格好の的となります。

そのため、カモが多くやってくる場所には猛禽類が出現する可能性が非常に高くなります。

カモを狙って水辺に出現するオオタカ

猛禽類が上空に出現するとカモたちは一斉に飛び立ったり、アシ原などの草陰に隠れてしまいます。

一度猛禽が出現するとしばらくの間カモたちは戻ってこないことがあるので、長時間戻ってこないようなら観察場所を変えてみましょう。

また、普段カモたちで賑わう場所で不自然にカモたちの数が少ない場合、水辺の周囲の木々に猛禽が止まっている場合があるので周囲の木々のてっぺん周辺を探してみましょう。

 

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カモ類と同時に観察できる可能性が高い野鳥

冬にカモがやって来る水辺には猛禽類の他にも多くの野鳥を観察することができます。

クイナ科

クイナ

カモ類と同じく水辺に生息しているクイナ科の野鳥は、カモ類と同時に観察できる可能性の高い野鳥です。

バンやオオバンは水面を泳ぐので、カモ類と混群を形成していることが多く特に観察頻度が高くなっています。

また、クイナやヒクイナは水辺に生えているアシ原に生息していますが、警戒心が強く普段はアシ原から中々出てここず、気付かずに近づいて飛ばしてしまうことが多々あるので、アシ原近くでカモを観察する際はアシ原にも注意して観察しましょう。

カモメ類

ユリカモメ

カモメ類は海岸や内陸の池や湖など、カモ類が多くやってくる場所でよく見られます。また、カモメ類はほとんどの場所でカモ類と同じく冬鳥としてやってくるので、同時に観察できる可能性は非常に高いです。

カモメ類はカモ類と混群を形成していることも多いですが、カモメ類はカモ類よりも一回り大きいことが多く、色も白いのでカモ類と見間違うことはあまりないでしょう。

ただ、カモメ類は似た姿が多く識別が難しい種類なので、識別には注意が必要です。

 

カイツブリ科

カンムリカイツブリ 北印旛沼

カンムリカイツブリ

留鳥のカイツブリを除いて、カイツブリ科の野鳥は主に冬鳥として日本にやってきます。

カモ類と混群を形成していることが多く、その群れの中でも頻繁に潜水を繰り返すため1羽で混ざっていると見失ってしまうことが多い野鳥です。

カイツブリ科はカモ類に比べて首が細いので、識別する場合は首の太さに注目するといいでしょう。

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