オオジュリンが見られる生息地と探す際のポイント
オオジュリンは主に漂鳥として夏は北海道や東北地方、冬は関東や西日本などのヨシ原などに生息しています。
ヨシ原の夏の代表種をオオヨシキリとするなら、オオジュリンは冬のヨシ原の代表種です。冬のヨシ原では乾いたヨシをパチパチと音を種ながら採餌するオオジュリンの姿がよく見られます。群れで採餌している際は、いたるところからパチパチと聞こえてくるので、この音を頼りに探すのもいいでしょう。
広大なヨシ原ではヨシの中にいるオオジュリンを探すのは大変なので、ヨシ原の際や飛び地になっているような小さなヨシ原で探すのがおすすめです。
越冬している場所でも、北へ帰る直前の春には夏羽に近い個体も見られるので探してみるといいでしょう。
多摩川六郷橋緑地【東京都】
東京都大田区にある多摩川六郷橋緑地には多摩川沿いにヨシ原が広がっており、冬にオオジュリンを観察することができます。京浜急行の六郷土手駅からすぐの場所にありアクセスも良いため、気軽にオオジュリンを探すのに向いているポイントです。
小さな水路越しにヨシ原を見渡せるポイントが多いのでそれらの場所を中心にオオジュリンを探すのがおすすめです。特にテトラポッドのある場所が緑地内で有名な野鳥観察ポイントになっています。水門の脇も土手の上からヨシ原を広く見渡せます。
ヨシ原の中には干潟も出現するため、オオジュリンと併せてシギチドリを探してみるのもいいでしょう。
多摩川河口付近【神奈川県】
神奈川県側の多摩川河口付近には広大なヨシ原があり、冬になると多くのオオジュリンがやって来ます。
ヨシ原は堤防の上から見渡すことができ、オオジュリンをかなり探しやすいおすすめのポイントです。昼間は順光なので、かなり良い条件でオオジュリンを探すことができます。堤防に体を隠しながらヨシ原を見渡すことができるので、運が良ければオオジュリンがかなり近くまで寄ってきてくれることもあります。
ヨシ原は大師橋から河口まで続いていますが、ヨシ原が途切れる場所がいくつかあるので、その途切れた場所のヨシ原の際にオオジュリンがいればかなり観察しやすいので、それらのヨシ原の際を中心に探すといいでしょう。
また、ヨシ原までは京急大師線の大師橋駅から徒歩5分ほどとアクセスが良いのもポイントです。
ふなばし三番瀬海浜公園【千葉県】
千葉県船橋市にあるふなばし三番瀬海浜公園には砂浜沿いにヨシ原や草原があり、冬になるとオオジュリンが見られるようになります。
ヨシ原はどの方向からも見ることができるので、太陽の位置に合わせて順光の場所でオオジュリンを探すといいでしょう。堤防に体を隠すことができればオオジュリンがかなり近くで観察することもできます。
海岸沿いなので風が強い日も多く、強風の日はオオジュリンの観察はかなり厳しいので事前に風予報もチェックしておくのがおすすめです。
冬の三番瀬海浜公園はミヤコドリを始めとして干潟で多くの野鳥を観察することができるので、事前に潮位もチェックしておくと多くの野鳥を観察することができるでしょう。
北印旛沼【千葉県】
千葉県北部にある北印旛沼は沼の周囲にヨシ原が広がっており、冬になると多くのオオジュリンがやって来ます。
沼の西側の堤防の上がサイクリングコースとして整備されており、歩行者も通ることができるので、堤防の上からヨシ原を見渡しながらオオジュリンを探すといいでしょう。
沼の周囲にある田んぼの周囲にある草むらで見られることもあるので、休日などサイクリングロードの利用者が多い場合はそちらで探すのもいいでしょう。
北印旛沼はミコアイサやトモエガモ、ヨシガモなど多くの水鳥が越冬にやって来るポイントなので、ヨシ原でオオジュリンを探しつつ、ヨシ原の向こう側にいる水鳥も併せて観察してみるのがおすすめです。
関連記事:北印旛沼で見られる野鳥と観察ポイント
小櫃川河口付近
千葉県の木更津市にある小櫃川の河口付近は広大なヨシ原があり、冬に多くのオオジュリンが生息しています。
ヨシ原の中には歩道が通っており、河口まで歩けば高い確率でオオジュリンを見ることができるでしょう。歩道を横切るように飛び回っていて、歩道脇のヨシに止まっていることも多いので、飛ばさないようにゆっくりと歩きながら探しましょう。
満潮時には潮が上がってきて河口の干潟まで行けないこともあるので、長靴があると便利です。
冬の小櫃川河口にできる干潟はハマシギやミユビシギを始めとしたシギチドリの越冬地として有名なポイントなので併せて探してみるといいでしょう。
渡良瀬遊水地【栃木県他】
栃木県他4県にまたがる渡良瀬遊水地には各調節池や谷中湖の周囲に広大なヨシ原があり、多くのオオジュリンが越冬にやって来ます。
オオジュリンは遊水地内のヨシ原ならどこでも観察できる可能性があるので、オオジュリンの他に観察したい野鳥がいる場所で探すのがおすすめです。
特におすすめなのが谷中湖に浮かぶ中ノ島周辺で、オオジュリンの他にもアトリやベニマシコがよく見られるので併せて探してみるといいでしょう。
猛禽類と同時に探すのであれば、第二調節に池にある鷹見台周辺やコミミズクがよく見られる巴波川沿いがおすすめです。
関連記事:渡良瀬遊水地で見られる野鳥と観察ポイント
涸沼【茨城県】
茨城県中部にある涸沼は、沼の各所にヨシ原が広がっており冬になると多くのオオジュリンがやって来ます。
沼の周囲の堤防の上を歩きつつ、ヨシ原を見渡しながらオオジュリンを探すといいでしょう。
涸沼西端の涸沼大橋周辺や、北東の砂並草原がヨシ原も広くおすすめのポイントです。
涸沼はチュウヒがよく見られるポイントとして有名な場所なので、チュウヒの塒入りが見られる夕方にオオジュリンを探しに行くのもおすすめです。
関連記事:涸沼で見られる野鳥と観察ポイント
福島潟【新潟県】
新潟県新潟市にある福島潟には冬になると多くのオオジュリンが越冬にやって来ます。
オオジュリンを探す際はヨシ原の中を歩くことができる自然学習園がおすすめです。
自然学習園のすぐそばには雁晴れ舎という野鳥観察施設があり、野鳥情報が掲載されているので、チェックしておくといいでしょう。
福島潟は新潟県内でも屈指の探鳥地なので、時間に余裕があれば歩いて一周してみるのもおすすめです。オオジュリン以外にもオオヒシクイやハクチョウ、マガンなどの他にオオワシやオジロワシなども猛禽類も期待できます。
関連記事:福島潟で見られる野鳥と観察ポイント