コチドリは主に夏鳥として干潟や田んぼに生息しています。チドリの仲間の中でも渡来数が多く観察しやすい野鳥です。
コチドリはスズメより少し大きい程度で、シギチドリの中でもかなり小さい部類になります。そのため、田んぼで観察する場合は稲に隠れてしまうことが多いので、田んぼでの観察は田植え前か稲が伸びきる前の春から初夏にかけてがいいでしょう。また、田んぼでコチドリが羽を大きく広げて近づいてきた場合は、あぜ道の草むらなどにコチドリの巣があることが多いので踏んだりしないように注意しましょう。
干潟はコチドリが隠れるような場所がなく観察は容易ですが、遮蔽物がない分近づくのが難しく田んぼよりも遠くからの観察になることが多くなります。数の多いコチドリは干潟では他のシギチドリも群れに混じって行動していることもあるので、シギチドリの群れを見つけたら一羽づつチェックしましょう。
葛西臨海公園【東京都】
東京都江戸川区にある葛西臨海公園では鳥類園内にある下の池の干潟でコチドリがよく見られます。
鳥類園ではコチドリの保護活動をしており、営巣環境を整えたり卵を外敵から守るなどの活動をしています。そのため、5~6月頃には下の池の亀島付近でコチドリのヒナが見られることでしょう。
また、スタッフブログでコチドリの営巣状況を発信することがあるので、ブログをチェックしてから行くのもおすすめです。
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東京港野鳥公園【東京都】
東京都大田区にある東京港野鳥公園には、主に夏鳥として園内にある潮入りの池にできる干潟などにコチドリが生息しています。
干潟ができるポイントの前には野鳥観察小屋があるので、そこから常設してあるフィールドスコープなどで観察するといいでしょう。特に干潮から満潮になっていく時間にはコチドリが潮に追われて観察小屋の近くまでやって来ることがあります。
また、潮入りの池の前にあるネイチャーセンターは冷暖房も完備されているので、梅雨の雨の日や真夏の暑い日でもコチドリを観察できるのでおすすめです。
東京港野鳥公園のホームページにはその日に見られらた野鳥が掲載されているのでコチドリが飛来しているか事前にチェックするといいでしょう。
多摩川河口付近【神奈川県】
多摩川河口付近の神奈川県側には干潮時に広大な干潟が出現し、その干潟にコチドリがやってきます。
干潟は堤防のすぐ下に広がっており、堤防の上の歩道から広範囲に見渡せるためコチドリを探すのにとても適しています。
大師橋から河口まで干潟は数か所に出現するため、すべての干潟をチェックしていきましょう。春と秋の渡りの時期にはコチドリ以外のシギチドリも多数観察できるため、特におすすめです。
また、多摩川は河口以外にも六郷橋緑地前など干潟が出現する場所が複数あるため、時間があるときは多摩川沿いを広範囲にわたって探してみるのもいいでしょう。
日の出海岸【千葉県】
千葉県浦安市にある日の出海岸では主に夏鳥としてコチドリを観察することができます。
日の出海岸に干潟は出現しませんが干潮時には堤防に潮だまりができ、その潮だまりでコチドリが見られます。
堤防に姿を隠して観察することができ、かなり近くでコチドリを観察することができるおすすめポイントです。
午後には順光となりコチドリをかなり観察しやすくなるので、日の出海岸でコチドリを探す際は午後に干潮になる時に行くのがおすすめです。
手賀沼【千葉県】
千葉県北西部にある手賀沼では沼の周囲に広がる田んぼにコチドリが夏鳥として生息しています。
手賀沼の堤防を歩きながら周囲に広がる手賀沼沿いの田んぼやあぜ道を探すといいでしょう。
コチドリは手賀沼の周囲で繁殖するため、手賀沼周辺では比較的長い期間観察をすることができますが、コチドリの観察には稲の伸びきる前の5~6月あたりがいいでしょう。5月ならコチドリの他にもムナグロやチュウシャクシギなど、様々なシギチドリも観察できるのでおすすめです。
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浮島ヶ原【静岡県】
静岡県沼津市にある浮島ヶ原には広大な田園地帯があり、その田んぼに夏鳥としてコチドリが生息しています。
浮島ヶ原自然公園やアクアプラザ遊水池を拠点にして田園地帯でコチドリを探すといいでしょう。コチドリを探す際は浮島ヶ原内にいくつか流れる川の堤防の上から広い範囲を見渡しながら探すのがおすすめです。
浮島ヶ原の周辺には富士山を始めとした探鳥地が複数あるのでそれらの探鳥地を訪れた帰りに立ち寄ってみるのがおすすめです。
また、浮島ヶ原には警戒心がとても強いケリも数多く生息しているため、コチドリを探す場合はケリのいない田んぼを探すといいでしょう。
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管理人がコチドリを確認した場所一覧
多摩川六郷橋緑地【東京都】
太田川【静岡県】
浮島ヶ原【静岡県】