クロツラヘラサギが見られる生息地と探す際のポイント
クロツラヘラサギは主に冬鳥として日本に越冬にやってきます。
世界的に数が少なく絶滅が危惧されている種で生息地が限られており、日本では沖縄や九州に少数が越冬に来ますが稀に本州でも観察されることがあります。
名前の通り、大きなへら状のくちばしを使って水中の餌を食べるため干潟ができるような水深の浅い場所で採餌する姿を観察されることが多く、群れを形成している場合もあります。
遠くでくちばしを背中に突っ込んで休んでいるとダイサギなどのサギ類と見分けるのがかなり難しいので、くちばしが見えない休んでいるサギを見つけた場合は顔が黒くないか必ず確認しましょう。
また、姿のよく似たヘラサギと一緒に行動していることも多いので、群れでいる場合は識別に注意しましょう。
葛西臨海公園【東京都】
東京都江戸川区にある葛西臨海公園では近年クロツラヘラサギが越冬にやってきます。
クロツラヘラサギは東なぎさにいることが多く、西なぎさの東端から観察することが多くなります。そのため、クロツラヘラサギまでは距離があり、観察には高倍率の双眼鏡かフィールドスコープが必須です。
西なぎさに干潟が出現している場合は、採食のために西なぎさまで飛んでくることがあるので、クロツラヘラサギを観察しに行く際は干潮の時間をチェックしてから行きましょう。
また、クロツラヘラサギがやってくると鳥類園のスタッフブログに載ることが多いのでクロツラヘラサギを観察したい場合は冬になったら常にチェックしておきましょう。
鳥類園スタッフブログ:http://choruien2.exblog.jp/
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漫湖【沖縄県】
沖縄県豊見城市にある漫湖では毎年クロツラヘラサギの群れが越冬にやってきます。
漫湖は湖ではなく河川の途中にあるので、潮の満ち引きにより干潟が出現します。干潮の際は干潟が広すぎてクロツラヘラサギが遠くにいる場合が多いので、干潮から満潮になる時間を狙っていくといいでしょう。
漫湖に架かるとよみ大橋の上からは干潟を一望することができるので、まずはとよみ大橋の上からクロツラヘラサギを探すのがおすすめです。
また、漫湖には漫湖水鳥・湿地センターがあり、漫湖で見られる野鳥情報を発信しているので、漫湖でクロツラヘラサギを探す際は必ずチェックしてから探しましょう。センターの開館時間にはマングローブ林の中を歩くことができる木道を利用することができるので、木道から干潟をチェックするのもおすすめです。
クロツラヘラサギは漫湖から比較的近い下記の三角池や豊崎干潟でもよく観察されるので、漫湖でクロツラヘラサギが見つからない場合は上記の二か所も併せて探してみるのもいいでしょう。
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三角池【沖縄県】
三角池は沖縄本島の豊見城市にある小さな遊水地ですが、クロツラヘラサギの越冬地として非常に有名なポイントです。
池の周りにある柵をブラインド代わりにすれば、かなり間近でクロツラヘラサギを観察することができます。
クロツラヘラサギはアオサギなどの他のサギ類に混じって水際で休んでいることも多いので、東側の水際もチェックしましょう。
三角池にクロツラヘラサギの姿が見えない場合はすぐ近くの具志干潟や瀬長水路で採餌をしている場合があるのでチェックしてみるといいでしょう。
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豊崎干潟【沖縄県】
沖縄県豊見城市にある豊崎干潟には主に冬鳥としてクロツラヘラサギが生息しています。豊崎干潟は上記の漫湖・三角池と並んで、クロツラヘラサギの越冬地として有名なポイントです。
豊崎干潟はアウトレットモールあしびなーの目の前にあるため、買い物のついでにクロツラヘラサギを気軽に観察することができます。アウトレット前から東側にある豊崎野鳥観察広場までを往復して探していくといいでしょう。
満潮時には干潟の中央にある中洲にいることが多く、距離が遠くなりがちになるので、なるべく干潮時に行くのがおすすめです。
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管理人がクロツラヘラサギを観察した場所一覧
過去にクロツラヘラサギの目撃例がある場所
伊佐沼【埼玉県】
利根川河口【茨城県】
米子水鳥公園【鳥取県】
一ツ瀬川河口【宮崎県】
江津湖【熊本県】
吹上浜【鹿児島県】
錦江湾【鹿児島県】
高尾野川河口【鹿児島県】