オオヨシキリが見られる生息地と探す際のポイント
オオヨシキリは主に夏鳥として日本にやってきます。名前に「ヨシ」と付く通りヨシ原でよく見られ、ヨシの上の方で「ギョギョギョ・・・」と非常に大きな声でさえずります。カッコウの托卵相手としても有名な野鳥で、オオヨシキリが多く生息している場所ではカッコウもよく見られます。
夏鳥の中では比較的渡来数が多い野鳥で、オオヨシキリの生息地となっているヨシ原では、初夏にオオヨシキリの大合唱が聞けることでしょう。田んぼの脇にあるような小さなヨシ原でも見られるため、ヨシがある場合は狭くてもとりあえず探してみるといいでしょう。
ヨシのてっぺんでさえずっていることが多いので、河川敷や湖沼の周囲など堤防の上からヨシ原の広範囲を見渡せるような場所で観察するのがおすすめです。
オオヨシキリの見られるヨシ原は日陰がない場合が多く、真夏にオオヨシキリを観察しに行くと熱中症になる可能性があるため、オオヨシキリを探しに行く場合は渡来直後の5月あたりがおすすめです。
また、同じくヨシ原や草原で見られるコヨシキリとは見た目や生態がよく似ているので識別には注意が必要です。
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六郷橋緑地【東京都】
東京都大田区にある多摩川六郷橋緑地は、多摩川沿いにヨシ原が広がっており夏にオオヨシキリが数多くやってきます。
多摩川六郷橋緑地は京浜急行の六郷土手駅のすぐ近くにあるためアクセスがよく、気軽にオオヨシキリを観察できるためおすすめの場所です。
ヨシ原の中にあるテトラポッド前の干潟は、シギチドリなど多くの野鳥が見られるポイントなので、オオヨシキリを探すならこのポイントで他の野鳥と併せて探すといいでしょう。
また、水門付近の堤防の上からはヨシ原を一望できるので、水門付近で探すのもおすすめです。堤防の上は自転車やランニングをしている方が多いので立ち止まってオオヨシキリを探す際は周りに十分注意しましょう。
北区・子どもの水辺【東京都】
東京都北区にある北区・子どもの水辺には主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。
園内にある荒川と繋がっている大池と小池周囲にヨシやオギの群落があり、オオヨシキリはそのヨシやオギの群落で見ることができます。大池や小池の周囲は歩道が通っているので、群落が順光になる方向からオオヨシキリを探していくといいでしょう。
大池や小池周囲の歩道は草刈りがされていない場合は草むらを分け入っていくことになるので、長ズボンが必須です。草むらにはヘビがいることもあるので、草むらを歩く際は足元に十分注意しましょう。
多摩川河口付近【神奈川県】
多摩川河口付近の神奈川県側には広大なヨシ原があり、多くのオオヨシキリが夏鳥として生息しています。
堤防の上には歩道が通っており、昼間は常に順光の状態でヨシ原を見渡すことができるので、オオヨシキリの観察に非常に適したポイントになっています。大師橋から河口までを往復しながら、堤防の上からオオヨシキリを探すといいでしょう。堤防をブラインド代わりに利用できるポイントでは、堤防沿いにあるヨシ原の際までオオヨシキリが寄って来ることもあるので、それらの場所で待ってみるのもおすすめです。
大師橋の周辺のヨシ原が一番広くオオヨシキリの数も多いポイントで、京浜急行の大師橋駅からも近いので時間がない場合などは大師橋周辺で探すといいでしょう。
手賀沼【千葉県】
千葉県北西部にある手賀沼は沼の周囲にヨシ原が広がっています。
手賀沼は周囲を遊歩道が通っており、一周することができるので、太陽の位置に合わせてヨシ原が順光になる場所でオオヨシキリを探すといいでしょう。
オオヨシキリは手賀沼のどこでも見られますが、北側にある手賀沼遊歩道が他の野鳥も多く見られるため特におすすめです。
また手賀沼はかなり広いため、手賀沼でオオヨシキリを探す際はレンタサイクルを利用すれば効率よくオオヨシキリを探すことができます。
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北部中央1号調整池【千葉県】
千葉県柏市にある北部中央1号調整池には主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。北部中央1号調整池はつくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅から徒歩5分ほどとアクセスがよく、気軽にオオヨシキリを観察することができるポイントです。
オオヨシキリは主に調整池北部のヨシ原で見られます。調整池は歩いて1周することができるので、ヨシ原が順光で観察できる場所からオオヨシキリを探していくといいでしょう。調整池周囲は柵で囲われているので柵をブラインド代わりに利用してオオヨシキリを観察するのがおすすめです。
また、オオヨシキリはすぐそばにある北部中央2号調整池でも見られることがあるのでこちらも併せて探してみるといいでしょう。
彩湖【埼玉県】
埼玉県の荒川沿いにある彩湖には主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。
オオヨシキリは主に彩湖北側のヨシ原や、戸田ヶ原自然再生エリア、荒川の土手沿いなどの各所で見られます。
特に北側のヨシ原は昼間に順光で土手の上から広い範囲を見渡すことができるおすすめポイントです。ヨシのてっぺんや、ヨシ原の中にある木々を中心に探していくといいでしょう。土手の上は自転車やランナーが多く通るので観察の際は邪魔にならないように注意しましょう。
戸田ヶ原の自然再生エリアはヨシやオギの中を歩くことができるので、運が良ければかなり近くでオオヨシキリを観察することができるでしょう。
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芝川第一調節池【埼玉県】
埼玉県さいたま市にある芝川第一調節池には主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。
芝川第一調節池はヨシ原に囲まれており、各所でオオヨシキリを見ることができます。
調節池周囲の土手の上は遊歩道が通っているので、順光になる場所からヨシ原を見渡してオオヨシキリを探すといいでしょう。
ヨシ原の中には木々も点在しており、オオヨシキリはそれらの木々のてっぺんでさえずっていることも多いので、土手に近い場所に木々がある場所を中心に探すのもおすすめです。
土手の上の遊歩道はランナーや自転車の通行も多いので土手の上からオオヨシキリを探す際は通行の邪魔にならないように十分注意しましょう。
伊佐沼【埼玉県】
埼玉県川越市にある伊佐沼では主に夏鳥としてオオヨシキリが見られます。
オオヨシキリは主に伊佐沼の北側にある、ヨシの密集地帯で見られます。ヨシは沼北側の中央付近に多く、歩道からは少し離れていますが、視界を遮るものはないので、ヨシの上の方で鳴いていれば見つけるのは難しくないでしょう。
ヨシは水際には生えているので、歩道に人がいない時はオオヨシキリがかなり近くで見られる可能性もあるので、早朝などの人の少ない時間帯は要チェックです。
ヨシ原の中にはヨシゴイも潜んでいるので、オオヨシキリと併せて探してみるといいでしょう。
また、伊佐沼は古代蓮で有名な場所なので、蓮の開花時期である7月よりも前に行くのがおすすめです。
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入間川中流域【埼玉県】
埼玉県狭山市を流れる入間川中流域には、主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。
入間川の水際にはヨシが点在しているので、それらの場所を中心に探していくといいでしょう。ヨシのすぐ近くを歩ける場所もあるのでそれらの場所で探すのが特におすすめです。
ヨシの近くに木々がある場所では、木の上で鳴いていることもあるので、土手の上から河川敷の木々の上の方を探してみるのもいいでしょう。
入間川の中流域は釣り人の方も多いのでバードウォッチングをする際は人の少ない平日の午前中などがおすすめです。
牛久沼【茨城県】
茨城県龍ケ崎市にある牛久沼には主に夏鳥としてオオヨシキリが生息しています。
牛久沼の周囲にはヨシ原が点在しており、多くのオオヨシキリを見ることができます。オオヨシキリを探す際は駐車場やトイレが整備されている牛久沼の南端にある牛久沼水辺公園を拠点にして探すといいでしょう。
牛久沼水辺公園の西側の沼沿いは土手の上を歩くことができ、ヨシ原を広範囲に見渡すことができます。そのため、ヨシや枝先のてっぺんでさえずるオオヨシキリを目線の高さや目線よりも下で見ることができるので、観察がしやすくおすすめのポイントです。
土手の上の道は道幅が狭いながら時折車やバイクが通るので立ち止まってオオヨシキリを観察する際は車やバイクに十分注意しましょう。
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渡良瀬遊水地【栃木県他】
栃木県他4県にまたがる渡良瀬遊水地では春から夏にかけて多くのオオヨシキリがやって来ます。
渡良瀬遊水地にはオオヨシキリが好むヨシ原が広がっているため、オオヨシキリは遊水地内の各所で観察することができます。特に注意して探さなくとも遊水地内を歩いていればヨシ原の中でさえずるオオヨシキリを見ることができるでしょう。
探す際は堤防の上などヨシ原を広く見渡せる場所がおすすめです。
また渡良瀬遊水地には見た目と生態が似ているコヨシキリも夏鳥として生息しているため、識別には注意が必要です。
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多々良沼【群馬県】
群馬県館林市にある多々良沼は、上記の手賀沼と同じく沼の周囲にヨシ原が広がっており、多くオオヨシキリがやってきます。
沼の周囲には遊歩道が整備されているため時間があれば沼の一周回ってみるといいでしょう。小鳥類などと併せて探す場合は林が多い東側の自然ふれあいエリア周辺がおすすめです。
時間がない場合は沼の西側からガバ沼にかけてがヨシ原が広くおすすめです。ガバ沼から浮島弁財天の間がヨシ原をよく見渡せるポイントになります。
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福島潟【新潟県】
新潟県新潟市にある福島潟は湖の周囲に広大なヨシ原があり、オオヨシキリを観察することができます。
オオヨシキリはヨシ原のいたるところで見られますが、福島潟には姿かたちのよく似たコヨシキリもやって来るので見間違えないように注意しましょう。
野鳥観察施設の雁晴れ舎がある自然学習園はヨシ原の中を歩けるので特におすすめのポイントです。雁晴れ舎の中には野鳥情報も掲示されているのでチェックしてみるといいでしょう。
また福島潟にはオオヨシキリへの托卵を狙うカッコウも多く見られるので合わせて探してみるのをおすすめします。
新潟県内では鳥屋野潟や佐潟、瓢湖などもオオヨシキリが多いのでおすすめです。
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管理人がオオヨシキリを確認した場所一覧
北区・子どもの水辺【東京都】
潮来IC付近【茨城県】
女神湖【長野県】