コサメビタキが見られる生息地と探す際のポイント
コサメビタキは主に夏鳥として日本にやって来ます。山地の林に生息しており、特に同じ夏鳥のキビタキと生息域が被ることの多い野鳥です。
コサメビタキ、サメビタキ、エゾビタキからなるサメビタキ科3種の中でも特に数が多く、最も観察しやすい野鳥です。
主に標高1000m前後の林に多く生息しているため、コサメビタキを探す際はハイキングコースが整備された低山や、高原の林で探すといいでしょう。上記でも述べた通りキビタキと生息地が被ることが多いためキビタキの多い場所を探すのもおすすめです。
八王子城跡【東京都】
東京都八王子城跡には主に夏鳥としてコサメビタキが生息しています。八王子城跡には本丸跡方面と御主殿跡方面の2つのコースがありますが、コサメビタキを探す際は本丸跡方面に比べてアップダウンの少ない御主殿跡方面で探すといいでしょう。
御主殿跡方面は城山川沿いを城山林道が通っており、御主殿跡よりも奥まで歩いて行くことができます。林道には何か所か開けたポイントがあるので、そこから林縁を探していくといいでしょう。
人の少ない時には広場になっている御主殿跡やガイダンス施設横の模型広場などの開けたポイントから林縁を探すのもいいでしょう。特に御主殿跡の周囲はコサメビタキの他にオオルリやサンコウチョウがさえずっていることもあるので要チェックです。
また、午前9時になるとガイダンス施設の駐車場が開場し、観光客の方も増えてくるので、9時前から利用できる少し離れた臨時駐車場に車を止めて人が増えてくる前にコサメビタキを探すのがおすすめです。
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戦場ヶ原【栃木県】
栃木県日光市にある戦場ヶ原には春から夏にかけてコサメビタキがやって来ます。
戦場ヶ原といえば湿原が有名ですが湿原の周囲には林が広がっており、コサメビタキをはじめとした多くの野鳥を見ることができます。湿原沿いの自然研究路や戦場ヶ原から小田代原へ続く遊歩道で探すといいでしょう。
戦場ヶ原は高地にあり、平地に比べて葉が生い茂るのが遅いため、春先のコサメビタキが渡ってきた直後にはかなり視界が開けた状況でコサメビタキを探すことができるのでおすすめです。4月ならイスカやベニヒワなどの冬鳥が残っている可能性もあるので併せて探してみるのもいいでしょう。
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大沼【栃木県】
栃木県那須塩原市にある大沼公園にはコサメビタキが夏鳥として生息しています。
大沼は周囲を木道が通っており、歩いて一周することができます。コサメビタキを探す際は木道を歩きながら沼の林縁を探すといいでしょう。駐車場周辺も明るい場所が多く、コサメビタキを探すのに向いています。
駐車場の反対側にある富士山も多くの夏鳥が観察できる探鳥地なので、体力がある方は山頂まで登ってみるのもおすすめです。
吐竜の滝【山梨県】
山梨県北杜市にある吐竜の滝では、滝周辺の林にコサメビタキが夏鳥として生息しています。
駐車場から吐竜の滝の少し手前までを往復しながら探すといいでしょう。途中の遊歩道が二つに分かれているあたりが、明るくコサメビタキを探しやすいのでおすすめのポイントです。
吐竜の滝は観光地としても人気なので、滝周辺や遊歩道に人が多い場合は、駐車場周辺でコサメビタキを探すのもおすすめです。駐車場から林道を少し上った斜面林は木の上の方に止まるコサメビタキを目線の高さで観察できるので特におすすめのポイントになっています。ただし、林道は車の通行が多いので、コサメビタキを探す際は車に十分注意しましょう。
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井富・飛沢溜池【山梨県】
山梨県北杜市にある井富・飛沢溜池周辺の林にはコサメビタキが夏鳥として生息しています。コサメビタキは両溜池の周囲で見ることができます。
井富溜池では溜池周囲の林縁を中心に探すといいでしょう。水際の藪なども水浴びにやってきたコサメビタキがいることがるので探してみましょう。
飛沢溜池の方は観察路でコサメビタキを探すのがおすすめです。観察路は数百メートルの短いものですが、明るい林の中を歩けるのでコサメビタキを探すのに向いています。観察路ではコサメビタキの他にもキビタキやクロツグミなどが期待できます。
富士山吉田口登山道【山梨県】
富士山の山梨県側にある吉田口登山道では主に登山道の途中にある中ノ茶屋周辺の林にコサメビタキが夏鳥として生息しています。
中ノ茶屋から登山道を少し登ったところに右側が少し開けた場所があり、そのあたりがコサメビタキを探すのにおすすめのポイントです。背の低い木々を中心にコサメビタキを探すといいでしょう。
また、中ノ茶屋の裏手には小川が流れており、コサメビタキが水浴びにやってくる可能性もあるので要チェックです。
体力に自信がある方は野鳥の多い中ノ茶屋から馬返しまでを往復してみるのもいいでしょう。キビタキやコルリなどの夏鳥が期待できます。
富士山須山口登山歩道【静岡県】
富士山の静岡県側にある富士山須山口登山歩道では主に夏鳥としてコサメビタキが見られます。
富士山資料館の裏手にある遊歩道の入り口からしばらくは明るい林が続きます。林の中には周遊できる遊歩道が距離ごとに整備されているので、体力にあった距離の遊歩道でコサメビタキを探すといいでしょう。
遊歩道の途中にはいくつか水場があり、野鳥が多いポイントになっているので、水場周辺で探すのがおすすめです。
遊歩道のある林を抜けてさらに進むと弁当場の水場があります。この水場周辺はコルリやサンコウチョウを始めとした非常に多くの夏鳥が期待できるポイントなので必ずチェックしましょう。
御胎内清宏園【静岡県】
※追記 2022年6月現在、御胎内清宏園はナラ枯れによる伐採のため、以前よりも野鳥観察が難しくなっています。
静岡県御殿場市にある御胎内清宏園では園内の林にコサメビタキが夏鳥として生息しています。園内には野鳥観察エリアが整備されており、野鳥観察エリアを回れる遊歩道も整備されているためコサメビタキを探すのにとても適しています。
まずは遊歩道の野鳥の森散策コースを一周してみるといいでしょう。コース途中の比較的明るい林を中心に探すのがおすすめです。野鳥の森散策コースではコサメビタキの他にもキビタキやオオルリ、サンコウチョウなどの夏鳥が期待できます。
野鳥の森散策コース以外では鳥見小屋がある不老ヶ池周囲や、開けていてコサメビタキを探しやすい遊びエリアの林縁などがおすすめです。
猪之頭公園【静岡県】
静岡県富士宮市にある猪之頭公園には主に夏鳥としてコサメビタキが生息しています。
井の頭公園には園内に野鳥の森があり、コサメビタキを主にその野鳥の森の中で見ることができます。野鳥の森には遊歩道が通っており、東屋もあるので休憩しつつゆっくりとコサメビタキを探していくといいでしょう。
野鳥の森には広場もあるため、広場の中央から周囲の林縁を探していくのもおすすめです。駐車場の周囲も林縁を広く見渡せるポイントなので要チェックです。
猪之頭公園はそれほど広くない公園ですが、コサメビタキの他にもキビタキやセンダイムシクイ、クロツグミなどの夏鳥が期待できるので、併せて探してみるといいでしょう。
また、猪之頭公園の近くには夏鳥が多く観察できる朝霧高原があるので、併せて訪れてみることをおすすめします。
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戸隠森林植物園【長野県】
長野県長野市にある戸隠森林植物園には春から夏にかけて園内の林にコサメビタキがやってきます。
園内は多くの遊歩道が整備されているため、コサメビタキが見やすい明るい林を中心に探すといいでしょう。植物園は戸隠神社奥社の参道と隣接しているため、戸隠神社側は参拝客の方で混雑するのでコサメビタキを探す際は植物観察園側を中心に探すといいでしょう。
時間があれば鏡池の方まで足を延ばしてみるのもおすすめです。
また、戸隠森林植物園にはツキノワグマも生息しているため早朝の観察には十分注意しましょう。
管理人がコサメビタキを確認した場所一覧
御胎内清宏園【静岡県】
女神湖【長野県】
戸隠森林植物園【長野県】
栄村【長野県】