バードウォッチングをする際に周りにいる生き物は野鳥だけではありません。
熊やマムシなど、出会ったら命にかかわるような生き物も多数生息しています。
野鳥に夢中になるばかりに、近づいてくる危険な生き物に気付かず痛い目に合わないためにも、バードウォッチングをする際に出会う可能性のある危険な生き物の知識や対策方法をしっかりと身に着けておきましょう。
ヒル
渓谷などでバードウォッチングをする際に気をつけたいのがヒルです。
舗装された歩道などでヒルに吸血されることはほとんどありませんが、湿気の多い藪などを歩いていると高い確率でヒルがくっついてきます。
長ズボンをはいていても、隙間から入り込んできて血を吸う厄介な相手です。
特にバードウォッチャーに人気の野鳥、アカショウビンやヤマセミなどとは生息域が被ることが多いのでこれらの野鳥を探しに行く際はヒル対策を忘れないようにしましょう。
ヒルへの対策
・長靴をはく
・雨上がりや湿気の多い藪には入らない
・ヒル除けスプレーを塗っておく
・吸いつかれた場合、無理に引っ張らず塩やアルコールをかけてとる
マダニ
春から秋にかけてのバードウォッチングで注意したいのがマダニです。
ヒルに血を吸われると血が止まらなくなりますが、マダニに刺されると大きく腫れあがります。
マダニは草むらに生息しており、半ズボンなどで草むらに入ると刺される可能性が高まります。
山や公園でバードウォッチングをする際は整備された歩道を歩きましょう。
マダニへの対策
・草地に入らない
・長袖長ズボンをはく
・マダニに対応した虫除けスプレーの使用
・野鳥を待つ時に草地に直に座らない
熊
バードウォッチングをする際に遭遇する確率は低いですが、必ず対策をしたいのは熊です。
日本では北海道ではヒグマ、本州以南ではツキノワグマが生息しています。
冬は冬眠しているの出くわすことはまずありませんが、サンコウチョウやコマドリ、コルリなどの夏鳥が生息する地域には熊も生息している可能性が高いです。
人が少なく、使われていない林道などでバードウォッチングをする際は熊に細心の注意を払いましょう。
熊への対策
・人気のない山中に一人で行かない
・熊除けの鈴を携帯する
・熊棚などの熊の痕跡を発見したらすぐにその場を離れる
イノシシ
イノシシは北海道を除いた全国に生息しています。
現在では生息域を人里まで伸ばしており、人を恐れないイノシシも増加しているため、ある意味で熊よりも厄介な相手です。
鋭い牙で噛まれると重傷を負う危険性があります。
以前テレビの実験でイノシシに突進された時の対策として最も効果があったのは、傘をいきなり開いてイノシシの視界を遮るというものでした。
なのでワンタッチ開閉式の折り畳み傘を一本持っておくといざという時に安心です。
イノシシへの対策
・けもの道を通らない
・ワンタッチ式の折り畳み傘を携帯する
・ウリ坊を見つけても近寄らない
ハチ
公園から山林まで、山野の野鳥を観察したい時に注意したいのがスズメバチやアシナガバチなどの毒蜂。
特にスズメバチは刺されると重症化する危険性が高く、十分な注意を払いたい生き物です。
公園などではハチの巣がある場合、注意喚起の看板が立っていることがほとんどなので、看板を見つけたら絶対に近づいてはいけません。
ハチへの対策
・黒色系の服装は避け、白い帽子などをかぶる
・ハチ対応の虫除けスプレーの使用
・香水などは使わない
・遭遇してもむやみに追い払わずにじっと去るのを待つ
ヘビ
タマゴやヒナをたべてしまう野鳥にとって天敵であるヘビは、人間にとっても非常に危険な生物です。
北海道や本州ならマムシ、沖縄ならハブが特に注意したい毒ヘビです。
どちらも強力な毒を持っており、噛まれると命に関わる危険性があります。
ヘビへの対策
・足元の見えない草むらには入らない
・血清のある病院の場所を把握しておく
・足元だけでなく、木の上にも注意する
ムカデ
ヒル同様に湿気の多い場所で注意したいのがムカデ。
噛まれると患部が大きくはれ上がり、最悪の場合アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。
歩いている途中にいきなり噛まれることはあまりないかもしれませんが、野鳥を待っている時など動かない場合は注意が必要です。
ムカデへの対策
・湿った場所でじっとしない
・厚手のズボンをはく
ケムシ
野鳥のエサとなるケムシも人間にとっては厄介な相手です。
木の上からいきなり落ちてきたり、糸でぶら下がっていたりとまるでトラップの様に襲い掛かってきます。
野鳥の多い場所にはケムシも多いというジレンマですが、かゆみ止めなどを必ず携帯し、万が一刺されても冷静に対処しましょう。
ケムシへの対策
・桜など、毛虫の付きやすい木には近寄らない
・知らないうちに服に付いていることがあるので、こまめにチェック
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