キアシシギが見られる生息地と探す際のポイント
キアシシギは主に旅鳥として春と秋の渡りの時期に干潟や田んぼなどに生息しています。日本に飛来するシギ科の野鳥の中でも数が多く、観察も比較的容易な部類です。
キアシシギの生息地では他のシギチドリも多く見られますが、名前の通り黄色い足が特徴的なので、識別の際は最初に足の色を確認するといいでしょう。
キアシシギは群れで行動することが多く、時には数十羽の大群で採餌や休息する姿を見ることができるでしょう。
満潮時には水際の岩場などで群れで休息する姿がよく見られるのでキアシシギをじっくりと観察したい場合は、満潮時に探してみるのもおすすめです。
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葛西臨海公園【東京都】
東京都江戸川区にある葛西臨海公園では主に春と秋の渡りの時期にキアシシギを見ることができます。
キアシシギは主に西なぎさの干潟や鳥類園内で見られます。
西なぎさでは干潮時に広大な干潟が出現し、キアシシギをはじめとした多くのシギチドリが見られます。キアシシギは波打ち際の岩場近くで見られることが多く、気が付かずに飛ばしてしまうこともあるので、岩場に近づく際は双眼鏡などで事前にチェックしましょう。特に満潮時は岩の上で休んでいることが多いので、西なぎさの他にも西なぎさからみえる東なぎさの岩場もチェックしてみるといいでしょう。
鳥類園では下の池にできる干潟にやってきます。
西なぎさと違って野鳥観察窓から観察できるので場合によってはかなり近くでキアシシギを観察することができるでしょう。キアシシギは擬岩の観察窓から見られることが多いので、まずは擬岩の観察窓から探してみるのがおすすめです。
下の池には複数の観察小屋や観察窓があるので、晴れの日は順光になる位置から探すといいでしょう。
また鳥類園のスタッフの方がブログで野鳥情報を発信しているのでキアシシギを探しに行く前にチェックしてみるといいでしょう。
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新木場緑道公園【東京都】
東京都江東区にある新木場緑道公園では主に春や秋の渡りの時期にキアシシギが見られます。
新木場緑道公園には公園の目の前に干潮時になると岩場が出現します。キアシシギはその岩場で見られるので、キアシシギを探しに行く際は干潮時に行くといいでしょう。
岩場は東側にあるので、午後に公園の南側から探鳥を始めると順光の良い条件でキアシシギを探すことができます。
新木場緑道公園は上記の葛西臨海公園の対岸にあります、葛西臨海公園は人気の探鳥地で人も多いので、ゆっくりとキアシシギを探したい場合は比較的人が少ないこちらの公園で探すのがおすすめです。
東京港野鳥公園【東京都】
東京都大田区にある東京港野鳥公園では主に春と秋の渡りの時期にキアシシギが見られます。
キアシシギは主に園内東側にある潮入の池で見られます。潮入りの池にはフィールドスコープが常設された野鳥観察小屋とネイチャーセンターがあるので、干潟が出現する時間帯に合わせていくといいでしょう。満潮時にはネイチャーセンターの前にあるアジサシ島で休んでいることがあるので要チェックです。
ネイチャーセンターでは室内からの観察になるので、人の少ない雨の日もキアシシギの観察にはおすすめです。
東京港野鳥公園では休園日以外はその日に見られた野鳥情報をホームページで発信しているので必ずチェックキアシシギが来ていないかチェックしてから行きましょう。
多摩川六郷橋緑地【東京都】
東京都大田区の多摩川沿いにある多摩川六郷橋緑地では主に春と秋の渡りの時期にキアシシギが見られます。緑地は京浜急行線の六郷土手駅のすぐ近くにあり、アクセスも良いので気軽にキアシシギを観察することができるポイントです。
多摩川六郷橋緑地は多摩川の河口に近いため、東京湾の干潮時に干潟が出現し、その干潟でキアシシギを見ることができます。テトラポッド前の干潟や、水門前の干潟などヨシ原の隙間から干潟を観察できるポイントがいくつかあるので、それらの場所でキアシシギを探すといいでしょう。
特にテトラポッド前の干潟は足場もしっかりとしており、キアシシギがかなり観察しやすいおすすめのポイントです。
ただし、干潟はどこも南向きのため晴れた日の昼間は逆光になり少し観察しにくくなります。そのため、晴れの日は早朝や夕方などに観察するのがおすすめです。
多摩川河口付近【神奈川県】
多摩川の河口付近では主に春と秋の渡りの時期にキアシシギが見られます。神奈川県側の大師橋~河口には干潮時に干潟が出現し、キアシシギをはじめとした多くのシギチドリが生息しています。
堤防の上には歩道・サイクリングロードが整備されており、高い位置から干潟を見渡すことができます。通行量が多いためか人に慣れている個体も多く、堤防の斜面で待っていれば、かなり近くまで寄ってきてくれることもあります。
大師橋から河口まで干潟を観察できるポイントはいくつかありますが、殿町第2公園近くと河口近くの干潟が堤防と干潟の距離が近く、野鳥も近くで見やすいのでおすすめです。
満潮時には水際の岩場などで休んでいる姿も見られるの、干潮から満潮になる時間帯を狙っていけばキアシシギを近くで観察できる可能性が高くおすすめです。
酒匂川河口周辺【神奈川県】
神奈川県の酒匂川河口周辺では主に旅鳥として春や秋の渡りの時期にキアシシギが見られます。
キアシシギは河口周辺にできる酒匂川の中州や、小さな堰の様になっているコンクリートブロックなどで見られます。
キアシシギを探す際は昼間に順光で水際に出られるポイントが多い酒匂川の西側から探すといいでしょう。川沿いは視界が開けており、キアシシギを探すのに向いていますが、こちらの体を隠す場所も少ないので、キアシシギを飛ばしてしまわないように水際のヨシなどにうまく体を隠してキアシシギを観察しましょう。
干潟と違って潮位はあまり関係ありませんが、干潮時は中洲が広がるので、干潮時は中洲を中心に探していくといいでしょう。
谷津干潟【千葉県】
谷津干潟には主に春と秋の渡りの時期にキアシシギが観察できます。
谷津干潟は干潟の周囲に歩道が整備されており歩いて一周することができますが、キアシシギを探す際は南側と東側が干潟を広く見渡せるのでおすすめです。
また、入館料がかかりますが南側にある谷津干潟自然観察センターにはフィールドスコープが常設されており干潟の広範囲を探すことができるため、キアシシギを見つけられる確率が上がるでしょう。センター内にはその日に観察された野鳥が掲示されているため入館したらキアシシギの名前がないか必ずチェックしておきましょう。
満潮近くになると自然観察センターの前浜に集まってくることがあるのであえて満潮近くに行くのもいいでしょう。
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日の出海岸【千葉県】
千葉県の浦安市にある日の出海岸には主に渡りの時期にキアシシギを観察することができます。
日の出海岸に干潟は出現しませんが、干潮時には堤防に潮だまりができ、その潮だまりにキアシシギがやって来ます。
堤防に体を隠して観察できるので、かなり近くでキアシシギを観察することができます。午後には順光になってさらに観察しやすくなるので、日の出海岸でキアシシギを観察する際には午後に干潮になる時に行くといいでしょう。
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茜浜緑地【千葉県】
千葉県習志野市にある茜浜緑地では主に旅鳥として渡りの時期にキアシシギが見られます。
茜浜緑地は東京湾に面しており、海沿いを歩道が通っています。砂浜や干潟などはなく、水際には消波ブロックがあり、キアシシギがその消波ブロックの上で見られます。
堤防をブラインド代わりに利用すれば、キアシシギを近くで観察できる可能性がありますが、堤防が邪魔に感じる場合は、柵沿いから消波ブロックを見られる隣接する習志野親水護岸のベンチ前でキアシシギを探すといいでしょう。
また、晴れた日の昼間は逆光にポイントが多いので、キアシシギを探しに行く際は曇りの日などがおすすめです。
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小櫃川河口【千葉県】
千葉県木更津市にある小櫃川河口では主に渡りの時期にキアシシギが見られます。
小櫃川河口にできる干潟は広大で、干潮時にはキアシシギがかなり遠くにいることがあるので、キアシシギを探しに行く際は干潮から満潮になる時間帯に行くといいでしょう。水際は砂浜になっているので、座ってゆっくり待っていると潮に追われたキアシシギが近くまでやって来る可能性が高まります。
河口にできる干潟は東側からの観察になるので、順光で観察できる午前中がおすすめです。
満潮時には干潟までの歩道が水没することもあるので、潮位には十分注意しましょう。
また、小櫃川河口は風が強いことが多く、強風の日には砂浜の砂が巻き上げられて観察どころではないので天気予報だけでなく風予報も必ずチェックしてから行きましょう。
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沖縄本島【沖縄県】
沖縄県の沖縄本島は春と秋のシギチドリの重要な経由地となっており、多くのキアシシギを見ることができます。
島の各所にある干潟ではどこでも観察できる可能性があり、内陸部でも田イモ畑などキアシシギが好む環境が多くあります。
車があれば、各所にある干潟や田園地帯をめぐることができますが、車がない場合はゆいレールの奥武山公園駅から徒歩15分ほどの漫湖や、バス停から徒歩15分ほどの具志干潟などがおすすめです。
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