富士山には夏鳥として多くの野鳥がやって来ます。
標高によって見られる種類が異なり、少し移動するだけで見られる野鳥がガラッと変わるのも富士山でのバードウォッチングの魅力の一つです。
そこで今回は、富士山で見られる夏鳥の一部を見られるポイントと共に紹介したいと思います。
※野鳥の写真は富士山以外で撮影したものも含まれています。また、漂鳥として夏季に見られる野鳥も夏鳥として紹介しています。
キビタキ
キビタキは名前の通りオスは鮮やかな黄色い体が特徴的な野鳥です。
富士山では各登山道の林やふもとの公園など様々な場所で見ることができます。
キビタキは富士山にやって来る夏鳥の中でも数が多く、観察する機会が非常に多い野鳥です。初夏に登山道を歩いていれば特に意識して探さなくても見ることができるでしょう。
富士山でキビタキが見られる主なポイント
オオルリ
オオルリは名前の通りオスの綺麗な瑠璃色が特徴的な野鳥です。ウグイス・コマドリと並んで日本三鳴鳥に数えられ、非常に美しい声でさえずります。
上記のキビタキに比べると富士山への飛来数は少なく、観察する機会はそれほど多くありません。
オオルリを探す際は登山道の途中に水場のあるポイントや、ふもとの林が広がる公園などで探すといいでしょう。
富士山でオオルリが見られる主なポイント
御胎内清宏園
コマドリ
コマドリは上記のオオルリと並んで日本三鳴鳥に数えられるほど美しい声でさえずる野鳥です。コマドリのさえずりは非常に大きく、周りが静かな時ならかなり遠くまで聞こえるので、さえずりを頼りに探すといいでしょう。
富士山にやって来る夏鳥の中では比較的標高が高い場所を好み、クマザサなどの下草が多い場所で見られます。そのため、五合目よりも少し下のクマザサが多い登山道で探すといいでしょう。
富士山でコマドリが見られる主なポイント
コルリ
コルリは名前の通りオスの美しい瑠璃色が特徴的な野鳥です。
上記のコマドリと同じく富士山では比較的標高の高いクマザサなどの下草が多い場所を好んで生息していますが、コマドリよりも標高が低い場所でも見られます。
さえずりはコマドリによく似ているので、コマドリと誤認しないように注意しましょう。
富士山でコルリが見られる主なポイント
マミジロ
マミジロは名前の通り目の上の白い眉班が特徴的な野鳥です。
富士山にやって来る夏鳥の中でも生息地は局所的なので、観察機会は少ない野鳥です。そのため、富士山でマミジロを探す際は過去に観察情報があった場所を中心に探すといいでしょう。
地面で採餌していることの多い野鳥なので、登山道などで探す場合は気が付かずに飛ばしてしまわないように注意しましょう。
富士山でマミジロが見られる主なポイント
センダイムシクイ
センダイムシクイはさえずりが「焼酎一杯グィー」と聞こえることで有名な野鳥です。
キビタキと並んで富士山への飛来数が多い野鳥で、登山道を歩いているとよくさえずりが聞こえてきます。
富士山では標高1000m前後の林でよく見られるので、そのあたりの標高の登山道を中心に探すといいでしょう。
富士山でセンダイムシクイが見られる主なポイント
メボソムシクイ
メボソムシクイはムシクイの仲間の中でも高地を好む野鳥です。そのため富士山でも森林限界付近の林でよく見られます。
上記のセンダイムシクイと非常によく似ていますが、センダイムシクイにある白い頭央線がないことと、全く違うさえずりで識別することができます。
木の上の方で忙しなく移動しながらさえずっていることが多いので、斜面林を上の方から見渡せるような場所で探すといいでしょう。
富士山でメボソムシクイが見られる主なポイント
ヤブサメ
ヤブサメは、名前の通り藪に好んで生息する小さな野鳥です。そのため、富士山でも藪の多い登山道沿いなどで見られます。藪の中を忙しなく飛び回っていることが多いので、姿を見るのは非常に難しい野鳥です。
ヤブサメはさえずりが非常に特徴的で、「シシシシシ・・・・」と虫の様に鳴きます。藪の中から聞こえてくるので、慣れていないと虫と間違えてしまうこともあるかもしれませんが、慣れればこれほど特徴的なさえずりも中々ないので、さえずりを頼りに探すと見つけやすいでしょう。
富士山でヤブサメが見られる主なポイント
ノビタキ
ノビタキは夏に高原で見られる野鳥の代表種的な存在です。
富士山では自衛隊の演習場など、草原が広がる場所で見られます。真夏にはその年に生まれた幼鳥も加わり、多くのノビタキが見られるようになります。
草原の中にある低木などをソングポストにしていることがおおいので、さえずりが聞こえたらそれらの場所を探してみるといいでしょう。電線などの高い場所にいることもあるので、それらの場所も要チェックです。
富士山でノビタキが見られる主なポイント
ホオアカ
ホオアカは上記のノビタキと並んで、夏に高原で見られる野鳥の代表種的な存在です。
名前の通り赤みがかった頬が特徴的で、富士山ではノビタキと同じく自衛隊の演習場など草原が広がっている場所でよく見られます。
草原の中の低木をソングポストにとしてさえずっている姿がよく見られるので、さえずりが聞こえたらそれらの場所を中心に探してみるといいでしょう。
富士山でホオアカが見られる主なポイント
朝霧高原
カッコウ
カッコウは「カッコウ、カッコウ」と聞こえるさえずりが非常に有名な野鳥です。
富士山では托卵相手となるノビタキなどが多く生息する草原の周囲などでよく見られます。
草原の中にある木のてっぺんなど、高く目立つ場所でさえずっていることが多いので、「カッコウ、カッコウ」と声が聞こえたらそれらの場所を中心に探してみるといいでしょう。さえずる声は非常に大きく、静かな場所ならかなり離れていても聞こえるので、草原を一望できる場所で探してみるのもおすすめです。
富士山でカッコウが見られる主なポイント
サンコウチョウ
サンコウチョウはオスの長い尾羽が非常に特徴的で人気が高い野鳥です。
「月、日、星、ホイホイホイ」と聞こえる非常に特徴的なさえずりをするので、さえずりを頼りに探せば見つけやすいでしょう。
富士山では比較的数が少なく生息地も局所的なので、観察する機会は少ない野鳥です。
富士山でサンコウチョウが見られる主なポイント
御胎内清宏園
ノジコ
ノジコはアオジによく似た黄緑色の体が綺麗な野鳥です。
富士山にやって来る夏鳥の中でも数が非常に少なく、限られた場所でしか見ることができないため、観察する機会は非常に少ない野鳥です。そのため富士山でノジコを探す際は過去に観察情報がある場所で探すのがいいでしょう。
また、富士山ではノジコに非常によく似たアオジも多く生息しているので、識別には注意しましょう。
富士山でノジコが見られる主なポイント
オオジシギ
オオジシギは「雷シギ」とも呼ばれ、大きな羽音を立ててディスプレイフライトを行うことで有名な野鳥です。
富士山では自衛隊の演習場などの草原が広がる場所で見ることができます。
早朝や夕方に非常に大きな音を立ててディスプレイフライトを繰り返すので、その羽音を頼りに探せば簡単に見つけることができるでしょう。
ディスプレイフライトを行った後は、草原の中にある低木や枯れ木に止まって鳴いていることが多いので、オオジシギが止まりそうな場所の近くであらかじめ待っているのもおすすめです。
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