カヤクグリが見られる生息地と探す際のポイント
カヤクグリは主に標鳥として夏は高山~亜高山帯の背の低い林、冬には低山の林や林道などに生息しています。
繁殖期の初夏には開けた場所の木の上でさえずっていることが多いので、森林限界付近の背の低い木々が続く登山道を探してみるといいでしょう。
冬季は低山の藪の中などで見られることが多く、茶色い姿と相まって非常に見つけにくくなります。そのため、カヤクグリが見られる確率を少しでも上げたい場合は繁殖期に高い山に登って探すのをおすすめします。
宮ヶ瀬湖・早戸川林道【神奈川県】
神奈川県東丹沢の宮ヶ瀬湖沿いを通る早戸川林道では主に冬鳥として林道沿いの斜面でカヤクグリを見ることができます。
早戸川林道は入り口が宮ヶ瀬湖湖畔の小中沢駐車場に隣接しており、車でのアクセスが非常に良いポイントです。林道は一部が一般車両通行禁止なので、ゆっくりとカヤクグリを探すことができます。
カヤクグリを探す際は小中沢駐車場から早戸川橋の区間を往復して探すのがおすすめです。アップダウンもほぼなく冬は見通しも良いためカヤクグリを始めとした多くの冬鳥が期待できるでしょう。
早戸川林道は厳冬には雪が積もり足元が悪くなるので、カヤクグリを探しに行く際は積雪状況も事前にチェックしておきましょう。
筑波山【茨城県】
茨城県つくば市にある筑波山には主に冬の山頂付近にカヤクグリが生息しています。
筑波山はふもとの駐車場からロープウェイやケーブルカーで一気に山頂付近まで行くことができるので、徒歩で山登りをせずともカヤクグリを観察することができます。
カヤクグリはケーブルカーの筑波山頂駅付近のカタクリの群生地で見られることが多いのでケーブルカーで登るのをおすすめします。
カタクリの群生地といってもカヤクグリの見られる冬は草むらが広がっており、群生地内の遊歩道も閉鎖されているので登山道からの観察になります。
そのため、カヤクグリを観察する際は登山者の方の通行の邪魔にならないように十分注意しましょう。
カヤクグリは地面で採食していることが多く、その場合は保護色でとても見つけにくくなります。人が少ない時には驚くほど近くにいることもあるのでカヤクグリを探す際は足元から徐々に遠くを探していくといいでしょう。
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小山ダム【茨城県】
茨城県高萩市にある小山ダムには冬にカヤクグリがやってきます。
ダムの周りを通る道路沿いの草むらでよく見られるので、ダム沿いの駐車場に車を止めてダム湖の周囲を回ってみるといいでしょう。
道路沿いの斜面で見つけることができればカヤクグリを目線の高さで観察することができます。
道路沿いの斜面ではカヤクグリの他にもベニマシコやアオジ、ジョウビタキなど様々な野鳥が見られるので併せて探してみるといいでしょう。
奥庭・御庭・御中道【山梨県】
富士山の山梨県側、スバルラインの途中にある奥庭・御庭・御中道には主に夏鳥としてカヤクグリが生息しています。
カヤクグリを探す際は最初に開けた場所を遊歩道が通る奥庭自然公園から探していくといいでしょう。奥庭自然公園にはカヤクグリを始めとした多くの野鳥が水浴びにやって来ることで有名な奥庭荘の水場がありますが、奥庭荘の水場は常にカメラマンで賑わっているので、ゆっくりとカヤクグリを探してい場合は奥庭荘から展望台までの遊歩道で探すといいでしょう。
奥庭自然公園の遊歩道には、開けた場所が各所にあるので、それらの場所から樹上でさえずるカヤクグリを探していくといいでしょう。展望台手前の東屋があるポイントは休憩しつつカヤクグリを探せるのでおすすめです。
奥庭自然公園に人が多い場合は駐車場を挟んで反対側にある御庭や御中道でカヤクグリを探すといいでしょう。
富士山富士宮口五合目【静岡県】
富士山富士宮口五合目では繁殖期の初夏から夏にかけてカヤクグリを見ることができます。
五合目から六合目まで登山道を歩けば高い確率でカヤクグリを見ることができるでしょう。五合目の駐車場近辺でもカヤクグリが観察できる可能性は十分にあるので、六合目まで登れない方は登山道入り口付近か宝永山のほうへ向かう遊歩道周辺で探してみましょう。
繁殖期のカヤクグリは低い木のてっぺんでさえずっていることが多いのでカヤクグリのさえずりが聞こえたら目線の高さ程度の木のてっぺんを探すのがおすすめです。
管理人がカヤクグリを観察した場所一覧
砥山林道【山梨県】