ゴジュウカラが見られる生息地と探す際のポイント
ゴジュウカラは主に留鳥や漂鳥として山地の林に生息しています。「カラ」と名がついているため、一般的にカラ類と呼ばれていますが、カラ類の中でもシジュウカラ科のシジュウカラやコガラ、ヒガラなどと異なりゴジュウカラ科の野鳥です。
キツツキの様に木の幹を駆け上がりながら餌を探す姿がよく見られ、木の幹に対して逆さになって降りることできるのが特徴となっています。
木の幹を登ったり下りたりすることが多いので、ゴジュウカラを見つけたら幹の低い場所まで来るのを待つといいでしょう。
「フィフィフィフィ・・・・・・」と連続に大きな声でさえずるので、さえずりを頼りに探すのもおすすめです。
同じく木の幹を駆け上がる習性のある野鳥にキバシリがいますが、キバシリはゴジュウカラの様に逆さになって木の幹を下りることはなく、色も茶色いので簡単に識別することができます。
また、「シジュウカラ」とは名前が非常によく似ていますが、見た目は異なる点が多く、識別は比較的簡単です。
戦場ヶ原【栃木県】
栃木県日光市にある戦場ヶ原にはゴジュウカラが留鳥として生息しています。
ゴジュウカラは戦場ヶ原一帯の林に生息しており、各所で観察することができます。
湯川沿いの自然研究路の木道が明るい場所も多くゴジュウカラを観察するのにおすすめのポイントになっていますが、自然研究路はハイキングコースとしても有名な場所などで、人が多い場合は小田代原方面に行くといいでしょう。体力に自信のある方は冬にオオワシやオジロワシが見られることがある千手ヶ浜まで足を延ばしてみるのもおすすめです。
戦場ヶ原ではヒガラやコガラなどの他のカラ類も数多く生息しており、それらのカラ類やキバシリと混群を形成していることが多いので、カラ類の群れを探すのもおすすめです。
落葉樹の多い戦場ヶ原では冬になると葉が落ち木の幹を移動して飛び回るゴジュウカラが非常に観察しやすくなりますが、冬の戦場ヶ原はスノーシューが必要なほど雪が積もることがあるので事前に積雪状況はチェックしておくといいでしょう。
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清里高原【山梨県】
山梨県の八ヶ岳南麓にある清里高原には高原周囲の林にゴジュウカラが留鳥として生息しています。
ゴジュウカラを探す際は八ヶ岳ふれあい自然センター周辺の自然歩道を中心に探すのがいいでしょう。自然歩道は複数のコースがあり、短距離から長距離まで様々なコースがあるので、時間や体力に合わせてコースを選ぶといいでしょう。
また、センター内には野鳥情報が掲示してあるので事前にチェックしてみるのをおすすめします。
清里高原は1年を通して野鳥を観察できる探鳥地なので、多くの夏鳥の観察できる初夏や、葉が落ちてゴジュウカラが観察しやすくなる冬など、何度か訪れてみることをおすすめします。
柳沢峠【山梨県】
山梨県の甲州市にある柳沢峠ではゴジュウカラが留鳥として生息しています。
柳沢峠でのゴジュウカラの主な観察ポイントは笠取林道とブナのみちの二つになります。
笠取林道の方は舗装されており歩きやすく斜面林を飛び回るゴジュウカラを観察しやすくなっています。しかし、笠取林道はコマドリやコルリといった人気の夏鳥の有名な観察ポイントのため、初夏の休日には多くの人で賑わうため、ゆっくりとゴジュウカラを観察するのには向いていません。
反対にブナの道の方は、笠取林道に比べて人も少なくゆっくりとゴジュウカラを探すことができますが、鬱蒼とした道が多く舗装もされていないためゴジュウカラの観察は少し難しくなっています。
コマドリやコルリが見られる時期以外は人も少なくのなるので、ゴジュウカラを目的に行く際は秋から冬にかけてがいいでしょう。
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西臼塚【静岡県】
富士山の静岡県側にある西臼塚ではゴジュウカラが留鳥として生息しています。
駐車場の東西に遊歩道が整備されており、西側の遊歩道が西臼塚へ登ったり、西臼塚の周りを一周できるようになっています。西臼塚に登ると、傾斜林の上の方でさえずるゴジュウカラも目線の高さで見ることができるので、西臼塚に登りながら傾斜林を探すのがおすすめです。
東側の遊歩道はほとんどが下りのため、戻ってくるのが大変になりますが、西側に比べて人が少なく、ゆっくりとゴジュウカラを探したい場合はおすすめです。低木林を抜けた先の林が野鳥の数が多くおすすめのポイントです。
西臼塚はコルリやマミジロなど多くの夏鳥が観察できる探鳥地なので、留鳥として生息しているゴジュウカラの観察はそれらの野鳥が同時に観察できる初夏~夏がおすすめです。
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水ヶ塚公園【静岡県】
富士山の静岡県側にある水ヶ塚公園では主に夏鳥としてゴジュウカラが生息しています。
ゴジュウカラを探す際は腰切塚の遊歩道や、道路を挟んで反対側にある富士山自然休養林歩道で探すといいでしょう。
特に富士山自然休養林歩道は比較的人が少なくゆっくりとゴジュウカラを探せるためおすすめです。歩道はアップダウンもほとんどないので、軽装でも問題ありません。
富士山のマイカー規制時も水ヶ塚公園までは自家用車で行くことができますが、駐車場は有料になるので注意しましょう。
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軽井沢野鳥の森【長野県】
長野県軽井沢町にある軽井沢野鳥の森にはゴジュウカラが留鳥として生息しています。
園内には遊歩道といくつかの休憩所が整備されているので、アカゲラ休憩所など各休憩所を中心にゴジュウカラを探すといいでしょう。
湯川沿いの小瀬林道もおすすめのポイントです。林道と湯川の間は傾斜地になっているので、木の幹の上の方を移動するゴジュウカラも目線の高さで観察することができます。
軽井沢野鳥の森はツキノワグマの生息地としても有名な場所なのでゴジュウカラを探す際は冬がおすすめです。
戸隠森林植物園【長野県】
長野県長野市にある戸隠森林植物園では、ゴジュウカラが留鳥として生息しています。
園内には複数の遊歩道が整備されており、一部はバリアフリー化もされているため非常に歩きやすく、ゴジュウカラを探しやすくなっています。
小川の小径など水場が近く、他の野鳥も多い場所で探すのがいいでしょう。
園内の奥の方は人も少ないのでゴジュウカラをゆっくりと探したい場合は外周の小径や鏡池方面もおすすめです。鏡池まで行ってしまうと人は多くなりますが、コルリなども見られます。
戸隠森林植物園は夏鳥のコルリやノジコ、秋の渡りの時期のムギマキやマミチャジナイで有名な場所なので、留鳥として生息しているゴジュウカラの観察はそれらの野鳥が見られる時期に行うのがおすすめです。
八ヶ岳ふれあい公園【長野県】
長野県の南牧村にある八ヶ岳ふれあい公園にはゴジュウカラが留鳥として生息しています。
園内にはラニングコースなどが整備されており、林の中を歩くことができます。休日にはランナーや自転車も多いので注意しながらゴジュウカラを探しましょう。
冬になると雪が積もってゴジュウカラを探すのが大変になるので、葉が落ちて探しやすくなる雪が降る前の晩秋から初冬がおすすめです。
八ヶ岳ふれあい公園は春から夏にかけてコムクドリが多く見られる探鳥地なので、コムクドリと併せて探すのもいいでしょう。
管理人がゴジュウカラを確認した場所一覧
埼玉県民の森【埼玉県】
日光二荒山神社宝物館【栃木県】
清里高原【山梨県】
戸隠森林植物園【長野県】
中瀬沼【福島県】