チュウヒが見られる生息地と探す際のポイント
チュウヒは主に冬鳥として日本にやってきます。
チュウヒは河川敷や湿地にあるヨシ原に生息していることが多く、ヨシ原の中にねぐらを作ります。そのため、夕方になるとヨシ原上空に複数のチュウヒが集まって飛び回ったり、近くの枝や杭に止まることがあります。
他の猛禽類に比べて低空を飛ぶことが多く、よくヨシ原すれすれを飛んで獲物を探しています。湖畔や河川敷のヨシ原近くを歩いているといきなりチュウヒが飛び出してくることもよくあるので、ヨシ原の近くを歩く時はいつチュウヒが飛び出して来てもいいように双眼鏡やカメラから手を離さないようにしましょう。
またチュウヒには大陸型と呼ばれる、頭や羽が黒いものもいます。
国内型と呼ばれる茶色のチュウヒよりも数が少なく見られる機会は少ないですが、生息環境は国内型と同じなのでチュウヒが多く生息している場所で探してみるといいでしょう。
手賀沼【千葉県】
千葉県北部にある手賀沼では主に冬鳥として沼周囲のヨシ原にチュウヒが生息しています。
手賀沼の周囲にはヨシ原があるポイントがいくつかありますが、手賀大橋を中心として北東にある手賀沼遊歩道や、手賀沼自然ふれあい緑道の展望台付近、南西の東屋近くの展望台あたりのヨシ原で探すといいでしょう。
手賀沼は広いので、レンタサイクルで自転車を借りて手賀沼を1周しながらチュウヒを探すのもおすすめです。
チュウヒ以外の野鳥も併せて観察するのならば、アリスイやクイナなどが期待できる手賀沼遊歩道がおすすめです。
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コジュリン公園【千葉県】
千葉県香取郡にあるコジュリン公園は黒部川と利根川に挟まれた河川敷にある公園です。
利根川沿いには広大なヨシ原が広がっており、多くのチュウヒが主に冬鳥として生息しています。
多くのチュウヒはヨシ原と堤防を挟んで反対側の田園地帯を狩場としており、昼間にあぜ道に止まっている姿がよく見られます。
堤防の上からは田園地帯とヨシ原を一望することができるので、チュウヒを探す際は堤防の上から探すのがおすすめです。
田園地帯側はお昼から夕方にかけて逆光になるので、晴れている日は早朝に探すのがおすすめです。
ヨシ原の中にる低木に止まっていることがありますが、堤防からかなり距離がある場所がほとんどなので、それらの場所を探す場合は高倍率の双眼鏡などがあると便利です。
コジュリン公園にはヨシ原を一望できる野鳥観察デッキがあり、夕方にヨシ原へねぐら入りに来るチュウヒを観察するの絶好のポイントになっています。
芝川第一調節池【埼玉県】
埼玉県さいたま市を流れる芝川沿いにある芝川第一調節池には主に冬鳥としてチュウヒが生息しています。
調節池の周囲はヨシ原に囲まれており、ヨシ原上空を飛ぶチュウヒの姿を見ることができます。
調節池は堤防の上を歩いて周囲を1周することができるので、時間帯によってヨシ原を順光で見渡せる位置からチュウヒを探すといいでしょう。堤防の上の道は道幅が狭い場所も多いので、立ち止まってチュウヒを探す際は他の通行人の邪魔にならないように十分注意しましょう。
チュウヒはカラスの群れにモビングされていることもあるので、上空を鳴きながら飛び回るカラスの群れを探すのもおすすめです。
また、芝川第一調節池のヨシ原はアリスイやベニマシコなど人気の冬鳥が見られるポイントなので、それらの野鳥を観察しながらチュウヒが出現するのを待つのもいいでしょう。
涸沼【茨城県】
茨城県中部にある涸沼では沼の周りにヨシ原が広がっており、冬にチュウヒがやってきます。
涸沼の周りは田んぼが広がっている場所が多く、ヨシ原の前に視界を遮る障害物がない場所が多いためヨシ原上空を飛ぶチュウヒを探すのは比較的簡単です。泳いでいるカモの群れを観察しながらチュウヒの出現を待つといいでしょう。
涸沼周辺ではチュウヒの他にもオオタカやハヤブサ、チョウゲンボウなどの猛禽類がとても多いので識別には注意しましょう。
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稲敷【茨城県】
茨城県稲敷市には妙義ノ鼻と西ノ洲というチュウヒを観察するのにおすすめのポイントがあります。
妙義ノ鼻は霞ヶ浦南東部にある広大なヨシ原で冬には多くのチュウヒが観察できます。
アシ原の西側と東側には野鳥観察小屋があるので太陽の位置に合わせて順光になる方で観察するといいでしょう。
西ノ洲は妙義ノ鼻から西へ4キロほどの場所にある草原地帯で、妙義ノ鼻と同じく多くのチュウヒが観察できます。
妙義ノ鼻と違って野鳥観察小屋などはありませんが、草原の中にチュウヒの止まる枝や杭がいくつかあるので、それらの近くで待っていれば止まるチュウヒを観察できる可能性が高くなります。
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渡良瀬遊水地【茨城・栃木・埼玉・群馬県】
栃木県他4県にまたがる渡良瀬遊水地は広大なヨシ原が広がっており、チュウヒを始めとした多くの猛禽が観察できます。
渡良瀬遊水地は多くのヨシ原が点在していますが、チュウヒを狙うなら第1調整池付近のアシ原がおすすめです。
どの方向からもヨシ原を観察できるため、太陽の位置に合わせて順光になる場所でチュウヒを探しましょう。
また、谷中湖の北水門近くにあるウォッチングタワーの屋上から広範囲を一気に探してみるのもおすすめです。
ヨシ原ではチュウヒの他にもハイイロチュウヒが現れることがあるので注意して探してみましょう。
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福島潟【新潟県】
新潟県新潟市にある福島潟では、広大なヨシ原に主に冬鳥としてチュウヒが生息しています。
福島潟は新潟県内でも有数の猛禽類の越冬地で、チュウヒを始めとしてオオワシやオジロワシなども観察することができます。
福島潟には野鳥観察舎の雁晴れ舎があるので、まずは雁晴れ舎からチュウヒを探してみるといいでしょう。雁晴れ舎からは福島潟を一望できるので、ヨシ原の上空を中心に探してみましょう。
チュウヒは福島柄のヨシ原の各所に生息しているため、時間がある場合は福島潟を一周してみるのもおすすめです。雁晴れ舎の他には南東にある豊橋や、オニバス池にある展望台などがチュウヒを探すのに向いています。
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管理人がチュウヒを確認した探鳥地一覧