ヒレンジャクとキレンジャクの違いと見分け方
ヒレンジャクとキレンジャクは同じレンジャク科の野鳥で、姿形が非常によく似た野鳥です。共にヤドリギの実を好む習性があり、ヤドリギのある場所では同時に見られる可能性も高い野鳥です。
名前の「緋」と「黄」の違いの通り、赤色と黄色の違いが主な識別ポイントですが、色の他にも識別ポイントはいくつかあるのでしっかりと押さえておきましょう。
見た目の違い
羽の色の違い
ヒレンジャクとキレンジャクの違いで最も分かりやすいのは、名前にもある通り、羽にある赤色と黄色になります。
上記の画像の場所が分かりやすい場所で、特に尾羽の先はヒレンジャクは赤色、キレンジャクは黄色になっており、非常に分かりやすい識別ポイントになります。
ヒレンジャクには個体差があり、観察しにくいですが、白い横線の端も赤色になっています。
キレンジャクには羽の黄色の他にも分かりやすい違いとして、羽の白斑があります。
羽の白斑は片方の羽に2つあり、この白斑はヒレンジャクにはない識別ポイントです。
この白斑は暗い場所でも比較的目立つポイントなので必ず押さえておきましょう。
キレンジャクの上記の羽にある白斑の先には赤い部分があります。
キレンジャクにも赤い場所がある点は押さえておくといいでしょう。
お腹の違い
ヒレンジャクとキレンジャクにはお腹にも若干の違いがあります。
正面から見た時にヒレンジャクのお腹は黄色味があり、キレンジャクのお腹は灰色をしています。
個体差や光の当たり加減で見え方は変わりますが、慣れれば明るい場所では比較的分かりやすい違いなので、押さえておくといいでしょう。
過眼線の違い
ヒレンジャクとキレンジャクには目を横切る黒い過眼線にも違いがあります。
ヒレンジャクとキレンジャク共に黒い過眼線はありますが、ヒレンジャクの黒い過眼線が冠羽の後方まで伸びているのに対し、キレンジャクの過眼線は冠羽の後方まで行かず、後頭部で止まっています。
顔だけしか見えない場合に過眼線は重要な識別ポイントになります。
生息地の違い
両種とも主に冬鳥として山地の林などにやって来る野鳥です。
一般的にヒレンジャクは西日本に多く、キレンジャクは東日本に多いといわれていますが、年による渡来数の増減が激しく、年によっては全く見られない場所も多くあります。
渡来数の多い年の秋や春の渡りの時期にはヤドリギなど両種が好む実が多い平地の公園などでも見られるようになります。渡りの時期にはヒレンジャクとキレンジャクが混群を形成していることも多いので、識別の練習にはもってこいです。