日本で見られるオレンジ色の野鳥は数が多い種類も多く、生息域も広い野鳥が多くいます。
鮮やかなオレンジ色をした姿は、赤い鳥や青い鳥と並んで人気の高い種類も多いですが、都市部の公園などでも見られるポピュラーな野鳥もおり、ベテランからバードウォッチング初心者の方まで観察を楽しむことができます。
今回はそんな日本で見られるオレンジ色の野鳥の一部を紹介したいと思います。
ジョウビタキ
ジョウビタキは主に冬鳥として日本にやって来る野鳥です。ジョウビタキのオスはお腹から尾羽にかけて鮮やかなオレンジ色をしています。1羽で行動していることがほとんどの野鳥で、群れで見られることはほぼありません。
冬になると住宅地から山地まで広い範囲で見られ、開けた場所を好んで生息しているため、日本で見られるオレンジ色の野鳥の中でも見かける機会の多いポピュラーな野鳥です。縄張り意識が強い野鳥のなので、1度見つけることができれば、その冬の間は同じ場所で繁殖地に帰る春まで観察することができるできます。
人が多い場所でも普通に見ることができ、公園のベンチなで休憩していると驚くほど近くまでやって来ることもあります。
アマサギ
アマサギは主に夏鳥として田んぼや湿地などにやって来くる野鳥です。アマサギの夏羽になると頭から胸と背中の一部がオレンジ色になります。白い体に鮮やかなオレンジ色の頭は非常によく目立つので、かなり遠くからでも肉眼で見つけることができるほどです。
群れを作ることが多い野鳥で、田んぼの中で群れで採餌している姿がよく見られます。視界の開けた田園地帯なら、アマサギの群れはとてもよく目立つので、田んぼの周囲にある堤防や高台から広範囲に見渡せばアマサギの群れを見つけやすくなるでしょう。
オレンジ色になるのは夏羽の時だけで、冬羽は全身真っ白になりコサギやダイサギなどの他のサギ類と似た姿になってしまうので、オレンジ色のアマサギを観察したい場合は、夏羽の個体が比較的多い5~7月がおすすめです。
コマドリ
コマドリは主に夏鳥として日本にやって来る野鳥です。
鮮やかなオレンジ色の顔に、さえずりがとても美しい野鳥で日本で見られる夏鳥の中でも特に人気が高い野鳥です。
コマドリは主に標高1000m以上の高地に生息し、藪などの姿が隠せる場所を好むため観察できる機会が少なく、暗い場所にいることが多いのでコマドリの鮮やかなオレンジ色を観察するのはかなり難易度が高いです。それでも陽の当たる場所で見られるコマドリはとても綺麗なので、苦労に見合っただけの価値はあるでしょう。
コマドリは水辺の近くを好むので、日に当たる鮮やかなコマドリを観察したい場合は、渓流沿いに岩場が広がるような場所を探すのがおすすめです。岩場なら藪が多い場所よりもコマドリが見やすい場所に出てきてくれる可能性が高く、上流側から探していけばコマドリが見つけやすくなります。
アカハラ
アカハラは主に漂鳥として1年中日本で観察することのできる野鳥です。「アカ」と名前についていますが、お腹はほとんどオレンジ色の野鳥です。
夏は山地の林で繁殖し、冬になると平地へ降りてきて市街地の公園などでも観察できるようになります。アカハラは地面で採餌をすることの多い野鳥で、冬には落ち葉の積もる落葉樹の林がある公園などでよく見られます。
大きな音を立てて落ち葉をひっくり返しながら採餌を行うので、その音を頼りに探すのもおすすめです。
アトリ
アトリは主に冬鳥として日本にやって来る野鳥です。胸や羽の一部が綺麗なオレンジ色の野鳥です。年による渡来数の増減が激しい野鳥で、観察頻度は年によって大きく異なります。大きな群れを作ることが特徴で、当たり年には山地から平地まで様々な場所でアトリを見ることができます。
地面に降りて採餌していることが多く、林の中を歩ける遊歩道などでは歩道に出てくることも多いので、アトリのエサとなる種子などが多く落ちているような場所を探すといいでしょう。
ヤツガシラ
ヤツガシラは主に旅鳥として春や秋の渡りの時期に見られる野鳥です。
オレンジ色の冠羽が非常に特徴的で、日本への飛来数も少ないことから特に人気が高い野鳥です。
沖縄県などの南西諸島などでは定期的に観察できますが、そのほかの場所では定期的に見られることは少なく、観察頻度も高くありません。
そのため、自力で見つけるのはかなり難しい野鳥です。ただ、地面でミミズなどを食べていることが多いので河川敷や公園の広場などの開けている場所を重点的に探せば見つけることができるかもしれません。
メダイチドリ
メダイチドリは名前の通りチドリの仲間で、お腹と頭の一部がオレンジ色の野鳥です。
主に旅鳥として干潟などで見ることができます。
オレンジ色になるのは夏羽のため、春の渡り終りの方や秋の渡りの初めの方が、オレンジ色のメダイチドリを見られる可能性が高いでしょう。
群れで行動することの多い野鳥なので、運が良ければオレンジ色のメダイチドリの大群を見ることができるでしょう。
オオソリハシシギ
オオソリハシシギは夏羽になると顔からお腹にかけて鮮やかなオレンジ色になる野鳥です。名前の通り沿ったくちばしが特徴で、主に旅鳥として春や秋の渡りの時期に干潟などで見られます。
シギの仲間でも比較的大きな野鳥で、他の野鳥の群れの中にいても目立つ野鳥です。
オオソリハシシギがオレンジ色になるのは夏羽の時だけなので、オレンジ色のオオソリハシシギを観察する場合は春の渡りの時期がおすすめです。運が良ければオレンジ色の大きなオオソリハシシギの群れを見ることができるでしょう。
イソヒヨドリ
イソヒヨドリは青い鳥としても有名な野鳥ですが、お腹はオレンジ色が鮮やかな野鳥です。
「イソ」と名の付く通り、海岸沿いなどに留鳥として生息していますが、近年では海から遠く離れた内陸でも見ることができるようになっています。
留鳥のため、一年を通して観察することができ、人の多い場所では人馴れしている個体も多く、かなり近くで観察できることがあります。
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