イワツバメが見られる生息地と探す際のポイント
イワツバメは主に夏鳥として日本にやって来ます。白い腰が特徴で、飛んでいても肉眼で確認できるほど目立ちます。
泥を使って巣を作るので、海岸沿いや河川敷など水辺の近くでよく見られます。橋の裏側に巣を作ることも多く、エサとなる小さな虫が多い場所なら橋の上から探してみるのもおすすめです。大きめの橋で、橋の下に複数のイワツバメが巣を作っている場合は橋の上にいれば、巣から次々に飛び立つイワツバメを見ることが来ます。
普段は上空を飛び回っており観察するのは大変ですが、春先にイワツバメの飛び回っている場所の近くにある水たまりや川岸で待っていれば巣材の泥をとりにイワツバメが降りてくることがあるので、しばらく待ってみるといいでしょう。
また、普通のツバメと生息地が被ることも多いので、両種が生息している場所では識別に注意しましょう。
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東京港野鳥公園【東京都】
東京都大田区にある東京港野鳥公園には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
東京港野鳥公園でイワツバメを探す際はネイチャーセンター前広場や西淡水池の上空が見渡せる自然生態園の4号観察小屋などの上空が広く見渡せる場所を中心に探すといいでしょう。特に4号観察小屋は日差しが強い日でも室内からイワツバメを観察することができるのでおすすめです。
東京港野鳥公園ではツバメやヒメアマツバメも見られ、時にはイワツバメと一緒に飛び回っていることもあるので識別には注意が必要です。
また、東京港野鳥公園ではレンジャーの方がブログで野鳥情報を発信されているので、イワツバメを探しに行く際は事前にイワツバメの飛来状況をチェックしてから行くといいでしょう。
聖蹟桜ヶ丘【東京都】
東京都多摩市にある聖蹟桜ヶ丘の多摩川沿いでは主に夏鳥としてイワツバメが見られます。京王線の聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩5分ほどで、多摩川の土手に出られるためイワツバメを気軽に観察することができます。
イワツバメを探す際は駅側から下流方向にある野鳥観察小屋までの間を探すといいでしょう。
駅側の土手は南側にあるので昼間は順光の良い条件でイワツバメを観察することができます。イワツバメは河川敷を飛び回りながら昆虫を捕食しているので、堤防の上からなら目線の高さよりも下でイワツバメを観察することができます。
聖蹟桜ヶ丘の河川敷は休日には釣り人など人が多いので、比較的人の少ない平日に行くのがおすすめです。
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高尾山【東京都】
東京都八王子市にある高尾山には春から夏にかけてイワツバメがやって来ます。
高尾山といってもイワツバメが見られるのは京王線の高尾山口駅を降りてすぐにある案内川沿いなので、高尾山を登る必要はありません。駅から高尾山入り口までの川沿いを探してみるといいでしょう。人が多い場合は高尾山入り口よりも上流方面で探すのもおすすめです。
イワツバメは京王線の高尾山口駅周辺の高架下に営巣しているので、運が良ければ駅前の広場上空をイワツバメの大群が飛び回っていることもあります。
また高尾山はケーブルカーで登った高尾山駅周辺を回るだけでもキビタキなどの夏鳥を観察できる可能性があるので、併せて探してみるのがおすすめです。
ただし、イワツバメが見られる時期は高尾山のベストシーズンなので休日は非常に混雑します。野鳥観察を目的に行くなら比較的人が少ない平日がいいでしょう。
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羽村堰【東京都】
東京都羽村市にある羽村堰周辺には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
羽村堰周辺は多摩川の両岸を歩くことができ、河川敷を飛び回るイワツバメを観察することができます。羽村堰のすぐ下流には歩行者用の羽村堰下橋があり、両岸を自由に行き来できるため、イワツバメが多く飛び回っている方で観察するといいでしょう。
イワツバメは羽村堰の下流にある羽村大橋周辺でよく見られるので、橋のすぐそばにある小さな堰の東側から探すのもおすすめです。羽村大橋の周囲は視界を遮るものはなく広い範囲を見渡せるので、土手の上からイワツバメを探せば高い確率で観察することができるでしょう。
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城ヶ島【神奈川県】
神奈川県三浦半島の突端にある城ヶ島には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは主に城ヶ島の海岸沿いで見られます。春先には巣材の泥を集めに磯に降りてくる姿も見られます。泥のある水たまりから少し離れて待っていれば、次々にイワツバメが降りてくる姿が見られるでしょう。
城ヶ島の西側にある長津呂の磯がバス停や駐車場からアクセスがよくイワツバメを探すのにおすすめのポイントです。磯は足場が悪いので磯でイワツバメを探す際は足元に十分注意しましょう。
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境川遊水地【神奈川県】
神奈川県横浜市にある境川遊水地には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは境川遊水地内の下飯田遊水地のビオトープ周辺でよく見られます。
情報センター横にあるベンチからビオトープを一望できるので、そこからビオトープを飛び回るイワツバメを観察するといいでしょう。イワツバメを歩いて探す場合は情報センターから鷺舞橋までのビオトープの東側がおすすめです。
下飯田遊水地のビオトープではイワツバメの他にツバメやヒメアマツバメも見られるので、識別の練習にもおすすめのポイントです。
三段の滝【神奈川県】
神奈川県の相模川と鳩川の合流地点にある三段の滝周辺には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。相模線の下溝駅から徒歩5分ほどとアクセスも良く、気軽にイワツバメを観察することができるポイントです。
三段の滝の正面には橋が架かっており、橋の周囲からは相模川の河川敷を一望することができます。橋周辺は河川敷から少し高い位置にあるので、上空を飛び回るイワツバメを目線の高さで観察することができます。
三段の滝の北側には展望広場もあるので、広場で休憩しつつイワツバメが飛んでくるのを待つのもいいでしょう。
三段の滝から下流方向へ10分ほど歩くと水鳥が多く見られる磯部頭首工があるので、時間がある場合は訪れてみるといいでしょう。
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栢山頭首工【神奈川県】
神奈川県の酒匂川中流域にある栢山頭首工周辺では主に夏鳥としてイワツバメが見られます。
栢山頭首工は小田急小田原線の開成駅から徒歩5分ほどとアクセスもよく、気軽にイワツバメを観察できるポイントになります。
酒匂川の土手の上は非常に見晴らしがよく、晴れた日は非常に良い条件でイワツバメを観察することができます。
栢山頭首工の周囲でイワツバメが見つからない場合は土手の上を上流や下流方向へしばらく歩いて探してみるのもいいでしょう。
また、栢山頭首工周辺ではイワツバメの他にもツバメ、コシアカツバメ、ヒメアマツバメが見られるので、それぞれの違いを観察するのには絶好のポイントになります。
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早戸川林道【神奈川県】
神奈川県丹沢にある早戸川林道には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。早戸川橋から
イワツバメは主に早戸川橋周辺で見られるので、早戸川を見渡せる場所から上空を探してみるといいでしょう。
早戸川林道は宮ヶ瀬湖畔園地の駐車場に直結していますが、宮ヶ瀬湖畔園地の駐車場から早戸川橋までは4キロほど歩くことになります。しかし、早戸川林道はイワツバメの他にもヤマセミを始めとした多くの野鳥が観察できる探鳥地なので、駐車場から早戸川橋まで歩く価値は十分にあるでしょう。
早戸川林道周辺はヤマビルの生息地としても有名な場所なので、イワツバメを探しに行く際はヤマビルの活動が活発になる前の3月下旬辺りがおすすめです。
北部中央1号調整池【千葉県】
千葉県柏市にある北部中央1号調整池には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは春から夏にかけて調整池の上空をツバメと一緒になって飛び回っている姿が見られます。
調整池には東西に観察デッキがあるので、そこから調整池の上空を見渡してイワツバメを探していくといいでしょう。
また、イワツバメはすぐ近くにある北部中央2号調整池のつくばエクスプレスの高架下周辺でも見られるのでそちらも併せて探してみるといいでしょう。
彩湖【埼玉県】
埼玉県の荒川河川敷にある彩湖では主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは主に彩湖周囲の土手沿いや湖上、林の上空などで見られます。そのため、まずは土手の上などの周囲を広く見渡せる場所からイワツバメを探すといいでしょう。
湖上のイワツバメは管理橋より北側を一周しながら探すといいでしょう。管理橋の上は湖上を広く見渡せるので特におすすめのポイントです。
北東のグラウンド脇の林や北西のビオトープの林もイワツバメのエサとなる羽虫が多く、イワツバメがよく見られるポイントです。
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芝川第一調節池【埼玉県】
埼玉県さいたま市にある芝川第一調節池では主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
調節池周囲には桑の木が多く、桑の木の周りはイワツバメのエサとなる羽虫が多く飛んでいるのでイワツバメがよく見られるおすすめのポイントです。調節池の土手の上を歩いていれば道沿いに桑の木がある場所がいくつもあるので、それらの場所を中心にイワツバメを探していくといいでしょう。
南側の芝川と水路の合流地点付近が、イワツバメを始めとしてツバメやヒメアマツバメなども多く見られる可能性が高いおすすめポイントです。
芝川第一調節池は周囲の土手の上を遊歩道が通っているので、順光になる位置からイワツバメを観察するといいでしょう。
入間川中流域【埼玉県】
埼玉県狭山市を流れる入間川中流域には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは主に新富士見橋周辺でよく見られます。橋周辺は河川敷を歩ける遊歩道が整備されており、河川敷を飛び回るイワツバメを観察しやすいポイントになっています。河川敷は両岸とも歩くことができるので、太陽の位置に合わせて順光になる方から探していきましょう。
土手の上から橋周辺を見渡しながら探すのもおすすめです。
また、新富士見橋周辺はイワツバメの他にツバメやヒメアマツバメも見られるポイントなので、併せて探してみるといいでしょう。
境御嶽山自然の森公園【群馬県】
群馬県伊勢崎市にある境御嶽山自然の森公園では主に夏鳥としてイワツバメが見られます。
イワツバメは公園に隣接する広瀬川・粕川沿いを飛び回る姿がよく見られるので、川沿いの歩道を歩きながら探すといいでしょう。公園の西側の粕川沿いは広場になっており、広い範囲を見渡せるためイワツバメを見やすくおすすめのポイントです。
また、広瀬川や粕川に架かる橋の上もイワツバメを見やすいポイントになっています。橋の上からは、橋を飛びながらくぐるイワツバメを見ることができるでしょう。
浮島ヶ原【静岡県】
静岡県富士市と沼津市にまたがる浮島ヶ原では主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
イワツバメは浮島ヶ原の東側にあるアクアプラザ遊水池周辺でよく見られます。イワツバメは池の上空や、池に隣接しているヨシ原上空を飛び回っているので、池沿いを歩きながら探していくといいでしょう。池沿いの歩道は少し高くなっているので、目線の高さで飛び回るイワツバメを観察することができます。
ヨシ原沿いを歩ける遊歩道も順光でイワツバメを観察できるのでおすすめです。
また浮島ヶ原はツバメも多く見られる場所なので、イワツバメとの違いを比べてみるのもいいでしょう。
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八ヶ岳ふれあい公園【長野県】
長野県の八ヶ岳山麓にある八ヶ岳ふれあい公園には主に夏鳥としてイワツバメが生息しています。
公園内には大きな池があり、池の上空を飛び回るイワツバメが見られます。池の周囲は歩道が通っており、歩いて一周することができるので、順光の位置から飛び回るイワツバメを観察するといいでしょう。
また、イワツバメは車道側にある電線に止まっていることもあるで、必ずチェックしましょう。
園内の林ではイワツバメを見るのは難しいですが、キビタキやコムクドリなど、多くの夏鳥が見られるので併せて探してみるといいでしょう。
天龍村【長野県】
長野県南部にある天龍村は春から夏にかけて村内の各所でイワツバメを見ることができます。
主に天竜川沿いで見られるので、川沿いを中心に探してみるのがおすすめです。ただし、天龍村には普通のツバメも多いので識別には注意しましょう。
また天龍村はブッポウソウの生息地として全国的にも有名な探鳥地なので合わせて探してみるのをおすすめします。