河川敷は1年を通して多くの野鳥を観察できる場所です。
河川敷には野鳥が好む環境がそろっており、様々な種類の野鳥が見られます。
※ここでは主に関東地方の河川敷で見られる野鳥を紹介しています。
留鳥
イソヒヨドリ
イソヒヨドリは青とオレンジの体と綺麗なさえずりが特徴の野鳥です。
「イソ」と名の付く通り、海の近くに多く生息しているので、河口付近など海に近い場所の河川敷でよく見られます。水際の護岸ブロックや電線などに止まっているのでそれらの場所を中心に探してみるといいでしょう。
近年では内陸部にも生息域を広げているので、海から遠い河川敷でも見られることもあるでしょう。
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オオセッカ
オオセッカは河川敷にあるヨシ原で見られる野鳥です。
繁殖期に大きな声で鳴きながらヨシ原の上空を飛ぶ、さえずり飛翔を繰り返すので河川敷に生息する野鳥の中でも目立つ野鳥です。
逆に繁殖期以外はヨシ原の中から出てくることはほとんどないので、冬に姿を確認するのは非常に難しいでしょう。
生息地が限られており、河川敷のヨシ原ならどこでも見られる野鳥ではありません。有名な生息地以外で見つけることができたらとてもラッキーな野鳥です。
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カワセミ
カワセミは飛ぶ宝石と呼ばれるほど美しい野鳥で、日本で見られる野鳥の中でもトップクラスの人気を誇ります。
大きな河川から小さな河川まで、エサとなる魚と水の流れが滞っているような場所があれば高い確率で観察することができる野鳥です。
川に飛び出した枝や、水際の岩場などに止まって魚を狙っている姿がよく見られます。お気に入りの止まり木があることが多く、その場所を見つけることができれば、簡単に観察することができるでしょう。
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キセキレイ
キセキレイはその名の通り、お腹の黄色がとても鮮やかな美しい野鳥です。
河川敷でよく見られるセキレイ科の野鳥の中でも上流域を好み、岩がゴロゴロとしているような河川敷でよく見られます。
他のセキレイ科の野鳥と同じように地面を歩きながら採餌をしていることが多いので、遮蔽物の少ない河川敷では観察しやすい野鳥です。
繁殖期には電線に止まってさえずっている姿もよく見られます。
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セグロセキレイ
セグロセキレイは河川敷で見られるセキレイ科の野鳥の中でも主に中流域でよく見られる野鳥です。
セキレイ科の野鳥の中でも水辺を特に好むので河川敷の水際を中心に探すといいでしょう。
縄張り意識が強く「ジュルッ、ジュルルッ」と少し濁った声で河川敷を飛び回っている姿がよく見られます。
同じく河川敷でよく見られるハクセキレイと非常によく似ているため識別には注意しましょう。
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セッカ
セッカは河川敷の草むらでよく見られる野鳥です。
繁殖期には「ヒッヒッヒッ」とさえずりながら河川敷の上空を飛ぶので、見つけるのは比較的簡単です。
河川敷で見られる野鳥の中でも小さい部類で、その小さな体を活かして、柔らかい葉先や細い茎などに足を開いて止まっている姿がよく見られます。そのため、他の野鳥が止まれないような低い草しかないような場所でもセッカは草先に止まっていることがあるので要チェックです。
ハクセキレイ
ハクセキレイは河川敷で見られる野鳥の中でも最もポピュラーな野鳥の一つです。
セキレイの仲間の中では下流域でよく見られますが、生息範囲が広いため中流域でも普通に見られます。
人の多い場所では人馴れしている個体も多く、ベンチなどに座っていると普通に足元までやって来ることもあります。
同じく河川敷でよく見られるセグロセキレイとは見た目も生態も非常によく似ているので、識別には注意しましょう。
ヒバリ
ヒバリは河川敷の草原でよく見られる野鳥です。
揚げ雲雀と呼ばれるさえずり飛翔を繰り返すのでヒバリの声が聞こえたら河川敷の上空を見てみるといいでしょう。堤防の上なら、さえずり飛翔をするヒバリを目線の高さで観察することができることもあります。
普段は地面で採餌をしていることが多い野鳥なので、木が継がずに飛ばしてしまわないように注意しましょう。
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夏鳥
オオヨシキリ
オオヨシキリはヨシ原が広がる河川敷でよく見られる野鳥です。名前に「ヨシ」と名の付く通り、ヨシ原のヨシのてっぺんでさえずっている姿がよく見られます。
日本への渡来数も多い野鳥なので、比較的簡単に観察することができます。
繁殖期には非常に大きな声でさえずるので、河川敷のヨシ原からはオオヨシキリの大合唱が聞こえてくるでしょう。
関連記事:オオヨシキリの生息地と探す際のポイント
コアジサシ
コアジサシは河口付近や中洲があるような河川敷でよく見られる野鳥です。
飛びながら川にダイブして魚を捉えるので、水深の浅い水際でよく狩りをしています。
干潟ができる場所なら狩りの途中に干潟で休んでいる姿もよく見られます。
堤防の上からなら、獲物を狙って飛び回るコアジサシを目線の高さで観察することができるでしょう。
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コジュリン
コジュリンは主に河川敷にあるヨシ原で見られる野鳥です。
夏羽のオスの黒い頭巾を被ったような顔はヨシ原の上の方でさえずっているとよく目立ちます。
生息地は局地的で、上記のオオセッカと同じく河川敷のヨシ原ならどこでも見られるような野鳥ではないので、有名な生息地以外で見ることができたらラッキーな野鳥です。
関連記事:コジュリンの生息地と探す際のポイント
ツバメ
住宅地で繁殖するツバメも、餌場として河川敷を利用することの多い野鳥です。
エサとなる羽虫が多く飛ぶ、草原の様になっている河川敷では多くのツバメが飛び回る姿を見ることができるでしょう。
またヒナが巣立った後はねぐらとして河川敷を利用することがあり、その際は夕方にツバメの大群を見ることができます。
ヨシゴイ
ヨシゴイはその名の通り、河川敷にあるヨシ原でよく見られる野鳥です。普段はヨシ原の中にいるので見つけることが難しい野鳥ですが、繁殖期には鳴きながらヨシ原の上をよく飛び回ります。堤防の上などのヨシ原が広く見渡せる場所で探してみるといいでしょう。
ヨシ原の際に止まって獲物を狙っている姿もよく見られるので、人の少ない早朝などにヨシ原の際を探してみるといいでしょう。
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冬鳥
アリスイ
アリスイはキツツキの仲間で、普段は河川敷の藪やヨシ原の中にいますが、時折枯れ枝などに止まって大きな声で鳴いている姿が見られます。
鳴き声が似ているモズと縄張り争いをしている姿が見られることがあるので、縄張り争いをするモズの高鳴きが聞こえたら、アリスイが近くいるかもしれません。
キツツキの仲間ですが名前の通りアリを食べるため、地面で採餌をしていることもるので、藪やヨシ原の近くの地面も探してみるといいでしょう。
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オオジュリン
オオジュリンは主に河川敷のヨシ原に生息している野鳥です。夏の河川敷のヨシ原の代表種がオオヨシキリなら、冬のヨシ原の代表種はオオジュリンといってもいいでしょう。乾いたヨシ原でパチパチと音を立てながら採餌をする姿がよく見られます。
冬のヨシ原とオオジュリンは保護色になり、一見見つけるのが難しそうですが、比較的数が多いのと活発に動き回ってヨシのてっぺんに止まることも多いので、観察は簡単な野鳥です。
クイナ
クイナは主に河川敷のヨシ原や藪などに生息している野鳥です。
警戒心が強く、普段はヨシ原や藪の中に潜んでいるため観察は難しい野鳥ですが、人のいない時間帯にはヨシ原の際などで採餌する姿が見られるので、クイナを探す際は人の少ない早朝などがおすすめです。
コミミズク
コミミズクはフクロウの中まで、河川敷にいるネズミやモグラといった小動物を獲物として土手を飛び回ることの多い野鳥です。
コミミズクが狩りを始める夕方に土手の上を歩きながら河川敷を飛び回るコミミズクを探してみるといいでしょう。その際は昼間にコミミズクが姿を隠すことができるヨシ原や藪があるような場所がおすすめです。
特に前日が雨や強風で狩りができなかった次の日はコミミズクが現れる可能性が高くなります。
タヒバリ
タヒバリはセキレイ科の野鳥らしく地面で採餌をすることが多い野鳥で、河川敷の草原や土手でよく見られます。
河川敷の運動場の周りなど、背丈の低い草原で群れで採餌をしている姿が見られるので、利用者がいない時に運動場などの周りで探してみるといいでしょう。
水際の岩場で採餌をしていることもあるので、水際も要チェックです。
生息地が被るハクセキレイとシルエットが似ているので識別には注意しましょう。
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ユリカモメ
ユリカモメは主に下流域の河川敷でよく見られる野鳥です。東京都の鳥にも指定されている野鳥で、冬には群れで河川敷の草原で休んでいる姿がよく見られます。
警戒心の薄い野鳥で、普段から人の多い場所ならかなり近くで観察することができる野鳥です。
冬羽は真っ白なカモメですが、北へ帰る直前の春先には顔が黒くなってユニークな顔になります。
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