カラスの種類一覧|日本の代表10種・鳴き声と見分け方

街でよく見るカラスは、主にハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。太いくちばしならハシブト、細いくちばしならハシボソが候補。横顔と鳴き声を確かめると、身近なカラスの名前を調べやすくなります。

日本には、この2種のほかに冬に渡ってくるミヤマガラスやコクマルガラス、北海道で見られる大型のワタリガラスもいます。さらに、オナガやカケスなど、黒一色ではない鳥もカラス科の仲間です。

この記事では、日本で見られる代表的なカラス科10種を、イラストと種類一覧で比較します。「小さいカラス」「白黒のカラス」「カーカー・ガーガーと鳴くカラス」が気になる方は、姿や声に近い項目から確認してみてください。

見分けるときの最初の手がかり

  • 太いくちばし・盛り上がる額:ハシブトガラス
  • 細いくちばし・なだらかな額:ハシボソガラス
  • 冬の群れで、くちばしの根元が灰白色:ミヤマガラスの成鳥
  • 冬の群れに混じるハトほどの小さな鳥:コクマルガラス

一つの特徴だけで決めず、横顔・体の大きさ・声・季節を組み合わせます。

日本で見られるカラスの種類を代表するハシブトガラスとハシボソガラスの色鉛筆画
身近な黒いカラスは、主にハシブトガラスとハシボソガラス。横顔に違いがあります。
スポンサーリンク
  1. 日本で見られるカラスの種類一覧|代表的な10種を比較
    1. 「カラス」と「カラス科の仲間」はどう違う?
  2. 身近なカラス2種類の違い|ハシブトガラスとハシボソガラス
    1. ハシブトガラス|太いくちばしで「カーカー」と鳴く
    2. ハシボソガラス|細いくちばしで「ガーガー」と鳴く
  3. 冬に見られるカラス3種類|ミヤマガラス・コクマルガラス・ワタリガラス
    1. ミヤマガラス|くちばしの根元が白っぽい冬鳥
    2. コクマルガラス|ハトほどの小さいカラス
    3. ワタリガラス|大型で、飛ぶと尾がくさび形に見える
  4. 黒くないカラス科の仲間5種類|オナガ・カケス・カササギなど
    1. カケス|褐色の体と、翼の青い縞模様
    2. ルリカケス|群青色と赤褐色が目立つ鳥
    3. オナガ|黒い頭と、青灰色の長い尾
    4. カササギ|白黒の体と、とても長い尾
    5. ホシガラス|黒褐色の体に白い斑点
  5. カラスの種類を鳴き声で見分ける|カーカー・ガーガーの違い
    1. 鳴き声や歩き方だけで種類を決められる?
  6. 小さいカラス・大きいカラス・白黒のカラスは何?
  7. カラスの種類についてよくある疑問
    1. 日本のカラスは2種類だけですか?
    2. 日本のカラス科は、全部で10種類ですか?
    3. 小さいカラスは、普通のカラスの子どもですか?
    4. 白黒のカラスとカササギはどう見分けますか?
    5. カワガラスもカラス科の仲間ですか?
  8. 参考資料

日本で見られるカラスの種類一覧|代表的な10種を比較

まずは、全身が黒っぽい身近なカラスと、羽色や尾の形が違うカラス科の鳥を一覧で見てみましょう。全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。

カラス科10種の大きさ・特徴・見られる季節
種類全長の目安見分ける特徴日本で見られる季節・環境
ハシブトガラス約56〜57cm太く湾曲したくちばし、出っ張る額一年中。森林・市街地・海岸など
ハシボソガラス約50cm細いくちばし、なだらかな額主に九州以北で一年中。農耕地・河川敷など
ミヤマガラス約47cm成鳥はくちばしの根元が灰白色主に冬。農耕地・河原など
コクマルガラス約33cm小さな体、短いくちばし。白黒の個体もいる主に冬。ミヤマガラスの群れに混じることが多い
ワタリガラス約61cm大型、太く長いくちばし、くさび形の尾主に冬の北海道。海岸・岩礁地・山地など
カケス約33cm褐色の体、翼に青・黒・白の縞一年中。森林。秋冬には低地でも見られる
ルリカケス約38cm群青色と赤褐色の羽色一年中。奄美大島・加計呂麻島・請島
オナガ約36cm黒い頭、青灰色の翼と長い尾一年中。主に本州中部・北部の林や人家付近
カササギ約45cm白黒の体、とても長い尾一年中。佐賀平野周辺など。北海道などでも記録
ホシガラス約35cm黒褐色の体に細かな白い斑点一年中。主に亜高山帯・高山帯の針葉樹林

全長や羽色には個体差があります。10種はこの記事で扱う代表例で、まれな飛来記録や外来の鳥まで含めた総数ではありません。

「カラス」と「カラス科の仲間」はどう違う?

黒いカラス類と黒くないカラス科の違いを示すハシブトガラスとオナガのイラスト
カラス科には、黒っぽいカラスだけでなく、青灰色のオナガなども含まれます。

普段「カラス」と聞いて思い浮かべるのは、街や田んぼにいる黒っぽい鳥でしょう。鳥の分類でいうカラス科には、そうした鳥だけでなく、青灰色のオナガ、褐色のカケス、白黒のカササギも含まれます。

このページでは、身近な2種と冬に見られる3種を先に紹介し、続いて羽色や体形の違う仲間5種を取り上げます。コクマルガラスには白黒の個体もいるため、「黒くない鳥はカラスではない」とは判断できません。

スポンサーリンク

身近なカラス2種類の違い|ハシブトガラスとハシボソガラス

最初に見るのは、横顔のくちばしと額です。ハシブトガラスはくちばしが厚く、上側のカーブが大きく見えます。ハシボソガラスはくちばしが細めで、額へなだらかにつながって見えます。

ハシブトガラスとハシボソガラスのくちばしと額の違いを示す比較イラスト
ハシブトガラスは太いくちばし、ハシボソガラスは細いくちばしが目安です。
ハシブトガラスとハシボソガラスの見分け方
比べるところハシブトガラスハシボソガラス
くちばし太く、上側が大きく湾曲細めで、湾曲がゆるやか
額盛り上がって見えるなだらかに見える
よく聞く声「カー、カー」と澄んだ声「ガー、ガー」と濁った声
大きさ約56〜57cm約50cm
環境の傾向森林・市街地など農耕地・河川敷など開けた場所

ハシブトガラス|太いくちばしで「カーカー」と鳴く

ハシブトガラスは、横から見るとくちばしの厚みが目立つ種類です。額の盛り上がりも手がかりになりますが、羽毛の状態や角度で印象が変わるため、くちばしと一緒に確認しましょう。

森林から市街地までさまざまな環境を利用します。「カーカー」と聞こえる声が典型ですが、いつも同じ声で鳴くわけではありません。体の大きさや生態も知りたい方は、ハシブトガラスの特徴・鳴き声・大きさをご覧ください。

ハシボソガラス|細いくちばしで「ガーガー」と鳴く

ハシボソガラスは、ハシブトガラスに比べてくちばしがすっきりしています。田んぼや河川敷などで地面を歩き、食べ物を探す姿もよく見られます。

「ガーガー」と濁る声と、鳴くときにお辞儀をするような頭の動きも目安です。詳しい姿と声の特徴は、ハシボソガラスの鳴き声と見分け方で確認できます。

2種が同じ場所にいることもあります。「街にいたからハシブト」「田んぼにいたからハシボソ」と決めず、まず横顔を見ましょう。迷いやすい角度や歩き方まで比べたいときは、ハシブトガラスとハシボソガラスの違いを図解した比較記事が役立ちます。

スポンサーリンク

冬に見られるカラス3種類|ミヤマガラス・コクマルガラス・ワタリガラス

冬の農耕地で大きな群れを見たら、普段の2種に加えてミヤマガラスやコクマルガラスも候補になります。北海道では、さらに大型のワタリガラスが渡来することがあります。

ミヤマガラス、コクマルガラス、ワタリガラスの大きさと姿を比べるイラスト
左からミヤマガラス、コクマルガラス、ワタリガラス。図は特徴を比べるためのイラストです。

ミヤマガラス|くちばしの根元が白っぽい冬鳥

ミヤマガラスの成鳥は、くちばしの付け根が灰白色に見えるのが分かりやすい特徴です。全長は約47cm。くちばしは細く尖り、農耕地などでまとまった群れをつくります。

ただし、若い個体では付け根が黒い羽毛に覆われます。根元が白くないからといって、ミヤマガラスを候補から外すことはできません。ハシボソガラスとの区別で迷ったら、ミヤマガラスの成鳥・幼鳥の見分け方で横顔を比べてみてください。

コクマルガラス|ハトほどの小さいカラス

コクマルガラスは全長約33cm。ミヤマガラスの群れの中でも、小さな体と短いくちばしが目立ちます。日本では主に冬に渡来し、九州を中心に見られます。

全身が黒っぽい暗色型と、後頭部・首・胸・腹が白っぽい淡色型などが知られています。「白黒のカラスを見た」という場合も候補です。「キョン、キョン」などと聞こえる高めの声は、群れの中で探す手がかりになります。

羽色の違いはコクマルガラスの淡色型・暗色型と鳴き声で、同じ群れにいる2種の比較はミヤマガラスとコクマルガラスの違いで詳しく紹介しています。

ワタリガラス|大型で、飛ぶと尾がくさび形に見える

ワタリガラスは全長約61cmで、ここで紹介する10種では最大です。日本では主に冬の北海道東部・北部に少数が渡来します。

太く長いくちばしに加え、飛翔時のくさび形の尾が識別の手がかりです。「カポ、カポ」などと聞こえる声も出します。遠くの鳥は距離によって大きさの印象が変わるため、「大きい」という印象だけで決めず、尾の形と季節・地域も確かめましょう。

冬に観察を始める方は、服装や時期をまとめた冬のバードウォッチング入門も参考になります。

スポンサーリンク

黒くないカラス科の仲間5種類|オナガ・カケス・カササギなど

カラス科には、翼だけが青い鳥、白黒の鳥、白い斑点のある鳥もいます。色のほかに、尾の長さや白い部分の位置を見ると候補を絞れます。

カケス、ルリカケス、オナガ、カササギ、ホシガラスの外見を比較した色鉛筆イラスト
カケス・ルリカケス・オナガ・カササギ・ホシガラス。羽色と尾の形に注目します。

カケス|褐色の体と、翼の青い縞模様

カケスは全長約33cm。体は褐色が中心で、翼の一部に青・黒・白の細かな縞模様があります。頭や頬の模様と合わせて見ると、全身が青いルリカケスとの違いが分かります。

森林で暮らし、秋冬には低地の緑地でも見られます。「ジャーッ」という声のほか、ほかの鳥や機械のような音をまねることもあります。羽色や季節ごとの探し方は、カケスの鳴き声・青い羽・生息地で詳しく解説しています。

ルリカケス|群青色と赤褐色が目立つ鳥

ルリカケスは全長約38cm。頭・胸・翼・尾の群青色と、背や腹の赤褐色が特徴です。日本固有種で、奄美大島・加計呂麻島・請島に生息し、国の天然記念物に指定されています。

「青いカラスのような鳥」を見た場合、ルリカケスだけでなく、翼や尾が青灰色のオナガ、翼に青い部分があるカケスも比べましょう。カラス科以外の候補は、日本で見られる青い鳥の種類と見分け方で確認できます。

オナガ|黒い頭と、青灰色の長い尾

オナガは全長約36cm。黒い帽子のような頭、淡い灰白色の体、青灰色の翼と長い尾が特徴です。群れで動くことが多く、本州中部・北部の林や人家付近で一年を通して見られます。

姿の印象に対して、「ゲェーイ」と聞こえるしわがれた声を出すのも特徴です。似た鳥との違いまで調べるなら、オナガの鳴き声・青い尾・似た鳥の見分け方へ進んでみてください。

カササギ|白黒の体と、とても長い尾

カササギは全長約45cm。頭・胸・背が黒く、肩や腹が白い鳥です。尾が長いため、地上でも樹上でも細長いシルエットに見えます。

佐賀平野周辺を中心に生息し、北海道などでも記録があります。声は「カシャ、カシャ」などと聞こえます。小型で首や腹が白いコクマルガラスとは、尾の長さと白い部分の位置を比べましょう。ほかの候補も含めて調べたいときは、日本で見られる白黒の鳥の見分け方が役立ちます。

ホシガラス|黒褐色の体に白い斑点

ホシガラスは全長約35cm。黒褐色の体に、星を散らしたような白い斑点が見えます。細長いくちばしも特徴で、主に亜高山帯から高山帯の針葉樹林で暮らします。

ハイマツなどの種子を運んで蓄える習性があります。「ガーッ、ガーッ」などと鳴き、秋から春にはより標高の低い場所で見られることもあります。見られる環境やカケスとの違いは、ホシガラスの鳴き声・生息地・見分け方をご覧ください。

スポンサーリンク

カラスの種類を鳴き声で見分ける|カーカー・ガーガーの違い

身近な2種では、澄んだ「カーカー」がハシブトガラス、濁った「ガーガー」がハシボソガラスの目安です。声が聞こえたら、鳴いている鳥のくちばしと頭の動きも見てみましょう。

ハシブトガラスとハシボソガラスの鳴き声と歩き方の違いを示すイラスト
声と地上での動きは、横顔と合わせて確認します。両種とも歩いたり跳ねたりします。
よく聞かれる鳴き声の例
種類声の聞こえ方の例一緒に確認する特徴
ハシブトガラス「カー、カー」太いくちばし、額の盛り上がり
ハシボソガラス「ガー、ガー」細いくちばし、鳴くときの頭の上下運動
ミヤマガラス「ガァー」「カララ」など群れ、成鳥のくちばし基部の灰白色
コクマルガラス「キョン、キョン」など小さな体、短いくちばし
ワタリガラス「カポ、カポ」など大型の体、飛翔時のくさび形の尾

鳴き声や歩き方だけで種類を決められる?

どちらも補助的な手がかりです。声は個体や状況で変わり、ハシブトガラスも濁った声を出すことがあります。「カー」か「ガー」か聞き取りにくいときは、姿の確認を優先しましょう。

ハシボソガラスは足を交互に出して歩く姿がよく見られ、ハシブトガラスは両足で跳ねる姿も目立ちます。ただし、歩いたり跳ねたりする動きは両種とも行うため、「跳ねたら必ずハシブト」とは言えません。

スポンサーリンク

小さいカラス・大きいカラス・白黒のカラスは何?

見た鳥の名前が分からないときは、目立った特徴から候補を選び、種類一覧の説明と照らし合わせてみてください。

姿や見た状況から考える候補
見た鳥の特徴最初に比べる候補確認したいところ
ハトくらいの小さいカラスコクマルガラス冬の群れにいるか、くちばしが短いか
普段より大きく見えるカラスハシブトガラス、北海道の冬ならワタリガラスも距離、大きさ、くちばし、飛んだときの尾
くちばしの根元が白っぽいミヤマガラスの成鳥白っぽい部分が、羽ではなく嘴の付け根か
小型で首や腹が白黒コクマルガラスの淡色型体の小ささ、首・腹の白い範囲
白黒で尾がとても長いカササギ白い肩と腹、尾の長さ
黒い頭で翼と尾が青灰色オナガ長い尾、淡い色の胴体、群れでの行動
褐色で翼の一部だけ青いカケス翼の細かな縞、顔の模様
黒褐色で細かな白い斑点ホシガラス斑点の出方、細長いくちばし、山の環境

黒い鳥でも、カラスとは限りません。小さな鳥や水辺の鳥だった場合は、カラス以外の黒い鳥の種類と見分け方も比べましょう。尾の長さが印象に残った場合は、尾が長い鳥の種類から探すと、オナガやカササギ以外の候補も確認できます。

スポンサーリンク

カラスの種類についてよくある疑問

日本のカラスは2種類だけですか?

街や田んぼで日常的に見るカラスは主にハシブトガラスとハシボソガラスですが、日本で見られるのはこの2種だけではありません。冬に渡来するミヤマガラスやコクマルガラス、北海道のワタリガラスもいます。カラス科まで広げると、オナガやカケスなども仲間に入ります。

日本のカラス科は、全部で10種類ですか?

このページの10種は、姿や声を比較するために選んだ代表的な種類です。ニシコクマルガラスのようなまれな飛来記録や外来の鳥を含めるかによって、数え方が変わります。「日本の全種類が10種」と覚えるより、まず身近な2種と冬の3種を区別すると理解しやすくなります。

小さいカラスは、普通のカラスの子どもですか?

小さく見えるだけでは子どもと判断できません。冬の群れにいるハトほどの鳥ならコクマルガラスも候補です。遠くにいる鳥が小さく見えることもあるため、近くの鳥との比較、くちばしの長さ、季節を確認しましょう。

白黒のカラスとカササギはどう見分けますか?

コクマルガラスの淡色型は小型で、首から腹にかけて白っぽく見えます。カササギはより大きく、肩や腹が白く、尾がとても長いのが特徴です。白い部分の位置と尾の長さを一緒に比べます。

カワガラスもカラス科の仲間ですか?

カワガラスはカワガラス科の鳥で、カラス科とは別の仲間です。渓流で見かける暗褐色の鳥で、水に潜って採食します。川で見た小さな黒っぽい鳥が気になった方は、カワガラスの生息地と見分け方を確認してみてください。

身近なカラスを見分ける第一歩は、横顔のくちばしを比べることです。太さと額の形を確かめ、声や季節を足すと、候補を絞りやすくなります。冬の群れでは、嘴の根元が白っぽい鳥と、ハトほどの小さな鳥にも目を向けてみましょう。

家の周りの鳥を続けて調べたい方は、庭に来る鳥の写真と特徴へ。観察を始めたばかりの方には、初心者におすすめの野鳥も役立ちます。

野鳥図鑑と観察ノートでホシガラスを調べる色鉛筆画
姿・声・季節を記録し、種類一覧や図鑑の特徴と照らし合わせてみましょう。
スポンサーリンク

参考資料

スポンサーリンク
コラム識別

コメント