ネットの発達によて野鳥の観察は以前よりもかなり簡単にになりました。それでも、ネットの情報に頼らずに自力で目的の野鳥を観察できた時はうれしいものです。
そこで今回は自力で野鳥を探す際に知っていると役立つポイントや目的の野鳥を見つけるためのテクニックなどを紹介します。
見られる時期を知る
日本で見られる野鳥といってもすべての野鳥が1年中観察できるわけではありません。
野鳥には留鳥・漂鳥・夏鳥・冬鳥・旅鳥・迷鳥などに分かれます。
留鳥はその名の通りその場にとどまる野鳥。1年を通して同じ場所で観察できる野鳥です。
漂鳥は季節によって国内で移動する野鳥です。夏は涼しい高地にいて、冬は比較的暖かい平地に降りてくる野鳥などを言います。
夏鳥・冬鳥はその名の通り、夏や冬になると海外からやってくる野鳥です。
旅鳥は渡りの途中に日本に立ち寄る野鳥です。主に春と秋に見られます。
迷鳥は渡りの途中などに日本に迷い込んでくる野鳥です。本来日本では見られない野鳥なので迷鳥と呼ばれる野鳥を狙ってみるのは非常に困難です。
目的の野鳥がどれに分類されているか知っていれば、見つけられる可能性は格段に上がります。
生息環境を知る
野鳥にはそれぞれ好む生息環境があります。野鳥の生息環境といえば山地・林・草原・湖沼・川・海などがあげられますが、これらの生息環境は以下の様にさらに細かく分けられます。
山地:高山帯・亜高山帯・低山帯等
林:広葉樹林・針葉樹林・混合林等
草原:高原・湿生草原等
川:渓流・上流域・中流域・下流域等
海:海岸・沖合・干潟等
農耕地:田んぼ・畑・干拓地等
例えば同じ山地で見られる野鳥でも、イワヒバリは高山帯、コマドリは亜高山帯、キビタキは低山帯と生息地が棲み分けられています。標高が少し違うだけで見られる野鳥がガラッと変わってしまうのでその野鳥にあった生息環境で探すことはとても大切です。
生息域を知る
留鳥は当然として、夏鳥や冬鳥も毎年飛来する地域はほぼ決まっています。そのため、いくら見られる時期や生息環境が合っていたとしても、そもそも飛来しない地域だと目的の野鳥を見ることはかなり難しくなります。
野鳥によっては一部のごく限られた地域にしか生息していないものもいるので、目的の野鳥の生息域は必ずチェックしましょう。
ただし、一般的に図鑑などに載っている野鳥の生息地は、その野鳥すべての生息地を網羅しているわけではないため、まだまだ人に知られていない生息地がある可能性は大いにあります。そういった点からも生息域外でも目的の野鳥を探してみる価値は十分にあるでしょう。
食性を知る
野鳥はそれぞれ主食とするものが違っています。例えばカワセミなら魚、キビタキやオオルリなら小さな昆虫などです。当然ですが、その野鳥の主食となるものが多ければ多いほどその野鳥が見られる可能性は高まります。
例としてネズミが大発生した年には猛禽類の数が大幅に増えたり、ドバトの増加によるオオタカの都市部への進出、花の開花時期の変化による野鳥の飛来時期の変化など、食物の数や時期の変動は野鳥の数の増減に直結します。
一部の野鳥には特に好んで食べるものがあり、それらがある場所では見られる可能性が大きく高まります。
野鳥とその野鳥の好物の例
ヒレンジャク・キレンジャク=ヤドリギ
イカル=エノキの実
オオマシコ=萩の実
イスカ=松ぼっくり
ハチクマ=ハチ
コミミズク=ネズミ
見られる時間帯を知る
一般的に野鳥の観察は早朝がベストといわれています。多くの野鳥は夜明けと共に活動を開始し、エサを探して飛び回り、さえずりも頻繁に行うため野鳥を見つけられることが多くなります。また、人の多い公園や観光地などでは早朝は人が少なく野鳥の警戒心も薄くなります。
ただし、例外も多くあります。干潟で見られるシギチドリなどは干潟が出現する時間帯に多く見られますし、フクロウ類やヨタカなどの夜行性の野鳥は日が陰ってきた夕方の方がよく見られます。
声を知る
野鳥を探すうえで目的の野鳥の声を知っているというのは大きなアドバンテージです。
ベテランのバードウォッチャーの方は声を少し聞いただけで野鳥の種類を当ててしまいますが、その域に達するにはかなりの時間と経験が必要です。
幸い、現在はyoutubeに各野鳥の声がアップされていたり、鳥の声図鑑などが売っているため、それらを利用して事前に目的の野鳥の声を覚えておくといいでしょう。基本的にはさえずりを覚えると思いますが、さえずるのは基本的に繁殖期になります。繁殖期以外は地鳴きといって、さえずりとは異なる鳴き方をするので両方の鳴き方を覚えておくと、目的の野鳥が見られる確率が上がるでしょう。
また、一部の野鳥のさえずりには、「聞きなし」と呼ばれる言葉があてはめられています。
聞きなしの例
ホトトギス「特許許可局・てっぺんかけたか」
サンコウチョウ「月、日、星、ホイホイホイ」
センダイムシクイ「焼酎一杯グイー」
コノハズク「仏法僧」
さえずりに聞きなしがある野鳥は特に覚えやすいので、自分でオリジナルの聞きなしを作って覚えるのもおすすめです。
コメント
神奈川県で野鳥のウソを探しています、最近見かけた方は教えて下さい。