トビが見られる生息地と探す際のポイント
トビは主に留鳥として山地から平地まで、様々な環境に生息している猛禽類です。
日本で見られる猛禽類の中では非常に数が多く、最も身近な猛禽類です。特に海岸沿いに生息しているトビは打ち上げられた魚の死骸などを主食とするため、水際に降りてくることも多くかなり観察しやすくなります。
「ピーヒョロロ」と非常に大きな声で頻繁に鳴くので見つけるのはとても簡単です。風に乗って旋回している時はかなりゆっくり飛ぶので、飛翔時の姿も観察しやすい野鳥です。
東京港野鳥公園【東京都】
東京都大田区にある野鳥公園には主に留鳥としてトビが生息しています。トビは園内の各所で見られるので、複数ある池の対岸の木々などを中心に探すといいでしょう。
園内にはネイチャーセンターや野鳥観察小屋などの観察施設が複数あり、フィールドスコープが常設されているため、遠くにいるトビも簡単に観察することができます。特にネイチャーセンターは冷暖房があり、年間を通して快適にトビを観察することができます。
また、ネイチャーセンターにはレンジャーの方が常駐しているのでトビが見られるポイントを聞いてみるのもおすすめです。
江の島【神奈川県】
神奈川県藤沢市にある江の島とその周辺には留鳥として非常に多くのトビが生息しています。観光地として年間を通して非常に多くの観光客の来る江の島では、トビが異常に人馴れをしており、食べ歩きなどをしていると上空から急降下で食べ物を奪われることがあるので、注意が必要です。
数メートルの場所に止まっていても逃げないこともありますが、あまり近づきすぎないように注意しましょう。
トビを観察するのに適しているのは稚児ヶ淵の崖沿いや東側の堤防の上などがおすすめです。稚児ヶ淵に行く場合は徒歩で行くとアップダウンが激しく大変なので、体力に自信のない方は弁天橋から遊覧船の弁天丸を利用するといいでしょう。
観音崎公園【神奈川県】
神奈川県横須賀市にある観音崎公園には留鳥として多くのトビが生息しています。トビは公園の各所で見ることができ、開けた場所で空を見上げれば大抵1羽は飛んでいるトビが見られるでしょう。
トビの観察は観音崎園地、海岸園地、展望園地などの海沿いの開けた場所がおすすめです。
海沿いの崖にある木々はトビの休息ポイントになっているので、海岸沿いを歩ける観音崎園地~海岸園地間の歩道から探してみるといいでしょう。
観音崎公園は夏には磯遊びなどで海沿いの利用者が多いので、トビの観察は人の少ない冬がおすすめです。
冬の観音崎公園はトビの他にもノスリやハヤブサなど他の猛禽類もよく見られるポイントなので併せて探してみるといいでしょう。
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城ヶ島【神奈川県】
神奈川県三浦半島の突端にある城ヶ島には主に留鳥として数多くのトビが生息しています。
城ヶ島には非常に多くのトビが生息しているので、島内で空を見上げれば高確率でトビが飛んでいるでしょう。
島の東側にある県立城ヶ島公園はトビが止まれる木々が多く、トビを比較的近くで見られるポイントになります。斜面林の木々にトビが止まっていれば、目線の高さでトビを観察することができます。公園内には展望台もあるので、運が良ければ飛ぶトビも目線の高さで観察することができます。
晴れた日には島の南側の砂浜や岩場から探せば斜面すれすれを飛ぶトビや、斜面の枯れ木に止まるトビを順光のかなり良い条件で観察することができます。
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コジュリン公園【千葉県】
千葉県香取郡にあるコジュリン公園には主に留鳥としてトビが生息しています。
コジュリン公園周辺は河川敷と田園地帯が広がっており、視界を遮るものなくトビを観察することができます。特に堤防の上からはほぼ360度周りを見渡すことができるので、簡単にトビを見つけることができるでしょう。
トビは田園地帯の電柱や河川敷奥の木々に止まっていることが多いのでそれらの場所をそれらの場所を中心に探すのがおすすめです。冬は稲が刈り取られた田んぼに降りていることも多いですが、その場合は茶色い体が保護色になり非常に見つけにくいので、双眼鏡などでじっくり探すといいでしょう。
コジュリン公園周辺はトビの他にも冬にチュウヒを始めとした猛禽類が非常に多く見られるポイントなので、トビを探しに行く際はそれらの猛禽類が併せて観察できる冬がおすすめです。
渡良瀬遊水地【栃木県他】
栃木県他4県にまたがる渡良瀬遊水地では主に留鳥として多くのトビが遊水地内の各所に生息しています。
渡良瀬遊水地は広大ですが、各調節池の堤防の上や鷹見台、ウォッチングタワーなど、見晴らしの良いポイントがいくつもあるので、それらの場所からトビを探すといいでしょう。
また、渡良瀬遊水地は猛禽類の越冬地として全国的にも有名な探鳥地です。冬になるとトビ以外にもハイイロチュウヒやコミミズクなど非常に多くの猛禽類が見られるようになるので、トビを探しに行く際は冬がおすすめです。
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稲敷【茨城県】
茨城県稲敷市には主に留鳥として多くのトビが生息しています。
妙義の鼻・西ノ洲干拓・甘田干拓などが特によく見られるポイントです。妙義の鼻は霞ヶ浦の堤防の上からヨシ原を一望することができるので、水際の木々にトビが止まっていないかチェックするといいでしょう。
西ノ洲干拓や甘田干拓は、干拓地内にトビが止まれる杭などが非常に多いのでそれらの場所を中心に探すのがおすすめです。
また、これらの場所は初夏にはオオセッカやコジュリン、冬にはチュウヒやハイイロチュウヒが期待できるポイントなので、留鳥のトビを探しに行く際は、他に観察したい野鳥がいる時期に行くといいでしょう。
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福島潟【新潟県】
新潟県新潟市にある福島潟には主に留鳥としてトビが生息しています。
福島潟には野鳥観察施設の雁晴れ舎があり、フィールドスコープが常設されているので、遠くにいるトビも容易に観察することができます。湿地の中にある木々に止まっているトビを探してみるといいでしょう。
福島潟は年間を通して非常に多くの野鳥が観察できる探鳥地です。福島潟では公式サイトで野鳥情報を発信しているので、留鳥のトビの他に観察したい野鳥がいる時に行くといいでしょう。
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