ツバメが見られる生息地と探す際のポイント
ツバメは主に夏鳥として日本にやって来ます。日本にやってくる夏鳥の中でも最も有名な野鳥といっても過言ではないでしょう。
ツバメは主に人家の軒先など人目につく場所に営巣するため観察はとても容易な野鳥です。飛んでいる虫を空中でキャッチすることが多いのでそれらの羽虫が多く生息する場所であれば市街地でも普通に観察できます。また、水を飲むときも飛びながら水面をかすめながら飲むので少し広めの池があればツバメが水を飲むシーンを観察することができるでしょう。
住宅地が近くにある田園地帯や河川敷では特に多くのツバメが見られるため、ツバメのエサとなる虫が多く飛ぶ日中はそれらの場所でツバメを探すのがおすすめです。
高速道路のサービスエリアや道の駅でもよく観察されるので、移動途中に立ち寄って探してみるのもいいでしょう。
ツバメが見られる場所ではイワツバメなど他のツバメ科の野鳥もよく見られるので、識別には注意しましょう。
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東京港野鳥公園【東京都】
東京都大田区にある東京港野鳥公園では主に夏鳥としてツバメを見ることができます。
ネイチャーセンター付近や東観察広場では多くのツバメが飛び回る姿を観察することができるでしょう。ネイチャーセンター前の広場は飛び回るツバメを観察しやすいので特におすすめのポイントです。
暑い日は冷房の効いたネイチャーセンターからツバメを探すのもいいでしょう。
ツバメの中にはイワツバメやヒメアマツバメが混じっていることがあるので注意して探してみましょう。
また、東京港野鳥公園では公式サイトでその日に見られた野鳥情報を発信しているので、事前にツバメの飛来情報をチェックしておくといいでしょう。
多摩川六郷橋緑地【東京都】
東京都大田区にある多摩川六郷橋緑地では主に夏鳥としてツバメが生息しています。
多摩川六郷橋緑地は京浜急行線の「六郷土手駅」からすぐの場所にあり、アクセスが非常によく気軽にツバメを観察できる探鳥地です。
緑地には広場があり、多くのツバメが飛び回る姿を観察することができます。まずは土手の上から河川敷を見渡してツバメが飛んでいる場所を探すといいでしょう。
運が良ければ広場のベンチに座っているだけで、ツバメが周囲を飛び回ってくれます。
緑地は多摩川に隣接しているため干潟が出現するポイントもあり、春の渡りの時期に多くのシギチドリが観察できるので、ツバメと併せて観察してみるといいでしょう。
葛西臨海公園【東京都】
東京都江戸川区にある葛西臨海公園には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
ツバメは園内の各所で見られますが、ウォッチングセンターなどがある鳥類園でツバメを探すのがおすすめです。上の池周囲の広場など開けた場所で池の上空などを飛び回るツバメを観察することができます。
鳥類園の他には西なぎさの草原などがおすすめです。低木の周囲を飛ぶ羽虫を狙って群れで低空を飛ぶ姿を見ることができます。
また、鳥類園ではブログで野鳥情報を発信しているので、事前にツバメの飛来状況をチェックしておくといいでしょう。
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21世紀の森と広場【千葉県】
千葉県松戸市にある21世紀の森と広場には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
公園名に広場と名の付く通り、園内には開けた場所が多く、上空を飛び回るツバメを各所で観察することができます。
園内にある千駄堀池では、飛びながら水を飲むツバメが見られるので、順光の位置から観察してみるといいでしょう。
千駄堀池の北側には自然観察舎がありフィールドスコープが常設されているので、少し難しいですがフィールドスコープでツバメを観察してみるのもいいでしょう。
手賀沼【千葉県】
千葉県北部にある手賀沼には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
ツバメは手賀沼周囲の遊歩道や、田園地帯など各所で見ることができます。
ツバメはヨシ原上空や土手沿いでよく見られるので、手賀沼周囲の堤防の上を歩きながら探していくといいでしょう。野鳥が多く見られる北東の手賀沼遊歩道で探すのもおすすめです。
また、手賀沼は広大なためレンタサイクルで自転車を借りて各所を回りながらツバメを探すのもおすすめです。
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新横浜公園【神奈川県】
神奈川県横浜市にある新横浜公園では主に夏鳥としてツバメが生息しています。
ツバメは北側の大池周囲や、土手沿いなど公園の各所で見ることができます。
公園を囲む土手の上は広い範囲を見渡すことができるので、まずは土手の上からツバメを探し始めるといいでしょう。その際は大池や鶴見川も見られる西側の土手がおすすすめです。
大池では飛びながら水を飲むツバメを見ることができるので、近くのベンチに座って休憩しながらツバメが水を飲みに来るのを待つのもいいでしょう。
最寄り駅の小机駅の駅舎に多くの巣があるので、電車で行く場合はチェックしてみるのもおすすめです。
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城ヶ島【神奈川県】
神奈川県三浦半島の突端にある城ヶ島では主に夏鳥としてツバメが見られます。
ツバメは駐車場やバス停からすぐの長津呂の磯周辺で探すといいでしょう。ツバメは磯にある水たまりに降りてくることもあるで、水たまりが点在している場所は要チェックです。この辺りはイワツバメもよく見られるポイントなので見間違えないように注意しましょう。
また、磯は滑りやすく足場が非常に悪いので、ツバメを観察する際は足元に十分注意しましょう。
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相模大堰【神奈川県】
神奈川県の相模川中流にある相模大堰周辺には主に夏鳥としてツバメが生息しています。相模線の社家駅から徒歩5分ほどとアクセスも良く気軽にツバメを観察することができます。社家駅に駅舎に巣を作っていることもあるので、電車で訪れる場合は駅舎をチェックしてみるといいでしょう。
相模大堰では2020年に徒歩や自転車での管理橋の通行が可能になったので、両岸でツバメを観察することができます。
相模大堰の両岸の土手の上から河川敷を広く見渡しながらツバメを探していくといいでしょう。西側の土手沿いに木々が生えている場所はツバメの好む羽虫が多いので、ツバメが見られる確率が高くおすすめのポイントです。
水際まで出られるポイントもいくつかあるので、相模川で飛びながら水を飲むツバメを観察するのもいいでしょう。
ツバメの群れの中には留鳥のヒメアマツバメが混じっていることもあるので、併せて探してみるといいでしょう。
磯部頭首工【神奈川県】
神奈川県の相模川中流域にある磯部頭首工周辺には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
ツバメを探す際は相模川の東側の土手の上を歩きながら河川敷を飛び回るツバメを探していくといいでしょう。
電車で行く場合は相模線の相武台下駅から下溝駅までの相模川沿いを探していくのがおすすめです。下溝駅からすぐの三段の滝周辺もツバメが多く見られるポイントなので、気温が高く長時間歩くのが厳しい日には三段の滝周辺を重点的に探すのもいいでしょう。
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酒匂川河口周辺【神奈川県】
神奈川県の酒匂川河口周辺には主に夏鳥として多くのツバメがやって来ます。
ツバメの観察は昼間に順光で観察できる酒匂川の西側で行うのがおすすめです。河川敷は視界を遮るものが何もないので、まずは土手の上から広い範囲を見渡してツバメを探すといいでしょう。
酒匂川ではツバメが水を飲む姿もよく見られます。酒匂川河口周辺は水際まで出られる場所が多いので、それらの場所でツバメを観察するといいでしょう。
また、酒匂川河口周辺ではツバメの群れの中にコシアカツバメが混じっていることがあるので、注意して探してみるといいでしょう。
彩湖【埼玉県】
埼玉県の荒川沿いにある彩湖には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
ツバメは彩湖の各所で見られるので、土手の上や湖沿いなど広い範囲を見渡せる場所から探していくといいでしょう。
彩湖では飛びながら水を飲む姿も見られます。水際を歩ける彩湖の北東や、管理橋の上から観察してみるといいでしょう。
北東のグランド脇の林や、北西のビオトープの林周辺もツバメのエサとなる羽虫が多く飛んでおり、ツバメの餌場となっています。どちらも土手の上から林を見下ろせるので、木々の上の方を飛び回るツバメを目線の高さから観察できるおすすめのポイントです。
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芝川第一調節池【埼玉県】
埼玉県さいたま市にある芝川第一調節池には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
調節池の周囲にはツバメのエサとなる羽虫が多く集まる桑の木が各所にあり、桑の木の周囲で飛び回るツバメを見ることができます。桑の木は土手の上の遊歩道沿いにも多くあるので、遊歩道を歩きながら桑の木がある場所を中心にツバメを探していくといいでしょう。
調節池で水を飲む姿も見られるので、水際が近い場所から観察してみましょう。
調節池の南側にある芝川と水路の合流地点周辺もツバメを始めとしてイワツバメやヒメアマツバメなどが飛び回っていることがあるので、要チェックポイントです。
伊佐沼【埼玉県】
埼玉県川越市にある伊佐沼では主に夏鳥としてツバメが見られます。
伊佐沼ではツバメが見られる春から夏にかけて水位が高くなり、水飲み場として多くのツバメがやって来ます。
伊佐沼の西側には沼沿いに歩道が通っているので、順光となる午後に歩道からツバメを観察するといいでしょう。
歩道の途中には座れる場所もあるので、休憩しながらゆっくりと伊佐沼上空を飛び回るツバメを観察するのもおすすめです。
伊佐沼の北側には古代蓮観察用の木道もあるので、木道から沼を見渡しながら探すのもいいでしょう。
また、ツバメは伊佐沼周囲に広がる田園地帯でもよく見られます。休日などの人が多い時は周囲の田んぼでツバメを探すのもおすすめです。
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入間川中流域【埼玉県】
埼玉県狭山市を流れる入間川の中流域には主に夏鳥としてツバメが生息しています。
入間川の川沿いには遊歩道が通っており、河川敷を飛び回るツバメを間近で観察することができるポイントになっています。
水際に出られるポイントもいくつかあり、川幅が狭い場所では比較的近くで飛びながら水を飲むツバメを見ることができるでしょう。
イワツバメやヒメアマツバメもよく見られるポイントなので、ツバメの群れを見つけたら併せて探してみるといいでしょう。
浮島ヶ原【静岡県】
静岡県富士市~沼津市にまたがる浮島ヶ原では主に夏鳥としてツバメが生息しています。浮島ヶ原には田園地帯が広がっており、田んぼの上空を飛び回るツバメを観察することができます。
ツバメは田んぼの中を通る電線に群れで止まっていることもあるので要チェックです。
ツバメを探す際は、浮島ヶ原の中を流れる川の堤防の上など少し高い場所から田んぼを見渡しながら探すといいでしょう。
浮島ヶ原の西側には浮島ヶ原自然公園、東側にはアクアプラザ遊水池があるので、それらの場所を拠点に探すのもおすすめです。アクアプラザ遊水池では、飛びながら水を飲むツバメの姿も見られます。
また、浮島ヶ原はヒナの巣立ち後にねぐらとして利用されるため、夕方にはツバメの大群が見られるようになります。
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