見かけた一羽を、名前につなぐ。
鳥の名前がわからないときは、色・大きさ・動き・見た場所のうち、覚えている特徴から探してみましょう。
「青かった」「スズメより大きかった」「尾を上下に振っていた」。一つの手掛かりから候補を選び、写真や模様を比べられるガイドです。色や動きだけで決めず、最後に季節と観察した地域も確かめてください。
色が分からなければ大きさや動きへ。候補が2種類まで絞れたら、似ている野鳥の比較一覧で違いを確認できます。
01 色から鳥の名前を探す
全身の色でなくても大丈夫です。背中、お腹、顔など、いちばん印象に残った部分の色を選んでください。写真は各色の一例です。
青い鳥青い背・翼・尾写真:カワセミ
緑色の鳥黄緑の体・緑の羽写真:メジロ
黄色い鳥黄色い腹・翼・顔写真:キセキレイ
オレンジ色の鳥橙色の胸・お腹写真:ジョウビタキのオス
赤い鳥赤・ピンクの羽写真:ベニマシコのオス
白い鳥白い体・長い首写真:コサギ
黒い鳥黒い体・黒っぽい羽写真:オオバン
白黒の鳥白と黒の模様写真:ハクセキレイ
茶色い鳥褐色・地味な小鳥写真:スズメ
灰色の鳥灰色の背・体写真:ヒヨドリ色を選んだあと、どこを見ればいい?
- 青い鳥:水辺のカワセミ、街中のイソヒヨドリなど。腹の色と、くちばしの長さも確認。
- 緑色の鳥:メジロ、アオゲラ、アオバトなど。白い目の輪があるか、体はどのくらいかを比べる。
- 黄色い鳥:キセキレイ、キビタキ、アオジなど。黄色い部分と尾の長さに注目。
- オレンジ色の鳥:ジョウビタキのオス、ヤマガラ、アカハラなど。顔と翼の白い模様を比べる。
- 赤い鳥:ベニマシコやオオマシコのオスなど。赤いのが体全体か、一部分かを確認。
- 白い鳥:白いサギ、ハクチョウなど。立っているか泳いでいるか、脚とくちばしも手掛かり。
- 黒い鳥:カラス類、カワウ、オオバンなど。くちばしと額の色、体形を比べる。
- 白黒の鳥:シジュウカラ、ハクセキレイなど。胸の黒い線、白い頬、尾の長さを見る。
- 茶色い鳥:スズメ、ホオジロ、モズのメスなど。頬の斑点・眉の線・胸の模様を確認。
- 灰色の鳥:ヒヨドリ、ムクドリ、アオサギなど。体の大きさと、頬・くちばし・脚の色で絞る。
光の向きによって、青い羽が黒く見えたり、緑色が弱く見えたりします。メス・幼鳥・換羽中の鳥は写真と異なる姿の場合があります。ぴったりの色がなければ、近い色を二つ比べてみましょう。
02 スズメと比べた大きさから探す
見慣れたスズメやハトを目安にすると、候補を整理できます。遠近や羽の膨らみで印象は変わるので、大きさはおおよその目安にします。
スズメより小さく感じた
メジロ、コゲラ、キクイタダキなど。丸い体だけでなく、くちばしの細さや尾とのバランスも確認します。
スズメと同じくらい
スズメ、シジュウカラ、アオジ、カワラヒワなど。茶色い鳥なら頬の斑点、白黒なら胸の線、黄色なら翼と腹を見ます。
スズメより大きく、ハトより小さい
ムクドリ、ヒヨドリ、ツグミなど。細身で尾が長いセキレイ類も、スズメより大きく見えます。
ハトくらい、またはもっと大きい
街中ならハトやカラス、水辺ならカモ・サギなどが候補。首と脚の長さ、泳ぐか歩くかも組み合わせましょう。
図鑑の「全長」は、くちばしの先から尾の先までの長さです。エナガやセキレイの仲間は尾が長いため、全長と体の大きさを分けて考えると比べやすくなります。この区分だけで種類を除外する必要はありません。
03 尾の振り方・歩き方など、動きから探す
一瞬しか見えなくても、動きが手掛かりになることがあります。下の候補から、次に確認する模様を一つ選んでみてください。
尾を上下に振りながら歩いていた
ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイなどが候補。枝先で尾を動かすモズやジョウビタキ、水際で腰を動かすイソシギも比べます。
尾を振る鳥の見分け方へ →地面を歩き、立ち止まっていた
ムクドリ、ツグミ、ハクセキレイなど。落ち葉をめくる鳥ならシロハラなども候補になります。胸の模様と、くちばし・脚の色を確認。
冬に地面で見られる鳥へ →木の幹に縦にとまり、登っていた
キツツキの仲間などが候補。小さく、背中に白黒の横模様があればコゲラを比べます。頭を下にして幹を下りる鳥ではゴジュウカラも候補。
コゲラの特徴を見る →水面を泳いだり、水に潜ったりしていた
カモ類、カイツブリ類、オオバンなど。潜る動きだけでカモとは決めず、くちばしの形や額の色を見ます。
カモの種類を比べる / オオバンを見る / カイツブリを見る花や木の実に来ていた
小さな黄緑色の鳥ならメジロ、大きめで灰色ならヒヨドリなど。梅の花にいるという理由だけでウグイスとは判断せず、目の周りを確認します。
メジロを見る / 庭に来る鳥を比べる電線にとまっていた・群れていた
スズメ、ムクドリ、ツバメ、ハト、カラスなど。逆光で色が分からないときは、体格、姿勢、尾の形、群れの様子を見ます。
電線にいる鳥の見分け方へ →04 庭・公園・川など、見た場所から探す
庭・家の周り
庭木、屋根、地面のどこにいたかも思い出しましょう。スズメ、メジロ、ヒヨドリなどの写真を比べられます。
庭に来る鳥のガイドへ →公園・街路樹
枝先、幹、植え込みで候補が変わります。まずは身近な鳥から、冬なら冬の鳥も確認します。
身近な野鳥を見る / 冬の鳥を見る駐車場・舗装された地面
尾を振って歩くセキレイの仲間や、群れで餌を探すムクドリなど。脚、尾、歩き方を見比べましょう。
駐車場で見られる鳥へ →川・池・湖
水面を泳ぐ鳥、浅瀬に立つ鳥、岸を歩く鳥に分けます。同じ水辺でも体形はさまざまです。
カモの種類を見る / 白い水辺の鳥を見る / 青い鳥を見る田んぼ・畑・草地
水の有無や稲の高さで鳥の顔ぶれが変わります。サギ、セキレイ、シギの仲間などを季節と合わせて確認。
田んぼの野鳥のガイドへ →海辺・干潟・港
白い鳥ならカモメやサギ、茶色い小型の鳥ならシギ・チドリ類など。くちばしと脚の長さも手掛かりです。
白い鳥のガイドへ / 水鳥の比較記事へよくある手掛かりを組み合わせてみる
次の鳥は、特徴が重なったときの候補です。見えなかった部分は想像で補わず、リンク先の写真と比べてください。
| 覚えている特徴 | まず比べたい候補 | 次に確認するところ |
|---|---|---|
| 白黒・細身・地面で尾を振る | ハクセキレイ/セグロセキレイ | 頬が白いか黒いか。背中の黒さだけで決めない。 |
| 黄緑色・小さい・目の周りが白い | メジロと似た鳥 | 白い輪が目を囲むか。眉のような線との違い。 |
| 茶色・スズメくらい | スズメ/ホオジロ/アオジなど | 頬の黒い斑点、白い眉、腹の黄色や縦模様。 |
| 灰色・スズメより大きい・街中 | ヒヨドリ/ムクドリ | 頬の色と、くちばし・脚の色、尾の長さ。 |
| 青い背・オレンジ色のお腹 | カワセミ/イソヒヨドリ | 長く尖ったくちばしか。体格と、青い部分の位置。 |
| 白い体・長い脚・田んぼや浅瀬 | コサギ/ダイサギなど | 足指、くちばし、首と体の大きさ。 |
| 黒っぽい体・白いくちばしと額・泳ぐ | オオバン | 白色がくちばしから額へ続いているか。 |
候補が見つかったら、模様・季節・地域を確認
- 顔とくちばしを見る。白い目の輪、眉の線、頬の斑点、くちばしの長さや色を比べます。
- 胸・翼・尾の模様を見る。縦線、斑点、白い帯など、色の濃さより模様の位置に注目します。
- 観察した月と都道府県を照合する。地域・標高・季節で見られる鳥は変わります。春秋の移動中には、いつもと違う場所に立ち寄ることもあります。
代表的な姿と少し違っても、メスや幼鳥、季節で羽が変わった個体かもしれません。似ている野鳥の違いと見分け方では、種類同士の比較に加えて、オス・メス、幼鳥、夏羽・冬羽の記事を探せます。
鳥の名前が分からないときのよくある質問
写真がなくても、名前を調べられますか?
大きさ、色のある部分、いた場所、動き、見た日と地域から候補を絞れます。「白黒の小鳥」「セキレイの仲間」のように、分かる範囲で記録しておけば十分です。
色が暗くて分かりません。どこから探せばいいですか?
大きさと体形、尾・脚・くちばしの長さから探してください。白い斑や線が見えれば、その位置も手掛かりになります。逆光で黒く見えただけの可能性もあるので、黒い鳥だけに絞りすぎないようにします。
鳴き声だけ覚えている場合は?
聞こえた言葉に加え、高いか低いか、短く区切るか伸ばすか、何回繰り返すかをメモします。庭で聞いた声は庭に来る鳥のガイドも参考になります。文字の聞こえ方には個人差があり、同じ鳥も複数の声を出します。声と環境・季節を合わせて比べましょう。
同じ色の鳥が何種類もいて、決められません。
候補を二つか三つ残して、次に確認する点を一つ決めます。たとえば白黒のセキレイなら頬の色。候補の名前が分かったら見分け方の比較一覧へ進んでください。
写真が図鑑と少し違います。珍しい鳥でしょうか?
メス、幼鳥、羽の生え替わり、光の当たり方でも姿は変わります。まず身近な候補の別の姿を確かめましょう。写真一枚では決まらないこともあります。探鳥会などで相談する場合は、全身が分かる写真に日時・地域・環境を添えると伝わりやすくなります。
見分け方の参考:日本野鳥の会 BIRD FAN「野鳥の見分け方」。鳥ごとの特徴・写真・比較は、各リンク先のサイト内記事をご覧ください。
掲載写真:野鳥情報.comの既存記事から。写真の大きさは実際の鳥の比率を表していません。このガイドは代表的な候補を探す入口で、日本のすべての鳥を網羅したものではありません。