コアジサシが見られる生息地と探す際のポイント
コアジサシは主に夏鳥として海岸や河川、湖沼などに生息しています。
海岸沿いや河川沿いの砂地にコロニーを作るため、それらの場所では多くのコアジサシを見ることができます。海岸沿いでは干潟が出るような浅瀬でエサを求めてダイブする姿がよく観察されます。
コアジサシは獲物を狙うときにホバリングをすることがあります。ホバリングをする際は飛んでいるコアジサシを観察・撮影するチャンスです。
干潟が出ていると降りてきて休むことがあるので干潮と満潮の間の時間帯に探してみるといいでしょう。堤防の上などで待っていれば、目線の高さに飛んできてくれることがよくあります。
潮だまりに採餌や水浴びにやって来ることもあるので、広めの潮だまりの近くで待ってみるのもおすすめです。
コアジサシの巣は砂地にうまくカモフラージュされているので、コアジサシの繁殖地で観察する際は誤って巣を踏んでしまわないように十分注意しましょう。特に海岸沿いでは海水浴場内に巣があることもあるので要注意です。
コアジサシは巣がカラスに狙われやすく子育てに失敗することが多く数が減ってきているため、各地で保護活動が行われています。そのため、各地でコアジサシの観察会が行われているのでそれらに参加してみるのもいいでしょう。
葛西臨海公園【東京都】
東京都江戸川区にある葛西臨海公園では初夏になると西なぎさにコアジサシの保護区を設置して、コアジサシの保護に取り組んでいます。
保護区はカラーコーンやロープで囲われ、デコイが置かれていたりするので、決して立ち入らないようにしましょう。
西なぎさでは干潮時に多くの潮だまりが出現するため、コアジサシの観察は干潮時がおすすめです。
コアジサシは西なぎさの海岸沿いの他にも公園と東なぎさの間の水路など園内各所の水辺で見られます。西なぎさで見られない場合は、公園の海沿いをぐるっと回ってみるといいでしょう。鳥類園内の上の池などにもやって来ることがあるので、鳥類園内にいるときも上空は要チェックです。
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新木場緑道公園【東京都】
東京都江東区にある新木場緑道公園には主に夏鳥としてコアジサシが見られます。
新木場緑道公園は上記の葛西臨海公園の対岸に位置しており、コアジサシの狩場として利用されています。
コアジサシが見られる東京湾は公園の東側に面しているため、午後には順光の良い条件でコアジサシを観察することができるので、午後に公園の南側からコアジサシを探していくのがおすすめです。
また、公園は堤防の上にあるので、飛んでいるコアジサシを目線の高さで観察することができます。
つばさ公園【東京都】
東京都大田区の京浜島にあるつばさ公園では主に夏鳥としてコアジサシを見ることができます。つばさ公園から隣接する京浜島緑道公園の水路沿いを歩いて探すといいでしょう。
京浜島緑道公園の向かい側には森ヶ崎水再生センターがあり、センターの屋上をコアジサシの営巣地として整備しているので、緑道公園側の水路が特にコアジサシがよく見られるポイントになります。運が良ければセンターからコアジサシが次々に飛んでくる姿が見られるでしょう。
干潮近くの水深が浅くなっている時は歩道の近くでダイブを繰り返すことがあるので、干潮の少し後に行くのがおすすめです。
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大森ふるさとの浜辺公園【東京都】
東京都大田区にある大森ふるさとの浜辺公園には主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。公園には人口の砂浜があり、水際を歩くことができるので、運が良ければかなり近くでコアジサシのダイブを観察することができます。
北側にある岩場沿いの歩道には水際にベンチもあるので、ベンチに座ってゆっくりとコアジサシのダイブを眺めるのもいいでしょう。
コアジサシは水面に浮かぶブイで休憩していることもあるので、その際はブイに近い北側の岩場から観察するのがおすすめです。
大森ふるさとの浜辺公園は平日でも昼間は多くの利用者で賑わうので、コアジサシを探しに行く際は早朝などのなるべく人の少ない時間帯に行くといいでしょう。
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多摩川河口付近【神奈川県】
多摩川河口付近では春から夏にかけて多くのコアジサシがやって来ます。
神奈川県側は河口まで行け、土手の上から広範囲を見渡せるのでコアジサシの観察に向いています。多摩川の河口には干潮時に広大な干潟が出現し、コアジサシが好む潮だまりも多く現れるので、コアジサシの観察は干潮時がいいでしょう。
少し上流にある多摩川六郷橋緑地もコアジサシの観察におすすめの場所です。こちらは京浜急行線の六郷土手駅を降りてすぐの場所にあるのであまり歩きたくない人におすすめです。
また、河口から少し離れ場所にある森ヶ崎水再生センターではコアジサシの保護活動を行っており、普段は立ち入ることができませんが観察会を開催しているため、観察会に参加して営巣中のコアジサシを見てみるのもおすすめです。
ふなばし三番瀬海浜公園【千葉県】
千葉県船橋市にあるふなばし三番瀬海浜公園では春から夏にかけてコアジサシがやって来ます。
晴れている日の昼間はちょうど海の方向が逆光になるため、朝か夕方に順光の方向から観察するといいでしょう。海岸の両端にある堤防から観察するのもおすすめです。干潟が出ている時間帯は狩りをするコアジサシは遠くなってしまいますが、運が良ければ干潟で休んでいることもあるので探してみるといいでしょう。
また、ふなばし三番瀬海浜公園は潮干狩りのメッカなので潮干狩りの期間中は多くの人で混雑するため、コアジサシの観察は潮干狩りの期間を避けた方が無難です。
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九十九里浜【千葉県】
千葉県東部に広がる九十九里浜には春になると多くのコアジサシがやって来ます。
コアジサシは九十九里浜の各所で観察できる可能性がありますが、九十九里浜は南北に約66キロもあるので、海の駅九十九里がある片貝海岸など拠点となる場所が近くにある所で探すのがいいでしょう。
九十九里浜は海水浴場がとても多いので、コアジサシの観察は海水浴場がオープンする前がおすすめです。
また、九十九里浜ではコアジサシの他にもアジサシを始めとした多くのアジサシ類が見られるので、コアジサシと併せて探してみるといいでしょう。
相模大堰【神奈川県】
神奈川県の相模川中流域にある相模大堰周辺には主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。相模線の社家駅から徒歩5分ほどとアクセスも良く、気軽にコアジサシを観察できる探鳥地となっています。
2020年に相模大堰の管理橋が徒歩と自転車のみ通行可能になったので、相模川の両岸からコアジサシを観察することができるようになりました。そのため、太陽の位置に合わせて順光になる方から相模川上空を飛びまわるコアジサシを観察するといいでしょう。
両岸とも水際まで出られるポイントは限られているので、堰の上流下流の土手と上を歩きながらコアジサシが飛んでいるポイントを探していくといいでしょう。
酒匂川河口周辺【神奈川県】
神奈川県の酒匂川河口周辺では主に夏鳥としてコアジサシが見られます。
コアジサシを探す際は昼間に順光となる酒匂川の西側から探すといいでしょう。河川敷は視界を遮るものはほとんどないので、水際に出られるポイントから川にダイブを繰り返すコアジサシを探していくといいでしょう。
酒匂川の河口から鉄道橋までの間を往復しながら探すのがおすすめです。いくつかあるコンクリートブロックがある場所は特に視界がよく、コアジサシを探しやすいポイントです。
コアジサシが見やすい場所は野球やサッカーのグラウンドが隣接しているので、グラウンドが使用されている場合は、酒匂橋周辺で探すといいでしょう。
栢山頭首工【神奈川県】
神奈川県の酒匂川中流域にある栢山頭首工周辺では主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。
コアジサシを探す際は昼間に順光となる酒匂川の西側から探していくといいでしょう。西側の土手の上はサイクリングロードになっているので、足柄紫水大橋より下流のサイクリングロードから一段下がった人通りの少ない砂利道から探すのがおすすめです。
足柄紫水大橋より下流は川の流れが西側に寄っているので、コアジサシを比較的近くで見ることができます。
コアジサシは栢山頭首より下流の各所で見られるので、体力に自信のある方は川沿いを河口の方まで歩いて行くのもいいでしょう。
芝川第一調節池【埼玉県】
埼玉県さいたま市にある芝川第一調節池には主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。
調節池はコアジサシの貴重な餌場となっており、春から夏にかけて池の上空を飛び回るコアジサシを見ることができます。
調節池の周囲は土手の上に遊歩道が通っているので、調節池を見渡せる場所からコアジサシを探してみるといいでしょう。調節池の周囲はヨシ原に囲まれており、コアジサシとの距離が遠いことが多いですが、調節池の西側が比較的水際に近いので、西側からコアジサシを探すのがおすすめです。
土手の上の遊歩道はランナーや自転車の通行が多いので、土手の上からコアジサシを探す場合は通行の邪魔にならないように注意しましょう。
伊佐沼【埼玉県】
埼玉県川越市にある伊佐沼では主に夏鳥としてコアジサシが見られます。時期によって水位の変動がある伊佐沼ですが、コアジサシが見られる春から夏にかけては、水位は高く保たれており、コアジサシの貴重な餌場となっています。
コアジサシは伊佐沼の各所を飛び回ってダイブを繰り返すので、順光になる位置からコアジサシを観察するといいでしょう。
北側には多くの杭があり、コアジサシの休息ポイントになっています。
杭の近くには古代蓮観察用の木道があるので、木道から観察するのもいいでしょう。
伊佐沼の西側の歩道には座れる場所もあるので、休憩しながらゆっくりと伊佐沼を飛び回るコアジサシを見るのもおすすめです。
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豊崎干潟【沖縄県】
沖縄県豊見城市にある豊崎干潟には主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。豊崎干潟でコアジサシを探す際は東端にある野鳥観察広場から西端にある豊崎海浜公園までの干潟沿いの通路を往復して探すといいでしょう。
干潟沿いの通路は少し高い場所にあるので、干潟の上空を飛び回るコアジサシを目線の高さで観察することができます。東端の野鳥観察広場は特に視界が開けているので飛び回るコアジサシを観察するのにおすすめのポイントです。
また、コアジサシは干潟にある岩場で休んでいることもあるので、岩場も要チェックです。
米須海岸【沖縄県】
沖縄県糸満市にある米須海岸には主に夏鳥としてコアジサシが生息しています。
米須海岸には干潮時に大きなタイドプールがいくつもでき、そのタイドプールにコアジサシがダイブする姿を見ることができます。
コアジサシがダイブできそうな大きめのタイドプールを探し、そのタイドプールから少し離れた場所でコアジサシがやって来るのを待つといいでしょう。
コアジサシは露出した岩場で休んでいることもあるので、岩場も要チェックです。
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相模大堰【神奈川県】
酒匂川河口周辺【神奈川県】
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