カワアイサが見られる生息地と探す際のポイント
カワアイサは主に冬鳥として日本にやってきます。名前に「カワ」と名の付く通り、大きな河川や湖沼など淡水域で見られることが多い野鳥ですが海水域でも見られます。潜水ガモの中でも大きい部類で、白い体は遠くからでもよく目立ちます。
カワアイサの生息地となっている広い湖などにはカモ達も多く見られることが多いですが、カワアイサはカモよりも一回り大きく、首やお腹の白色が目立つため、カモ達の群れに混ざっていても見つけるのはそれほど難しくありません。小さな群れを作って行動していることが多いので、水鳥の多い場所では白い小群を探してみるといいでしょう。
カワアイサの生息地となっている湖沼の近くでは、小さな河川や水路でも見られることがあります。こういった場所ではかなり近くでカワアイサを観察できる可能性があるので、探してみるといいでしょう。
潜水を繰り返すため、単独でいるカワアイサを観察する際は肉眼で水面の広い範囲を見渡しながら浮上したら双眼鏡などで観察するといいでしょう。
よく似ている野鳥にウミアイサがいますが、ウミアイサのオスは名前の通り海上や河口付近で見られることが多く冠羽が目立つので識別は簡単です。一方でメスはかなり似ているので要注意です。
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相模川・磯部頭首工【神奈川県】
神奈川県を流れる相模川中流域にある磯部頭首工周辺には主にカワアイサが冬鳥として越冬にやって来ます。
磯部頭首工の上流下流の東側には水際で出られるポイントがいくつかあるので、それらの場所からカワアイサを探すのがおすすめです。
磯部頭首工自体は立入禁止なので、磯部頭首工の近くにカワアイサがいる場合はフェンス越しの観察になるので高倍率の双眼鏡があるといいでしょう。
電車で行く際は、相武台下駅から下溝駅までを歩くと長い時間順光で観察することができるのでおすすめです。
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相模大堰【神奈川県】
神奈川県を流れる相模川中流域にある相模大堰周辺には主に冬鳥としてカワアイサが生息しています。相模大堰は相模線の社家駅から徒歩5分ほどとアクセスもよく気軽にカワアイサを観察できる探鳥地です。
相模大堰には歩行者と自転車が通行できる管理橋が架かっており、両岸からカワアイサを探すことができるので、太陽の位置に合わせて順光になる方からカワアイサを探すといいでしょう。
また、管理橋は工事などで通行止めになることがあるので、神奈川県のホームページで通行止め予定を確認しておくといいでしょう。
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寒川取水堰【神奈川県】
神奈川県を流れる相模川の下流域にある寒川取水堰周辺には主に冬鳥としてカワアイサが生息しています。
寒川取水堰の下流には神川橋が架かっており、相模川の両岸からカワアイサを探すことができます。寒川取水堰は立入禁止のため、堰の上流や下流で水際まで出られるポイントからカワアイサを探すのがおすすめです。堰上流の西側は、水際に木々がありうまくブラインド代わりに使えば、カワアイサを近くで観察することができるでしょう。
寒川取水堰の周辺は野球やサッカーのグラウンドがあり、休日には多くの人で賑わうので、カワアイサをゆっくりと探したい場合は人の少ない平日がおすすめです。
酒匂川河口周辺【神奈川県】
神奈川県を流れる酒匂川河口周辺には主に冬鳥としてカワアイサが生息しています。カワアイサは主にJRの鉄道橋や飯泉取水堰でよく見られるので、その間を往復して探すのがおすすめです。電車で行く場合は東海道線の鴨宮駅から徒歩15分ほどで酒匂川の河川敷に出ることができます。
酒匂川の西側は水際を砂利道が通っているのでカワアイサを探すのに向いていますが、警戒心が強いので水際にある草むらなどをうまくブライド代わりにしてカワアイサが近づいてくるのを待つといいでしょう。昼間は順光で酒匂川を見渡せるので、広い範囲を見渡しながらカワアイサを探していくといいでしょう。
カワアイサは酒匂川にあるコンクリートブロックの上で休んでいる場合もあるので、水面にカワアイサが見当たらない場合は各所にあるブロックの上を探していくといいでしょう。
栢山頭首工【神奈川県】
神奈川県を流れる酒匂川中流域にある栢山頭首工周辺には主に冬鳥としてカワアイサが生息しています。栢山頭首工は小田急小田原線の開成駅からすぐの場所にあり、アクセスがよく気軽にカワアイサを観察することができる探鳥地です。
開成駅を降りてすぐの土手を登ると栢山頭首工の西側に出ることができます。堰は立入禁止のため柵沿いから探すことになるので、高倍率の双眼鏡などがあると便利です。
カワアイサは堰の上で休んでいることもあるので水面だけでなく堰で休むカワウやサギ類の群れの中に混じっていないかチェックしましょう。
栢山頭首工でカワアイサが見られない場合には、開成駅と栢山駅の間を探すのがおすすめです。この区間は土手の上を歩道が通っており、酒匂川の広い範囲を見渡しながら探すことができ、水際に出られるポイントも多いので運が良ければかなり近くでカワアイサを見ることができるでしょう。
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渡良瀬遊水地【栃木県他】
4県にまたがる渡良瀬遊水地は冬に遊水池内にある谷中湖にカワアイサの群れがやってきます。
谷中湖は広大で三つのエリアに分かれているので、カワアイサを探す際は谷中湖に架かる橋の上からそれぞれのエリアを探してみるといいでしょう。時間帯に合わせて順光の位置から探すのがおすすめです。谷中湖の中心には野鳥観察窓もあります。
谷中湖にはシルエットの似たカンムリカイツブリも多いので、遠目での識別には注意が必要です。
谷中湖では2月の上旬から干し上げが始まり、カワアイサの観察が難しくなるので、カワアイサの観察は干し上げ始まる前にするといいでしょう。
また、渡良瀬遊水地では、風の強い日は立っていられないほどの強風が吹くため、風予報はかならずチェックしてから向かうようにしましょう。
東荒川ダム親水公園【栃木県】
栃木県塩屋町にある東荒川ダム親水公園には冬にカワアイサの群れがやってきます。
ダム湖は北側からしか観察できないため、カワアイサの群れが南側にいるとかなり遠くからの観察になってしまうので高倍率のフィールドスコープがあると便利です。駐車場のすぐ近くにある東屋の前がダム湖を広く見渡せるためおすすめです。
ダム湖内からカワアイサの群れが見難い場合は、公園を出て少し東に行った場所にある駐車場からもダム湖を望むことができるのでそちらからもカワアイサを探してみましょう。
カワアイサが見られる時期はダム周辺に雪が積もっていることが多いので、近くの栃木県民の森が発信している周辺の積雪情報をチェックしてから行きましょう。
奥日光【栃木県】
栃木県の奥日光では湯ノ湖・湯川・中禅寺湖と冬にカワアイサが見られる探鳥地がそろっています。
奥日光は栃木県内でも多くの冬鳥が観察できる有数の探鳥地なので、カワアイサを探している間にも多くの野鳥を観察することができるでしょう。
特に戦場ヶ原の中を流れる湯川は川幅も狭く、川沿いを自然研究路の木道が通っているので、見つけるのは大変ですが、カワアイサがいれば湯ノ湖や中禅寺湖よりも近くで観察することができるためおすすめのポイントです。
カワアイサは人の少ない時間帯の方が見られる可能性が高いので、平日の午前中などを狙っていくといいでしょう。
戦場ヶ原はスノーシューが必要なほど雪が積もる場合があるので、積雪状況は事前にチェックしておきましょう。
山中湖【山梨県】
山梨県南東部にある山名湖には冬になるとカワアイサ群れがやって来ます。山中湖には水際を歩ける場所が何か所もあるので、水際から双眼鏡などで湖上を探すといいでしょう。時間帯によって順光の位置になる場所から探せばカワアイサを見つけやすくなります。
湖の周囲には各所に駐車場があるので、車で各駐車場を回ってカワアイサの群れを探すのもおすすめです。
山中湖の周囲にはヤドリギが非常に多く、レンジャクの飛来地としても有名な探鳥地なので、ヤドリギの近くでレンジャクを待ちながらカワアイサの群れを探すといいでしょう。
管理人がカワアイサを確認した場所一覧
相模川【神奈川県】
渡良瀬遊水地【栃木・群馬・埼玉・茨城県】
那須野が原公園【栃木県】
戦場ヶ原【栃木県】
東荒川ダム親水公園【栃木県】
大野貯水池【山梨県】